宅建試験過去問題 平成15年試験 問16

問16

国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. Aが所有する都市計画区域に所在する面積6,000㎡の土地をBに売却する契約を、Aと、Bの売買契約の代理人であるCが締結した場合、CはC名義により、事後届出を行う必要がある。
  2. Dが所有する市街化調整区域に所在する面積4,000㎡の農地をEに売却する契約を、農地法第5条の許可を停止条件としてDとEが締結した場合、Eは事後届出を行う必要がある。
  3. Fが所有する市街化区域に所在する面積5,000㎡の一団の土地を分割して、1,500㎡をGに、3,500㎡をHに売却する契約をFがそれぞれG及びHと締結した場合、Gは事後届出を行う必要はないが、Hは事後届出を行う必要がある。
  4. 甲市が所有する市街化区域に所在する面積3,000㎡の土地をIに売却する契約を、甲市とIが締結した場合、Iは事後届出を行う必要がある。

正解 3

問題難易度
肢15.4%
肢214.9%
肢373.8%
肢45.9%

解説

  1. 誤り。事後届出は売買等の契約により土地の権利の移転・設定を受けるものが行うことになっています。代理の効果は本人に帰属するので、事後届出の義務は土地の取得者に当たる買主Bです。都市計画区域内で事後届出が必要な面積は、市街化区域2,000㎡以上、市街化調整区域・非線引き区域5,000㎡以上なので、面積6,000㎡の土地を取得したBは事後届出を行う必要があります。
  2. 誤り。事後届出の例外として、取得しようとする土地が農地法の3条許可を受ける必要があるときは面積にかかわらず事後届出は不要とされています(国土利用計画法23条2項3号、同法令17条1号、同6条7号)。本肢は5条許可ですから例外には該当しませんが、市街化調整区域の基準面積である5,000㎡に満たない土地なので、事後届出は不要となります。
    なお、本肢では基準面積以下なので事後届出は不要となりますが、停止条件付契約であっても契約日から起算して2週間以内に事後届出が必要となることを押さえておきましょう。条件が成就して契約の効力が発生した日から2週間以内ではありません。
  3. [正しい]。一団の土地を分割して複数人に売却した場合、買主ごと取得面積で判断します。本肢の土地は市街化区域内の土地ですから2,000㎡以上の取得かどうかが事後届出の要否を分けます。よって、1,500㎡のGは事後届出不要、3,500㎡のHには事後届出の義務があります。
  4. 誤り。契約当事者の一方又は双方が、国や地方公共団体その他政令で定める法人である場合は、事後届出は不要となります(国土利用計画法23条2項3号)。よって、売主が甲市である本肢のケースは、事後届出を行う必要はありません。
したがって正しい記述は[3]です。