宅地建物取引業・免許(全58問中46問目)
No.46
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。平成18年試験 問30
- A社の取締役が、刑法第211条(業務上過失致死傷等)の罪を犯し、懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、執行猶予期間は満了した。その満了の日から5年を経過していない場合、A社は免許を受けることができない。
- B社は不正の手段により免許を取得したとして甲県知事から免許を取り消されたが、B社の取締役Cは、当該取消に係る聴聞の期日及び場所の公示の日の30日前にB社の取締役を退任した。B社の免許取消の日から5年を経過していない場合、Cは免許を受けることができない。
- D社の取締役が、刑法第159条(私文書偽造)の罪を犯し、地方裁判所で懲役2年の判決を言い渡されたが、この判決に対して高等裁判所に控訴して現在裁判が係属中である。この場合、D社は免許を受けることができない。
- E社は乙県知事から業務停止処分についての聴聞の期日及び場所を公示されたが、その公示後聴聞が行われる前に、相当の理由なく宅地建物取引業を廃止した旨の届出をした。その届出の日から5年を経過していない場合、E社は免許を受けることができない。
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正解 2
問題難易度
肢17.0%
肢265.4%
肢37.8%
肢419.8%
肢265.4%
肢37.8%
肢419.8%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:1 - 宅地建物取引業・免許
解説
- 誤り。役員が執行猶予期間を経過すれば、A社は直ちに免許を受けることが可能です。
禁錮以上の刑に処された者は違反した法律を問わず欠格事由に該当します(宅建業法5条1項5号)。執行猶予が付いた場合、その期間中は欠格事由に該当しますが、執行猶予期間を経過すれば刑の言い渡しが失効する(最初からなかったことになる)ので、直ちに免許を受けることが可能となります。免許を受けようとするE社の役員に、宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた者がいる場合、その刑の執行が終わって5年を経過しなければ、E社は免許を受けることができない。(R3⑩-27-4)免許を受けようとするA社の取締役が刑法第204条(傷害)の罪により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられた場合、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を満了し、その日から5年を経過しなければ、A社は免許を受けることができない。(R2⑩-43-1)宅地建物取引業を営もうとする個人Cが、懲役の刑に処せられ、その刑の執行を終えた日から5年を経過しない場合、Cは免許を受けることができない。(H30-36-3)C社の政令で定める使用人Dは、刑法第234条(威力業務妨害)の罪により、懲役1年、執行猶予2年の刑に処せられた後、C社を退任し、新たにE社の政令で定める使用人に就任した。この場合においてE社が免許を申請しても、Dの執行猶予期間が満了していなければ、E社は免許を受けることができない。(H27-27-2)免許を受けようとする法人の政令で定める使用人が、覚せい剤取締法違反により懲役刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から5年を経過していない場合、当該使用人が取締役に就任していなければ当該法人は免許を受けることができる。(H25-43-3)A社の役員Bは、宅地建物取引業者C社の役員として在籍していたが、その当時、C社の役員Dがかつて禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過していないとしてC社は免許を取り消されている。この場合、A社は、C社が免許を取り消されてから5年を経過していなくても、免許を受けることができる。(H23-27-1)法人Cの役員のうちに、刑法第204条(傷害)の罪を犯し懲役1年の刑に処せられ、その刑の執行猶予期間を経過したが、その経過した日から5年を経過しない者がいる場合、Cは、免許を受けることができない。(H22-27-3)免許を受けようとするD社に、刑法第204条(傷害)の罪により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、その猶予期間が満了している役員がいる場合、その満了の日から5年を経過しなければ、D社は免許を受けることができない。(H20-31-4)B社の取締役が、刑法第204条(傷害)の罪で懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、猶予期間を満了したが、その満了の日から5年を経過していないので、B社は免許を受けることができない。(H16-31-2) - [正しい]。法人が①不正手段による免許取得、②業務停止処分に違反、③業務停止処分に該当し、情状が特に重い、の3つのいずれかの事由により免許を取り消された場合、免許取消処分の聴聞の公示日前60日以内に役員であった者であり、取消しの日から5年を経過しない者は、免許を受けることができません(宅建業法5条1項4号)。A社は、不正の手段により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に、合併により消滅したが、合併に相当の理由がなかった。この場合においては、当該公示の日の50日前にA社の取締役を退任したBは、当該消滅の日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。(H27-27-1)
- 誤り。控訴や上告の期間中は刑が確定していないので、欠格事由である「禁錮以上の刑に処せられた者」に該当しません。よって、D社は免許を受けることが可能です。
- 誤り。E社の廃業は「業務停止処分」についての聴聞の公示後ですので、欠格事由に該当せず、5年を待たずに免許を受けることができます。
5年間の欠格となるのは、①不正手段による免許取得、②業務停止処分に違反、③業務停止処分に該当し情状が特に重い、の3つのいずれかの事由(三悪)による免許取消処分の聴聞が公示された後、相当な理由なく廃業等した場合です(宅建業法5条1項3号)。宅地建物取引業者が、免許を受けてから1年以内に事業を開始せず免許が取り消され、その後5年を経過していない場合は、免許を受けることができない。(R2⑫-31-1)免許を受けようとするA社に、刑法第204条(傷害)の罪により懲役1年(執行猶予2年)の刑に処せられ、その刑の執行猶予期間を満了した者が役員として在籍している場合、その満了の日から5年を経過していなくとも、A社は免許を受けることができる。(H24-26-1)宅地建物取引業者Cは、業務停止処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に、相当の理由なく廃業の届出を行った。この場合、Cは、当該届出の日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。(H21-27-ウ)
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