宅建試験過去問題 平成24年試験 問26

問26

宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 免許を受けようとするA社に、刑法第204条(傷害)の罪により懲役1年(執行猶予2年)の刑に処せられ、その刑の執行猶予期間を満了した者が役員として在籍している場合、その満了の日から5年を経過していなくとも、A社は免許を受けることができる。
  2. 免許を受けようとするB社に、刑法第206条(現場助勢)の罪により罰金の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなくとも、B社は免許を受けることができる。
  3. 免許を受けようとするC社に、刑法第208条(暴行)の罪により拘留の刑に処せられた者が役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなければ、C社は免許を受けることができない。
  4. 免許を受けようとするD社に、刑法第209条(過失傷害)の罪により科料の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなければ、D社は免許を受けることができない。

正解 1

問題難易度
肢168.6%
肢212.3%
肢315.2%
肢43.9%

解説

罰金刑を受けたときに免許取消しとなる刑法の罪は次の6種類です。
  • 傷害罪(204条)
  • 現場助勢罪(206条)
  • 暴行罪(208条)
  • 凶器準備集合及び結集罪(208条の2)
  • 脅迫罪(222条)
  • 背任罪(247条)
また、宅地建物取引業者の役員や政令で定める使用人が、これらについて罰金刑を受けたときも、その宅地建物取引業者の免許が取り消されます。
  1. [正しい]。法人の役員に禁錮以上の刑に処せられた者がいた場合であっても、執行猶予付き判決であり、かつ、執行猶予期間が満了している場合であれば、免許を受けることができます(宅建業法5条1項3号)。
    宅地建物取引業者が、免許を受けてから1年以内に事業を開始せず免許が取り消され、その後5年を経過していない場合は、免許を受けることができない。R2⑫-31-1
    宅地建物取引業者Cは、業務停止処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に、相当の理由なく廃業の届出を行った。この場合、Cは、当該届出の日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。H21-27-ウ
    E社は乙県知事から業務停止処分についての聴聞の期日及び場所を公示されたが、その公示後聴聞が行われる前に、相当の理由なく宅地建物取引業を廃止した旨の届出をした。その届出の日から5年を経過していない場合、E社は免許を受けることができない。H18-30-4
  2. 誤り。法人の役員に現場助勢罪により罰金の刑に処せられた者がいる場合、その刑の執行が終了した日から5年を経過しなければ、その法人は免許を受けることはできません(宅建業法5条1項6号)。
    免許を受けようとするC社に、刑法第208条(暴行)の罪により拘留の刑に処せられた者が役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなければ、C社は免許を受けることができない。H24-26-3
    免許を受けようとするD社に、刑法第209条(過失傷害)の罪により科料の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなければ、D社は免許を受けることができない。H24-26-4
    E社の役員のうちに、刑法第246条の詐欺罪により罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、E社は免許を受けることができない。H23-27-2
    法人Bの役員のうちに、宅地建物取引業法の違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Bは、免許を受けることができない。H22-27-2
    法人Dの役員のうちに、道路交通法の規定に違反したことにより、科料に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Dは、免許を受けることができない。H22-27-4
    宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた取締役がいる法人Bは、その刑の執行が終わった日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。H21-27-イ
    免許を受けようとするC社に、刑法第206条(現場助勢)の罪により科料に処せられた役員がいる場合、その刑の執行が終わってから5年を経過しなければ、C社は免許を受けることができない。H20-31-3
    宅地建物取引業者B社の取締役が、刑法第209条(過失傷害)の罪により罰金の刑に処せられた場合、B社の免許は取り消される。H19-33-2
    A社の政令で定める使用人は、刑法第247条(背任)の罪を犯し、罰金の刑に処せられたが、その執行を終えてから3年を経過しているので、A社は免許を受けることができる。H16-31-1
    法人の役員のうちに刑法第159条(私文書偽造等)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられている者がいる場合は、免許を受けることができないが、刑の執行後5年を経過すれば、免許を受けることができる。H15-31-1
    法人の役員のうちに刑法第204条(傷害)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられている者がいる場合は、免許を受けることができないが、刑の執行後5年を経過すれば、免許を受けることができる。H15-31-4
  3. 誤り。法人の役員に暴行罪により罰金の刑に処せられた者がいる場合、その刑の執行が終了した日から5年以内を経過しなければ、その法人は免許を受けることはできません。しかし、本肢は拘留の刑ですので免許を受けることができます(宅建業法5条1項6号)。
    免許を受けようとするB社に、刑法第206条(現場助勢)の罪により罰金の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなくとも、B社は免許を受けることができる。H24-26-2
    免許を受けようとするD社に、刑法第209条(過失傷害)の罪により科料の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなければ、D社は免許を受けることができない。H24-26-4
    E社の役員のうちに、刑法第246条の詐欺罪により罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、E社は免許を受けることができない。H23-27-2
    法人Bの役員のうちに、宅地建物取引業法の違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Bは、免許を受けることができない。H22-27-2
    法人Dの役員のうちに、道路交通法の規定に違反したことにより、科料に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Dは、免許を受けることができない。H22-27-4
    宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた取締役がいる法人Bは、その刑の執行が終わった日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。H21-27-イ
    免許を受けようとするC社に、刑法第206条(現場助勢)の罪により科料に処せられた役員がいる場合、その刑の執行が終わってから5年を経過しなければ、C社は免許を受けることができない。H20-31-3
    宅地建物取引業者B社の取締役が、刑法第209条(過失傷害)の罪により罰金の刑に処せられた場合、B社の免許は取り消される。H19-33-2
    A社の政令で定める使用人は、刑法第247条(背任)の罪を犯し、罰金の刑に処せられたが、その執行を終えてから3年を経過しているので、A社は免許を受けることができる。H16-31-1
    法人の役員のうちに刑法第159条(私文書偽造等)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられている者がいる場合は、免許を受けることができないが、刑の執行後5年を経過すれば、免許を受けることができる。H15-31-1
    法人の役員のうちに刑法第204条(傷害)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられている者がいる場合は、免許を受けることができないが、刑の執行後5年を経過すれば、免許を受けることができる。H15-31-4
  4. 誤り。法人の役員に傷害罪により罰金の刑に処せられた者がいる場合、その刑の執行が終了した日から5年以内を経過しなければ、その法人は免許を受けることはできません。しかし、刑法第209条(過失傷害)による科料の刑は欠格事由に該当しませんので、免許を受けることができます(宅建業法5条1項6号)。
    免許を受けようとするB社に、刑法第206条(現場助勢)の罪により罰金の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなくとも、B社は免許を受けることができる。H24-26-2
    免許を受けようとするC社に、刑法第208条(暴行)の罪により拘留の刑に処せられた者が役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから5年を経過していなければ、C社は免許を受けることができない。H24-26-3
    E社の役員のうちに、刑法第246条の詐欺罪により罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、E社は免許を受けることができない。H23-27-2
    法人Bの役員のうちに、宅地建物取引業法の違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Bは、免許を受けることができない。H22-27-2
    法人Dの役員のうちに、道路交通法の規定に違反したことにより、科料に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Dは、免許を受けることができない。H22-27-4
    宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた取締役がいる法人Bは、その刑の執行が終わった日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。H21-27-イ
    免許を受けようとするC社に、刑法第206条(現場助勢)の罪により科料に処せられた役員がいる場合、その刑の執行が終わってから5年を経過しなければ、C社は免許を受けることができない。H20-31-3
    宅地建物取引業者B社の取締役が、刑法第209条(過失傷害)の罪により罰金の刑に処せられた場合、B社の免許は取り消される。H19-33-2
    A社の政令で定める使用人は、刑法第247条(背任)の罪を犯し、罰金の刑に処せられたが、その執行を終えてから3年を経過しているので、A社は免許を受けることができる。H16-31-1
    法人の役員のうちに刑法第159条(私文書偽造等)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられている者がいる場合は、免許を受けることができないが、刑の執行後5年を経過すれば、免許を受けることができる。H15-31-1
    法人の役員のうちに刑法第204条(傷害)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられている者がいる場合は、免許を受けることができないが、刑の執行後5年を経過すれば、免許を受けることができる。H15-31-4
したがって正しい記述は[1]です。