宅地造成等規制法(全23問中4問目)

No.4

宅地造成等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
令和3年10月試験 問19
  1. 宅地造成工事規制区域内において、宅地を造成するために切土をする土地の面積が500㎡であって盛土を生じない場合、切土をした部分に生じる崖の高さが1.5mであれば、都道府県知事の法第8条第1項本文の工事の許可は不要である。
  2. 都道府県知事は、法第8条第1項本文の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない。
  3. 都道府県知事は、一定の場合には都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)の規則で、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の技術的基準を強化し、又は付加することができる。
  4. 都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成工事規制区域内で、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。

正解 4

問題難易度
肢123.2%
肢28.9%
肢36.3%
肢461.6%

解説

  1. 正しい。宅地造成に関する工事のうち、許可が必要となるものを確認しましょう。
    • 切土で2m超の崖を生じるもの
    • 盛土で1m超の崖を生じるもの
    • 切土盛土を合わせて2m超の崖を生じるもの
    • 切土盛土する土地面積が500㎡超
    本肢は、切土する面積が500㎡(500㎡以下)、切土により生じる崖の高さが1.5m(2m以下)ですので、許可は不要となります(宅造法令3条)。
    宅地造成工事規制区域内において、切土であって、当該切土をする土地の面積が400㎡で、かつ、高さ1mの崖を生ずることとなるものに関する工事を行う場合には、一定の場合を除き、都道府県知事の許可を受けなければならない。H30-20-4
    宅地造成工事規制区域内において、宅地を造成するために切土をする土地の面積が500㎡であって盛土が生じない場合、切土をした部分に生じる崖の高さが1.5mであれば、都道府県知事の許可は必要ない。H27-19-4
    宅地造成工事規制区域内において行われる切土であって、当該切土をする土地の面積が600平方メートルで、かつ、高さ1.5mの崖を生ずることとなるものに関する工事については、都道府県知事の許可が必要である。H25-19-2
    宅地造成工事規制区域内において、切土であって、当該切土をする土地の面積が400平方メートルで、かつ、高さ1mの崖(がけ)を生ずることとなるものに関する工事を行う場合には、都市計画法第29条第1項又は第2項の許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した工事を除き、都道府県知事の許可を受けなければならない。H21-20-2
    宅地造成工事規制区域内において、森林を宅地にするために行う切土であって、高さ3mのがけを生ずることとなるものに関する工事を行う場合には、造成主は、都市計画法第29条第1項又は第2項の許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した工事を除き、工事に着手する前に、都道府県知事の許可を受けなければならない。H20-22-1
    宅地以外の土地を宅地にするための切土であって、当該切土を行う土地の面積が400㎡であり、かつ、高さが1mのがけを生ずることとなる土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。H16-23-3
    規制区域内の宅地において行われる切土による土地の形質の変更に関する工事で、当該宅地に高さ1.5mのがけが生じ、かつ、その面積が600㎡のときには、造成主は、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならない。H15-24-2
  2. 正しい。宅地造成に関する工事の許可の申請があった場合には、都道府県知事は、遅滞なく、文書をもって許可または不許可の処分をしなければなりません(宅造法10条)。
    都道府県知事は、第八条第一項本文の許可の申請があつた場合においては、遅滞なく、許可又は不許可の処分をしなければならない。
    2 前項の処分をするには、文書をもつて当該申請者に通知しなければならない。
    都道府県知事は、法第8条第1項の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない。H18-23-3
  3. 正しい。都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、所定の技術的基準のみによっては宅地造成に伴う崖崩れまたは土砂の流出の防止の目的を達し難いと認める場合においては、都道府県の規則で、①必要な技術的基準の強化や、②必要な技術的基準の付加をすることができます(宅造法令15条2項)。
    都道府県知事は、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、この章の規定のみによつては宅地造成に伴う崖崩れ又は土砂の流出の防止の目的を達し難いと認める場合においては、都道府県の規則で、この章に規定する技術的基準を強化し、又は必要な技術的基準を付加することができる。
    都道府県知事は、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、宅地造成等規制法の規定のみによっては宅地造成に伴うがけ崩れ又は土砂の流出の防止の目的を達し難いと認める場合は、都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)の規則で、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の技術的基準を強化し、又は付加することができる。R5-19-2
    都道府県知事は、一定の場合には都道府県(指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)の規則で、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の技術的基準を強化することができる。H29-20-3
  4. [誤り]。造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域の既に造成済の宅地について指定されます(宅造法20条1項)。よって、「宅地造成工事規制区域で…指定できる」とする本肢は誤りです。
    都道府県知事は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み、宅地造成工事規制区域内の土地を除く。)の区域であつて政令で定める基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。
    都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成工事規制区域内で、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって、一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。R5-19-1
    都道府県知事は、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるものを、造成宅地防災区域として指定することができる。R1-19-4
    都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成工事規制区域内で、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。H24-20-4
    都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内においても、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者に危害を生ずるもの(以下この問において「災害」という。)の発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域を造成宅地防災区域に指定することができる。H19-23-1
したがって誤っている記述は[4]です。