宅建試験過去問題 平成24年試験 問20(改題)

問20

宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。
  1. 宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成又は特定盛土等に関する工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事の検査を申請しなければならない。
  2. 宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事について許可をする都道府県知事は、当該許可に、工事の施工に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができる。
  3. 都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内における土地の所有者、管理者又は占有者に対して、当該土地又は当該土地において行われている工事の状況について報告を求めることができる。
  4. 都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成等工事規制区域内で、宅地造成又は宅地において行う特定盛土等に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。

正解 4

問題難易度
肢115.1%
肢24.7%
肢38.6%
肢471.6%

解説

  1. 正しい。許可を受けた宅地造成又は特定盛土等の工事が完了した場合、工事主は、その工事が技術的基準に適合していることについて、工事完了日から4日以内に都道府県知事に完了検査を申請しなければなりません(盛土規制法17条1項)。適合が認められると検査済証が交付されます。なお、土砂の堆積工事が完了した場合は、検査ではなく「確認」を申請することになります。
    宅地造成又は特定盛土等に関する工事について第十二条第一項の許可を受けた者は、当該許可に係る工事を完了したときは、主務省令で定める期間内に、主務省令で定めるところにより、その工事が第十三条第一項の規定に適合しているかどうかについて、都道府県知事の検査を申請しなければならない。
    盛土規制法第12条第1項本文の許可を受けた宅地造成又は特定盛土等に関する工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長)の検査を申請しなければならない。R2⑫-19-4
    宅地造成等工事規制区域内において行われる法第12条第1項の工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事の検査を申請しなければならない。H18-23-2
    工事主は、盛土規制法第12条第1項の許可を受けた宅地造成等に関する工事を完了した場合、都道府県知事の検査を申請しなければならないが、その前に建築物の建築を行おうとする場合、あらかじめ都道府県知事の同意を得なければならない。H17-24-3
  2. 正しい。都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等の工事の許可に関して、災害防止のために必要な条件を付けることができます(盛土規制法12条3項)。条件の例としては、施行時期の限定、環境保全のための措置、安全上や避難上の措置などが挙げられます。この条件に違反した者は、許可取消し処分の対象となります(盛土規制法20条1項)。
    都道府県知事は、第一項の許可に、工事の施行に伴う災害を防止するため必要な条件を付することができる。
    都道府県知事は、偽りその他不正な手段により第十二条第一項若しくは第十六条第一項の許可を受けた者又はその許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができる。
    宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事について許可をする都道府県知事は、当該許可に、工事の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができる。H30-20-2
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができる。H26-19-2
    宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事について許可をする都道府県知事は、当該許可に、工事の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができる。H21-20-4
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事についての許可に、当該工事の施行に伴う災害の防止その他良好な都市環境の形成のために必要と認める場合にあっては、条件を付することができる。H16-23-2
  3. 正しい。都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地の所有者等に対して、その土地やその土地で行われている工事の状況について、いつでも必要な報告を求めることができます。所有者等には管理者と占有者を含みます(盛土規制法25条)。

    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地の所有者、管理者又は占有者に対して、当該土地又は当該土地において行われている工事の状況について報告を求めることができる。
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内における土地の所有者、管理者又は占有者に対して、当該土地又は当該土地において行われている工事の状況について報告を求めることができる。R3⑫-19-2
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地において行われている工事の状況について、その工事が宅地造成等に関する工事であるか否かにかかわらず、当該土地の所有者、管理者又は占有者に対して報告を求めることができる。H29-20-2
  4. [誤り]。造成宅地防災区域は、宅地造成等工事規制区域内には定めることができません。造成宅地防災区域は、過去に造成された一団の宅地について災害防止措置を求める制度ですが、宅地造成工事等規制区域内では同等の規制があることから、二重規制を回避するために重ねて指定することが禁止されています(盛土規制法45条1項)。
    都道府県知事は、基本方針に基づき、かつ、基礎調査の結果を踏まえ、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、宅地造成又は特定盛土等(宅地において行うものに限る。第四十七条第二項において同じ。)に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み、宅地造成等工事規制区域内の土地を除く。)の区域であつて政令で定める基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。
    都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成等工事規制区域内で、宅地造成又は特定盛土等(宅地において行うものに限る。)に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって、一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。R5-19-1
    都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成等工事規制区域内で、宅地造成又は宅地において行う特定盛土等に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。R3⑩-19-4
    都道府県知事は、宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域又は集落の区域であって、宅地造成等に関する工事について規制を行う必要があるものを、造成宅地防災区域として指定することができる。R1-19-4
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内においても、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるもの(以下この問において「災害」という。)の発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域を造成宅地防災区域に指定することができる。H19-23-1
したがって誤っている記述は[4]です。