違いが分かりません。遺産相続と第三者への対抗について

令和7年度 賃貸不動産経営管理士
クロアリさん
(No.1)
相続財産に属する不動産について、遺産分割前に単独の所有権移転登記をした共同相続人から移転登記を受けた第三取得者に対し、他の共同相続人は、自己の持分を登記なくして対抗することができる。 
→○
(平成30年問10肢2)

これって要は、"本来なら遺産分割をする前に、民法に基づいた対応をしたり話し合いをしたりして決めなければいけないのに、共同相続人の1人が「この不動産は俺の!」と登記をして、第三者に譲ってしまった。さて、他の共同相続人は、自己の持ち分について登記無しで対抗出来るか?"という認識で正しいでしょうか?

このケースにおいて、対抗出来るのは何となく分かります。
ただ、テキストに書いてあるとある文言との違いがいまいち分からなくて困っています。  
一部書き起こします。

「遺産の分割は、相続開始の時に遡ってその効力を生じます(遡及効)。ただし、第三者の権利を害することは出来ません。例えば、共同相続人A・Bがいる場合、第三者Cが、相続開始後、遺産分割"前"にBから遺産である甲土地の中のBの持ち分を譲渡された場合、遺産分割によってAが甲土地を取得したとしても、Cの権利を害することはできません。ただし、Cが保護されるには登記が必要です。
一方で、第三者Cが遺産分割"後"に、Bの持ち分を譲渡された場合、遺産分割によって甲土地を取得したAとCは対抗関係になり、Aは、登記が無ければ法定相続分を超える権利の取得をCに対抗することができません」

違いについて、よく分からない部分が2つあります。
1.本題の設問とテキストの記載内容。設問の場合、勝手に一人で登記した相続人は悪い人です。逆に言えば、悪意(善意悪意ではなく本来の意味での悪い心)を持たずに自分の持分を譲渡していたのであれば、譲受人が登記を備えてしまえば対抗が出来なくなってしまうのでしょうか?もちろん理屈として当然に納得は出来る解説なのですが、テキストでは第三者が登記を備えていたら対抗出来ないと書いてあるのに…?となっています。
2.遺産分割前と後の違いについて、結局のところ「先に登記した方が勝つ」ということに変わりは無いと感じてしまいます。何故前後でこのように分けた書き方がされているのかがよく分かりません。
2025.07.18 20:37
クロアリさん
(No.2)
すみません、追加で質問があります。
よくよく考えてみれば、遺産分割前の譲渡って、自己の持ち分については出来るけど個別の財産は出来なかったような気がするのですが…
土地って「個別の財産」では無いのでしょうか?
2025.07.18 21:40
クロアリさん
(No.3)
何度も申し訳ありません。
そもそも、遺産分割のことをあまり理解出来ていないように思います。
私の思ってる遺産分割というのは、遺言が無ければ配偶者が2分の1子が2分の1もらえて…というルールに基づいたものです(指定遺言が優先されるのは承知しています)。
ですがテキストを読み返してみると、「遺産分割はいつでも可能」「ただし同意が必要」という内容が書かれていて、私の認識がそもそも違う…?と疑いを抱きました。
「分割の割合は民法で決まってるんだからそれを受け取ればいいじゃない」「何で分割で揉めるの?ルールに従えばいいんじゃないの?」と思ってしまうのですが…でも、どうやらそういうわけでは無さそうですよね?
2025.07.18 21:46
宅建女子さん
(No.4)
クロアリさんはとても勉強熱心で探究心が旺盛で、それは良いこととは思うのですが、一気に何でもかんでも理解するのは難しいですよ。

>遺産分割というのは、遺言が無ければ配偶者が2分の1子が2分の1もらえて…というルールに基づいたものです

頭の中で法定相続とか遺産分割の知識がごちゃ混ぜになってると思われます。

基礎となる知識が正しくないので、何を質問したいのかもイマイチわかりません、ごめんなさい。

闇雲に過去問に取り組まず、易しい問題からやってみてはいかがでしょう。
テキストを読んで確認問題みたいなものをやってから過去問をやるとか。

民法はただ過去問を回せば身につくというものではないと思います。
まあ、ひたすら過去問回して大量の丸暗記をすれば合格できる場合もあるかもしれませんが、時間がかかってしまうと思います。
2025.07.18 22:22
ナノナノさん
(No.5)
クロアリさんの質問への宅建女子さんのコメントに全てが集約されていると思います。

わたしから言える事も同じかと思いますが、まず質問の内容の理解が自分でもよく分かって無い中、混乱させるフレーズが登場して更に混乱し何を言ってるのか質問者であるクロアリさん自身が、まさに負のループにハマってしまった感じですね。

権利関係は、今の段階で言うのも心苦しいですが、まずは今一度、テキストに書いてある基本的知識をサラッと流し読みして、その理解度確認のため一問一答問題集でおさらいをひたすら繰り返しするのに徹しましょう。
過去問をやっているとテキスト外からの出題もあります。
解説もチンプンカンプンな記述もあります。
それも暗記として覚えるのも大事ですが。
問題演習で一つの問題につまづき、理解出来ないと更に焦って学習リズムも乱れて支離滅裂になりかねません。
せめて頻出論点だけは絶対に理解する気持ちでその論点にだけ絞った学習を試験対策として割り切ってやれるかどうかですね。
とにかくこの場合はどうなの、あの場合はどうなのとか極力、考えないのがいいです。
ある程度は淡々と論点を公式的に覚える方が良いかもしれません。本来なら法的解釈力を理屈で理解するのが常道ではありますがこの時期では時間がいくらあっても足りません。
その分、宅建業法、法令上の制限、税その他は暗記系ですから出来るだけそこでカバーしましょう。
取り止めのないコメントで恐縮ですが、今の学習スタンスでは行き詰まるのが目に見えてます。
今一度、自身の学習スタイルの再考が求められています。
2025.07.18 23:23
クロアリさん
(No.6)
宅建女子さん いつも本当にありがとうございます。

宅建女子さんのアドバイスはいい意味で耳が痛いというか、自分の弱いところや逃げようとしているところにグサッときます。
正に仰る通り、基礎を疎かにして闇雲に過去問を解いていたところです。
ぐちゃぐちゃの机やダンスの中身をドサドサドサ!って出されて「すみません何とか整理してください!」って言ってるようなものだと反省しました。無茶言うなって感じですね😖

そこで、一旦自分の知識を整理整頓して、こういうことかな?という考えをまとめました。
もちろんご無理が無ければで構いませんので、僭越ながら、誤りがあったらご指摘頂けたら幸いに存じます。
文章が下手なので何とも分かりづらいまとめで申し訳ありません。

-

法定相続→文字通り、法で決められた分割のされ方。取り分や持ち分。
遺産分割→たとえば相続人が二人で、それぞれ半分ずつもらえるとしたら、「さて、じゃあ金銭と土地があるけど、どんな感じで半分こする?」みたいな話し合いをして分ける

先に二つ目に書いた疑問、「土地も個別の財産じゃないの?」について書きます。
例えば相続されたものが甲土地のみだったとして、甲土地をあたかも自分の所有物であるかのように丸ごと譲渡(を含む処分)をすることがNG。自分の持ち分においてはOK。

なので一つ目の設問における疑問については、
「遺産分割前に、共同相続人の中の1人が、単独で勝手に登記をして不動産を譲渡してしまった(これが"個別の財産の処分"に該当し、NG)。なので他の共同相続人は、"いや、まだ遺産分割前だから、その不動産が誰のものになるかは確定してないけど、とりあえず俺の持ち分は返して?"と言える」
これが持ち分のみを譲渡したケースとの相違点。

遺産分割前後の違いについて。
遺産分割前の場合、第三者は登記があれば対抗可能。ただし登記が無ければ、正式に相続した人には勝てない。
遺産分割後の場合、登記で決する。
2025.07.18 23:28
クロアリさん
(No.7)
ナノナノさん、コメントありがとうございます。申し訳ありません、入れ違ってしまいました。

本当にご指摘頂いた通りだと思います。せめてもう少し基礎知識を固めてからにしなさいよと過去の自分に説教したい気分です。
正に仰る通りの負のループにハマっていました。ここでこうしてご指摘頂けたことはとても幸運だったと思います。もし最初の質問文で無事解決出来たとしても、また似たような躓き方をするのが目に見えるようですし…。

ある程度は淡々と論点を固める。深追いしすぎない。意識していてもまだまだだなと痛感します。
勉強面だけでなくメンタル面でも大変勉強になりました。
とても貴重なご意見を本当にありがとうございます。
2025.07.18 23:32
宅建女子さん
(No.8)
クロアリさん

何度もご投稿いただき恐れ入ります。
もしかしたら以下のことをご理解されてないのかもしれません。

相続➔各相続人に法定相続分が【自動的】に承継される

遺産分割➔法定相続による分割方法以外の分割をしたい場合に【任意】で行う(つまりしなくても良い)。

これらを軸に対抗問題を考えてみてください。

法定相続は相続分が誰にでも分かります。
隣の4人家族のお父さんが亡くなったら、お母さん1/2、お子さん2人はそれぞれ1/4づつ相続するんだろうなと他人の私にもわかります。
一方、遺産分割協議をした場合の分け方は当人たちしか知りません。
誰にでも分かることは登記がなくても対抗でき、当人たちしか知らないことは登記をしないと対抗できません。

テキストの細かい説明は無理に理解しなくてもいいです。
(どうして場合分けして説明してるかとか正直どうでもいい内容です。)

最後にまたお節介な話かとは思いますが、ナノナノさんがコメントされてますとおり基本をしっかり学習しましょう。
私自身、受験したときは7月から勉強開始して合格してます。
権利はこんな深くやってなかったです。
クロアリさんは既に多くを学んでますから今から基礎知識を入れ直しても間に合うと思います。
むしろそのほうが理解が捗ると思いますので、丁寧にさらってみてください。
2025.07.19 22:38
シラヒゲハエトリさん
(No.9)
1つ1つ整理すると
肢2はおっしゃる通りで何も決定していない分割前なので共同相続人は
登記がなくても自分の持ち分を第3者に対して対抗できます

テキストの文言は上の土地の全部とは違い
同じ分割前に甲土地の中の自分の持ち分の譲渡
その後起算分割協議があり甲土地はAが取得し
かわりにBはほかの財産を取得して陰では
土地の売買代金も取得していると想像できます
上と違いCはAの甲土地の法廷相続分は取得しておらず
代金の支払いや登記があり契約有効が場合1番可哀そうなのはCになり
契約を無効や取り消しにする事由がない場合(詐欺や強喝など)
登記が無ければCに文句はいえません

もう一つは分割後にBの持ち分を譲渡
それを前提にAがAの法定相続分を超える部分の権利取得を
主張しているのでAは法定相続分を超える部分の権利取得について
登記なしでは対抗できないということだと思います

すべて違う状況なので
今回の場合
誰と誰が(AとB)どういう状況(遺産分割の前後)どうゆう場合(持ち分譲渡)誰がどうできるか
この4つのキーワード意識するのがポイントとなります
2025.07.19 22:50
クロアリさん
(No.10)
宅建女子さん とんでもございません。こちらこそお時間をくださり本当にありがとうございます。
>誰にでも分かることは登記がなくても対抗でき、当人たちしか知らないことは登記をしないと対抗できません。
すごくはっとしました。ぼやーっとした知識だったのに、「確かに!」と霧が晴れたような感覚です。
だからこういう問題文と答えになっていたのか…!
理屈が分かると「なるほど、そうなるのは当然だ」と納得がいきました。

宅建女子さんは豊富な知識をお持ちで教え方もすごくお上手ですから、きっととても聡明な方なのだろうなと思っていましたが、7月から勉強を始めて合格されたなんて尊敬です。きっと聡明なだけではなくて、どこを大切にするべきかを判断する力もお持ちなんだと思います。知識の深さは言わずもがなですが、私が最も尊敬すべきところはそこかもしれません。
私は有難いことに時間こそありますが、基礎を疎かにして応用問題ばかりに手を出していたなとすごく反省しました。
もう一度初心に帰って、大切な土台の部分を理解することに努めたいと思います。


シラヒゲハエトリさん 
とても分かりやすい解説をありがとうございます。
本当に根本的なところで、人物同士の状況やどういうケースになっているのかを全く考えられていませんでした。
教えてくださったように、こういう場合のCは気の毒だよねとか、そういうことが民法の大原則だと最初に学んだはずなのに、すっかり抜け落ちてしまっていました…。
全てのケースについて大変詳しく教えて頂けたので、訳分からんな状態だったところから、綺麗にピースが嵌ってきたような感覚です。
誰が?どういう場合?どういう状況?何が出来る?
ここをよくよく意識しながら理解を深めていきたいと思います。
2025.07.19 23:17
シラヒゲハエトリさん
(No.11)
頑張ってください!
余談ですが登記が無ければとか登記が必要とあるところで
登記がその人にない場合は結果が逆になるか
結果めちゃめちゃ揉めるかどっちかになります(笑)

登記で決める案件は
法では中々公平にどちらか決めれない事由の時の
法の最後の切り札みたいなイメージです。
もーわからんから登記の早い者勝ち決めて!みたいなw(2重譲渡とかもそうです)
登記が必要とある場合そうゆう目線で問題文をみると
面白いです
きっちり法の範囲で適応できる案件なら登記なくても対抗できるとなります
2025.07.19 23:53
ヤスさん
(No.12)
テキストの記述が、遺産分割前と後と場合分けして書かれている理由は、この第三者に登記が必要とされるのが前と後では意味合いが違うからです。
遺産分割前は、権利保護される要件として登記を要求され、遺産分割後は対抗要件として捉えているからです。

相続が始まると、まずは相続財産は、共同相続人間で共有と言う関係になります。各相続人は法定相続分に応じた持分権があり、それを処分するのは自由です。クロアリさんのテキストに書いてある例に基づくとAとBと言う相続人がいて、Aさんが自分の持分権をCさんに売りました。今、この土地はCとBの共有状態です。しかし、後で遺産分割が行われてBがこの土地を単独で相続となりました。
ここで、クロアリさんのテキストにもきちんと書いてある通り、遺産の分割は、相続開始の時に遡ってその効力を生じます(遡及効)。
つまり、遺産分割が相続開始時に遡って効力が発生するため、AからCへの持分権譲渡が無かった事になってしまう。そこで法律は「第三者の権利を害することはできない」と調整の規定を設けているんです。どんな第三者でも良いかと言う訳ではなく、登記(持分権の登記)を備えた第三者に限っているんです。法律には登記を備えた第三者とは書いてません。解釈で第三者が保護されるためには登記が必要とされています。言わば保護されるための証拠(権利保護要件)として登記を求めているんです。考えてみて下さい。CはAに持分権があると思ってその譲渡を受けています。Cは悪いところはありません。かと言って遺産分割協議で後からBが単独相続になったという事も別に悪い事ではないです。じゃあこの2つを調整しないといけませんので、解釈上「きちんと手続(登記をした)をした第三者を保護します」としているんです。
遺産分割後の第三者の場合は、ちょっと構成が変わります。遺産分割後に現れた第三者の場合だと、ちょうどAからBへの持分権の譲渡とAからCへの持分権の譲渡と二重譲渡が行われた関係とみる事ができます。だから対抗要件として登記を先に備えた方が自分の権利を主張できると言う事になります。

ここまで記載して、これって何かに似ていると思いませんか?
解除前に現れた第三者と解除後に現れた第三者の話です。
解除も法律関係を当初に遡って元に戻す遡及効ありますよね。
遺産分割も同じように、最初(相続開始時)に遡って効力が発生するため、同じように第三者との調整をはからなければならない。
おそらくクロアリさんは、解除前と後でどちらも第三者には登記が必要と学んでいるはずです。テキストではそこまでは書いてないかもしれませんが、これも解除前の第三者に登記を要求しているのは「権利保護要件としての登記(きちんと登記と言う手続してますよと胸張っていえる証拠として)」、解除後の第三者に登記を要求しているのは、二重譲渡と同じ関係になるから対抗要件として登記を要求しているんです。

ただね、宅建女子さんが記載しているように、この記載の違いにひっかかって悩む事は試験対策上正直どうでも良い事です。私自身もこれは後から「あ、これ解除と同じ考えだわ」と気付いたものです。こんな事に悩むより、ナノナノさんの言うようにいったんスルーして他の重要論点に注力する方が何倍も良いと私も思います。
2025.07.19 23:59
クロアリさん
(No.13)
シラヒゲハエトリさん ありがとうございます。
もう想像するだけで面倒くさそうな揉め事で勝手に胃が痛くなりますw
登記って本当にジョーカーみたいなものなんですね(その割に公信力が無い、ということを知った時はすごく驚きました。法律はよう分からん…)
こういうところを理解した上で民法の問題を解けたら面白いだろうなぁ
せっかくだから楽しく学びたいものですね。頑張ります!


ヤスさん、コメントありがとうございます。
実はですね、今皆様から頂いたコメントを咀嚼しながら復習していたところ、「あれ?これ解除前後の第三者と一緒じゃない?」と思っていたところだったんです。(何で解除前後の第三者の時は「何で両方とも似たような要件なんだよ」と引っかからなかったんだろう…)
だからヤスさんから頂いたコメントを読んだ時に、やった!私の解釈正しかったんだ!とすごく嬉しくなりました。
テキストに基づいた解説をして頂けて、すごく有難いです。理屈といいますか、何故そうなるのか?という部分をとても分かりやすく解説して頂けるおかげで、知識がすごく深まるのを感じます。

本当に助言頂いた通り、細かーーーいニュアンスが引っかかってしまうのは私の悪い癖です。その割には解除前後の登記云々はスルーするし、重要論点がコロッと抜け落ちてることもあるし…
重要論点を押さえることの大切さは身を持って知っているはずなのに、本当にまだまだです。
ただ我武者羅に覚えるだけではなく、勉強のやり方を考える上でもきちんと取捨選択などをしながら頑張ります。
2025.07.20 00:20

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