宅建試験過去問題 令和7年試験 問42

問42

宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において、宅地建物取引士は、事務の禁止の処分を受けていないものとする。
  1. 二つ以上の都道府県において宅地建物取引士資格試験に合格した者は、当該試験を行った都道府県のうち試験日が遅い都道府県知事の登録以外を受けることができない。
  2. 宅地建物取引士は、その登録している勤務先の名称に変更があった場合、登録を受けている都道府県知事に、変更の登録の申請とあわせて、宅地建物取引士証の書換え交付を申請しなければならない。
  3. 宅地建物取引士は、宅地建物取引士証が効力を失ったときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
  4. 宅地建物取引士は、登録を受けている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しているときは、登録の移転の申請をすることができる。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解 2

問題難易度
肢117.4%
肢253.0%
肢324.2%
肢45.4%

解説

  1. 誤り。宅建士登録は、宅建試験に合格した都道府県で行います。もし複数の都道府県で試験に合格している場合は、その都道府県のうちいずれか一つに登録申請が可能です(宅建業法規則14条)。通常は1回の合格で十分ですが、たとえば東京で合格して未登録のまま大阪へ引っ越した場合、東京で登録するには費用や手間がかかります。そこで、大阪で再び試験を受けて合格し、大阪で登録するというケースが考えられます。
    二以上の都道府県において試験に合格した者は、当該試験を行なつた都道府県知事のうちいずれか一の都道府県知事の登録のみを受けることができる。
  2. 誤り。取引士証の書換え交付は必要ありません。"勤務する宅地建物取引業者の名称"は、宅建士登録簿の登載事項なので、遅滞なく変更の登録を申請する必要があります。しかし、勤務先の名称は取引士証の記載事項ではないため、書換え交付の申請は不要です。書換え交付が必要なのは、氏名住所が変わった場合だけです(宅建業法規則14の13第1項)。
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    宅地建物取引士は、その氏名又は住所を変更したときは、法第二十条の規定による変更の登録の申請とあわせて、宅地建物取引士証の書換え交付を申請しなければならない。
  3. 正しい。宅地建物取引士証の有効期間が満了して効力を失ったとき、又は宅建士登録が消除されたときは、速やかに、交付を受けた都道府県知事に取引士証を返納しなければなりません(宅建業法22条6項)。
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    宅地建物取引士は、第十八条第一項の登録が消除されたとき又は宅地建物取引士証が効力を失つたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
    宅地建物取引士証は、更新を受けることなくその有効期間が経過した場合、その効力を失うが、当該宅地建物取引士証を都道府県知事に返納する必要はない。R6-29-2
  4. 正しい。宅地建物取引士が、登録を受けている都道府県とは別の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所に勤務することになった場合には、登録の移転をすることができます宅建業法19条の2)。登録の移転は義務ではなく「権利」です。したがって、必ず行わなければならないものではありません。
    第十八条第一項の登録を受けている者は、当該登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときは、当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し、当該登録をしている都道府県知事を経由して、登録の移転の申請をすることができる。…
    甲県知事登録の宅地建物取引士が、宅地建物取引業者(乙県知事免許)の専任の宅地建物取引士に就任するためには、宅地建物取引士の登録を乙県に移転しなければならない。R4-33-イ
    丙県知事登録の宅地建物取引士が、事務の禁止の処分を受けた場合、丁県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときでも、その禁止の期間が満了するまで、宅地建物取引士の登録の移転を丁県知事に申請することができない。R4-33-ウ
    甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士は、乙県に主たる事務所を置く宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引士となる場合、乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。R3⑫-37-1
    宅地建物取引士A(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったときは、Aは甲県知事を経由せずに、直接乙県知事に対して登録の移転を申請しなければならない。R3⑩-28-1
    宅地建物取引士(甲県知事登録)が甲県から乙県に住所を変更したときは、乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。R3⑩-35-ウ
    甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、乙県知事に登録の移転を申請するときは、乙県知事が指定する講習を受講しなければならない。R2⑩-28-4
    甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士は、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときは、乙県知事に対し登録の移転の申請をし、乙県知事の登録を受けなければならない。H30-42-2
    宅地建物取引士A(甲県知事登録)が、甲県から乙県に住所を変更したときは、乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。H29-30-1
    甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士Aは、乙県に主たる事務所を置く宅地建物取引業者Bの専任の宅地建物取引士となる場合、乙県知事に登録を移転しなければならない。H29-37-2
    宅地建物取引業者(甲県知事免許)に勤務する宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に住所を変更するとともに宅地建物取引業者(乙県知事免許)に勤務先を変更した場合は、乙県知事に登録の移転の申請をしなければならない。H23-29-3
    甲県知事の宅地建物取引士の登録を受けている者が、その住所を乙県に変更した場合、甲県知事を経由して乙県知事に対し登録の移転を申請することができる。H21-29-4
    甲県知事の登録を受けて、甲県に所在する宅地建物取引業者Aの事務所の業務に従事する者が、乙県に所在するAの事務所の業務に従事することとなったときは、速やかに、甲県知事を経由して、乙県知事に対して登録の移転の申請をしなければならない。H19-31-1
    Aが甲県知事から事務の禁止の処分を受け、その禁止の期間が満了していないときは、Aは宅地建物取引士としてすべき事務を行うことはできないが、Aは乙県知事に対して、甲県知事を経由して登録の移転の申請をすることができる。H18-32-2
    宅地建物取引士A(甲県知事登録)が、宅地建物取引業者B社(乙県知事免許)に従事した場合、Aは乙県知事に対し、甲県知事を経由して登録の移転を申請しなければならない。H16-34-1
    Aは、乙県知事から事務の禁止処分を受けたが、乙県内に所在する宅地建物取引業者Bの事務所の業務に従事しているため、その禁止の期間が満了すれば、甲県知事を経由して、乙県知事に登録の移転の申請をすることができる。H15-33-2
    甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、乙県に住所を移転し、丙県知事免許を受けている宅地建物取引業者に勤務先を変更した場合、甲県知事を経由して乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。H14-35-1
したがって正しいものは「二つ」です。