宅建六法(仮称) - 宅地建物取引業法

1
宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
2
宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約を締結させ、又は宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫してはならない。
3
宅地建物取引業者等は、前2項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて、第35条第1項第14号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。
施行令
施行規則
解釈運用
第16条の11(法第47条の2第3項の国土交通省令・内閣府令及び同項の国土交通省令で定める行為)
1
法第47条の2第3項の国土交通省令・内閣府令及び同項の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
  1. 一 宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をすること。
    1. 当該契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供すること。
    2. 正当な理由なく、当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むこと。
    3. 当該勧誘に先立つて宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと。
    4. 宅地建物取引業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること。
    5. 迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること。
    6. 深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること。
  2. 二 宅地建物取引業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと。
  3. 三 宅地建物取引業者の相手方等が手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく、当該契約の解除を拒み、又は妨げること。
第47条の2第1項関係
将来利益に関する断定的判断の提供の禁止について
宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘に際し、物件の値上がりが確実であるから将来の転売によって必ず一定の利益が生じるなど将来利益を断定的に提供することの禁止である。例えば、「2~3年後には、物件価格の上昇が確実である」、「この物件を購入したら、一定期間、確実に収入が得られる。損はしない」などと告げることにより勧誘する場合が該当する。なお、本規定は、故意であることを要しない。また、将来利益に関する情報の提供に当たっては、将来の紛争を防止する観点から、当該宅地建物取引に関し考えられるリスクについてもあらかじめ説明することが望ましい。
第47条の2第2項関係
威迫行為の禁止について
契約を締結させるため、又は契約の解除若しくは申込みの撤回を妨げるため、相手方を威迫する行為の禁止である。相手方を威迫する行為とは、脅迫とは異なり、相手方に恐怖心を生じさせるまでは要しないが、相手方に不安の念を抱かせる行為が該当する。例えば、相手方に対して、「なぜ会わないのか」、「契約しないと帰さない」などと声を荒げ、面会を強要したり、拘束するなどして相手方を動揺させるような行為が該当する。
第47条の2第3項関係
法第47条の2第3項の省令事項(規則第16条の11)について
1契約締結の勧誘に関する禁止行為について(規則第16条の11第1号関係)
  1. 将来の環境、交通等の状況に係る断定的判断の提供の禁止について(イ関係)将来の環境、交通その他の利便の状況について相手方を誤解させるべき断定的判断の提供の禁止である。例えば、「将来南側に5階建て以上の建物が建つ予定は全くない」、「○○の位置には、国道が2~3年後に必ず開通する」というような判断を断定的に提供することを禁ずるものである。なお、本規定は、故意であることを要しない。
  2. 契約の締結を不当に急がせる行為の禁止について(ロ関係)正当な理由なく、契約締結の判断に通常必要と認められる時間を与えることを拒否することにより、契約の締結を不当に急がせる行為の禁止である。例えば、契約の相手方が「契約の締結をするかどうかしばらく考えさせてほしい」と申し出た場合において、事実を歪めて「明日では契約締結はできなくなるので、今日しか待てない」と告げることが該当する。
  3. 規則第16条の11第1号ハからヘに規定する行為の禁止について「「宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令」の運用について(平成23年9月16日国土動指第26号)」の通知において、具体的な運用に当たって留意すべき事項等を通知しているので留意すること。
2預り金の返還の拒否の禁止について(規則第16条の11第2号関係)
相手方が契約の申込みを撤回しようとする場合において、契約の申込み時に宅地建物取引業者が受領していた申込証拠金その他の預り金について、返還を拒むことの禁止である。例えば、「預り金は手付となっており、返還できない。」というように手付として授受していないのに手付だと主張して返還を拒むことを禁ずるものであり、預り金は、いかなる理由があっても一旦返還すべきであるという趣旨である。
3手付放棄による契約解除の申出の拒否の禁止について(規則第16条の11第3号関係)
規則第16条の11第3号中「正当な理由」とは、売主が既に契約の履行に着手した場合、及び宅地建物取引業者により代理又は媒介が行われる取引において、宅地建物取引業者でない売主が、解約手付としての性格がないものとして手付を授受した場合が該当する。
第47条へ第47条の3へ