住宅金融支援機構法(全26問中5問目)

No.5

独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和2年12月試験 問46
  1. 機構は、地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
  2. 証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン金利は、金融機関によって異なる場合がある。
  3. 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。
  4. 証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金は含まれない。

正解 4

問題難易度
肢14.7%
肢26.2%
肢312.4%
肢476.7%

解説

  1. 正しい。機構は、地震に強い住宅とするための耐震改修工事のほか、地方公共団体から勧告等を受けて土砂災害から住宅を守るために行う宅地の補強工事などに対して、融資を行っています(機構法13条1項6号)。
    災害予防代替建築物の建設若しくは購入若しくは災害予防移転建築物の移転に必要な資金(当該災害予防代替建築物の建設若しくは購入又は当該災害予防移転建築物の移転に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)、災害予防関連工事に必要な資金又は地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを行うこと。
    機構は、地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。H26-46-1
  2. 正しい。証券化支援事業(買取型)で買取りの対象となる住宅ローンには、期間35年以上で全期間固定金利という条件がありますが、金利その他の貸付条件や取扱金融機関により異なります(機構業務方法書3条5号)。
    証券化支援事業(買取型)において、機構による譲受けの対象となる貸付債権の償還方法には、元利均等の方法であるものに加え、元金均等の方法であるものもある。R4-46-3
    機構が証券化支援事業(買取型)により譲り受ける貸付債権は、自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものでなければならない。R3⑫-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権を譲受けの対象としている。R3⑩-46-1
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権については譲受けの対象としていない。R2⑩-46-3
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。H28-46-2
    証券化支援事業(買取型)において、機構による譲受けの対象となる貸付債権は、償還方法が毎月払いの元利均等の方法であるものに加え、毎月払いの元金均等の方法であるものもある。H27-46-2
    機構が証券化支援事業(買取型)により譲り受ける貸付債権は、自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものでなければならない。H25-46-4
    証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン金利は、金融機関によって異なる場合がある。H24-46-2
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、民間金融機関が貸付ける長期・固定金利の住宅ローン債権を買取りの対象としている。H23-46-3
    証券化支援事業(買取型)の住宅ローン金利は全期間固定金利が適用され、どの取扱金融機関に申し込んでも必ず同一の金利になる。H22-46-3
  3. 正しい。機構は、直接融資業務の一つとして、高齢者の方が自宅のバリアフリー工事を行う場合やマンションの建替え事業等で住宅を購入する場合などに、亡くなるまでは利息のみの支払いで毎月の返済負担を抑え、死亡時に一括して借入金の元金を返済する制度を設けています(高齢者向け返済特例制度)。満60歳以上の人を対象にした融資制度である「リ・バース60」がこれに対応します(機構業務方法書24条4項)。
    次の各号に掲げる貸付金の償還は、前3項の規定にかかわらず、高齢者(機構が主務大臣と協議して定める年齢以上の者をいう。以下この項において同じ。)の死亡時に一括償還をする方法によることができる。
    機構は、直接融資業務において、高齢者の死亡時に一括償還をする方法により貸付金の償還を受けるときは、当該貸付金の貸付けのために設定された抵当権の効力の及ぶ範囲を超えて、弁済の請求をしないことができる。H29-46-2
    機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事又は耐震改修工事に係る貸付について、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。H27-46-1
  4. [誤り]。証券化支援業務(買取型)では、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを行いますが、この「住宅の購入に必要な資金」には、住宅の購入に付随する土地若しくは借地権の取得又は当該住宅の改良も含まれます(機構法令5条1項)。
    法第十三条第一項第一号の政令で定める行為は、次に掲げる行為とする。
    一 住宅の建設に付随する土地又は借地権の取得
    二 住宅の購入に付随する土地若しくは借地権の取得又は当該住宅の改良
    機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを業務として行っているが、当該住宅の建設又は購入に付随する土地又は借地権の取得に必要な資金については、譲受けの対象としていない。R4-46-1
    機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを業務として行っているが、当該住宅の建設又は購入に付随する土地又は借地権の取得に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権については、譲受けの対象としていない。H30-46-1
    証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金も含まれる。H29-46-4
    機構は、証券化支援事業(買取型)において、住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る貸付債権について譲受けの対象としている。H26-46-2
    機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを業務として行っているが、当該住宅の建設又は購入に付随する土地又は借地権の取得に必要な資金の貸付けに係る貸付債権については、譲受けの対象としていない。H25-46-1
したがって誤っている記述は[4]です。