35条書面(全64問中27問目)
No.27
宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合における宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特に断りのない限り、当該建物を借りようとする者は宅地建物取引業者ではないものとし、書面の交付には、宅地建物取引業者の相手方等の承諾を得て行う電磁的方法による提供を含むものとする。平成30年試験 問39
- 当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。
- 当該建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。
- 台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について説明しなければならない。
- 宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。
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正解 4
問題難易度
肢110.8%
肢26.1%
肢37.7%
肢475.4%
肢26.1%
肢37.7%
肢475.4%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:7 - 35条書面
解説
- 正しい。買主や借主が宅地建物取引業者である場合、重要事項説明書の交付は必要ですが、内容の説明は省略することができます(宅建業法35条6項)。宅地の売買について売主となる宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者である場合、重要事項説明書を交付しなければならないが、説明を省略することはできる。(R5-42-ウ)宅地建物取引業者Aが所有する甲建物を法人Bに売却するに当たり、Bが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、宅地建物取引士をして、法第35条の規定に基づく書面を交付し説明をさせなければならない。(R4-35-2)宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。(R2⑫-38-ウ)建物の売買においては、その対象となる建物が未完成である場合は、重要事項説明書を交付した上で、宅地建物取引士をして説明させなければならない。(H30-35-2)
- 正しい。中古住宅の取引では、建物状況調査を1年(鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等は2年)以内に実施しているかどうか、実施している場合にはその結果の概要を説明しなければなりません(宅建業法35条1項6号の2イ)。
- 正しい。建物の貸借の場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況を重要事項として説明しなければなりません(宅建業法規則16条の4の3第7号)。
宅地の取引では当然に不要だとして、なぜ建物の取引のうち貸借のみかというと、売買や交換では所有権が移るので建物の設備を自由に変更できるのに対して、貸借では借主が設備を自由に変更することができないからです。借主は現状の水回り設備を受け入れるしか選択がないため、借主が確実に把握できるよう契約前の説明が義務付けられているというわけです。 - [誤り]。一定の要件のもと、重要事項の説明を対面ではなくテレビ会議等のITを活用して行うことが認められています(IT重説)。IT重説と有効な重要事項説明とするには、以下の要件を満たす必要があります。
- 宅地建物取引士及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること。
- 宅地建物取引士により記名された重要事項説明書及び添付書類を、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付していること(相手方の承諾を得て、電磁的方法により提供する場合も含む)。
- 重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること並びに映像及び音声の状況について、宅地建物取引士が重要事項の説明を開始する前に確認していること。
- 宅地建物取引士が、宅地建物取引士証を提示し、重要事項の説明を受けようとする者が、当該宅地建物取引士証を画面上で視認できたことを確認していること。
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