農地法(全27問中26問目)

No.26

農地法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成13年試験 問23
  1. 現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が「山林」である土地を住宅建設の目的で取得する場合には、農地法第5条の許可を要しない。
  2. 農地法第3条又は第5条の許可を要する農地の権利移転について、これらの許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。
  3. 市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法第3条の許可を要しない。
  4. 農地法第4条の許可を受けた農地について、転用工事に着手する前に同一の転用目的で第三者にその所有権を移転する場合には、改めて農地法第5条の許可を要しない。

正解 2

問題難易度
肢13.8%
肢282.3%
肢310.1%
肢43.8%

解説

  1. 誤り。農地法の農地であるかどうかは登記簿上の地目ではなく、現況によって判断されます(農地法2条1項)。本肢では「現況は農地」ですので、農地の取得+転用となり5条許可が必要となります。
    この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。
    登記簿の地目が宅地となっている場合には、現況が農地であっても法の規制の対象とはならない。R3⑫-21-3
    山林を開墾し、農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地に該当しない。R2⑫-21-1
    雑種地を開墾し耕作している土地でも、登記簿上の地目が雑種地である場合は、法の適用を受ける農地に当たらない。H30-22-4
    山林を開墾し現に農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地とはならない。H26-21-4
    雑種地を開墾し、現に畑として耕作されている土地であっても、土地登記簿上の地目が雑種地である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。H25-21-2
    現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が原野である市街化調整区域内の土地を駐車場にするために取得する場合は、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。H20-24-1
    山林を開墾し現に水田として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。H18-25-1
  2. [正しい]。農地の権利移動を農地法の許可(3条許可・5条許可)を受けることなくした場合、その効力を生じないとされています(農地法3条6項農地法5条3項)。
    第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。
    第三条第五項及び第六項並びに前条第二項から第五項までの規定は、第一項の場合に準用する。…
    法第3条第1項の許可を受けなければならない場合の売買については、その許可を受けずに農地の売買契約を締結しても、所有権移転の効力は生じない。R3⑩-21-2
    法第3条第1項又は第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権は移転しない。H24-22-2
  3. 誤り。市街化区域内の農地について農業委員会の届出をもって許可が不要となるのは、転用(4条許可)および取得+転用(5条許可)です。3条許可の場合には、原則どおり農業委員会の許可が必要となります。
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  4. 誤り。転用工事に着手する前であれば現況は農地ですから、転用のための取得をする場合には4条許可では足りず、改めて5条許可を受ける必要があります。
したがって正しい記述は[2]です。