建築基準法(全55問中18問目)

No.18

建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成30年試験 問19
  1. 田園住居地域内においては、建築物の高さは、一定の場合を除き、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
  2. 一の敷地で、その敷地面積の40%が第二種低層住居専用地域に、60%が第一種中高層住居専用地域にある場合は、原則として、当該敷地内には大学を建築することができない。
  3. 都市計画区域の変更等によって法第3章の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員2mの道で、特定行政庁の指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。
  4. 容積率規制を適用するに当たっては、前面道路の境界線又はその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁が一定の基準に適合すると認めて許可した建築物については、当該前面道路の境界線又はその反対側の境界線は、それぞれ当該壁面線にあるものとみなす。

正解 2

問題難易度
肢16.8%
肢270.6%
肢312.1%
肢410.5%

解説

  1. 正しい。用途地域のうち、低層住宅の良好な住環境を守る目的で指定される「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「田園住居地域」の3つの地域については、建築物の高さは10m又は12mのうち、都市計画で定められた高さを超えてはいけないという制限があります。これを「絶対高さ制限」といいます(建築基準法55条1項)。
    第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の高さは、十メートル又は十二メートルのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
    第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内においては、建築物の高さは、12m又は15mのうち、当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。H24-19-2
    区域内の土地においては、高さが9mを超える建築物を建築することはできない。H19-22-3
    第一種低層住居専用地域内においては、高さが10mを超える建築物を建築できる場合はない。H13-21-2
  2. [誤り]。建築物の敷地が2つの用途地域に属する場合には、過半の属する地域の用途制限が適用されます。本肢の場合、敷地全体について第一種中高層住居専用地域の用途制限が適用されるため、大学の建築が可能です(建築基準法91条建築基準法48条3項)。
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    建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条の三第一項及び第二項並びに別表第三の規定を除く。以下この条において同じ。)による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域(第二十二条第一項の市街地の区域を除く。以下この条において同じ。)、地域(防火地域及び準防火地域を除く。以下この条において同じ。)又は地区(高度地区を除く。以下この条において同じ。)の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。
  3. 正しい。都市計画区域の変更等によって建築基準法の集団規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したものは道路とみなされます(建築基準法42条2項)。これを「2項道路」といいます。
    本肢の道は2mですので、特定行政庁の指定があるときに限り道路とみなされます。
    都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、…
    法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道で、あらかじめ、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。R4-18-3
    法第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定の際、現に建築物が立ち並んでいる道は、法上の道路とみなされる。R3⑫-18-1
    法が施工された時点で現に建築物が並んでいる幅員4m未満の道路は、特定行政庁の指定がなくとも法上の道路となる。H23-19-2
    法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道路法による道路は、特定行政庁の指定がなくとも法上の道路とみなされる。H18-21-1
    幅員4m未満の道路は、建築物の敷地と道路との関係において、道路とみなされることはない。H13-21-1
  4. 正しい。壁面線とは、道路境界線から敷地側に一定距離後退したところに引かれる線のことで、街並みや環境を整えるために特定行政庁が指定します。壁面線が指定されると、原則として敷地部分であってもその壁面線を越えて建築物の壁や柱、高さ2mを超える門や塀は建築することができなくなります。強制的にセットバックさせるようなイメージです。
    この壁面線の指定が道路の両側にあり、特定行政庁が許可した場合には、壁面線同士の間を前面道路の幅員とみなして容積率を算定することができます。このとき、道路と壁面線の間の敷地は敷地面積から除かれます(建築基準法52条11項)。
    前面道路の境界線又はその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁が次に掲げる基準に適合すると認めて許可した建築物については、当該前面道路の境界線又はその反対側の境界線は、それぞれ当該壁面線にあるものとみなして、第二項から第七項まで及び第九項の規定を適用するものとする。この場合においては、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。
したがって誤っている記述は[2]です。