債権総則 (全33問中31問目)

No.31

AとBとが共同で、Cから、C所有の土地を2,000万円で購入し、代金を連帯して負担する(連帯債務)と定め、CはA・Bに登記、引渡しをしたのに、A・Bが支払をしない場合の次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
平成13年試験 問4
  1. Cは、Aに対して2,000万円の請求をすると、それと同時には、Bに対しては、全く請求をすることができない。
  2. AとBとが、代金の負担部分を1,000万円ずつと定めていた場合、AはCから2,000万円請求されても、1,000万円を支払えばよい。
  3. BがCに2,000万円支払った場合、Bは、Aの負担部分と定めていた1,000万円及びその支払った日以後の法定利息をAに求償することができる。
  4. Cから請求を受けたBは、Aが、Cに対して有する1,000万円の債権をもって相殺しない以上、Aの負担部分についても、Bはこれをもって債務の履行を拒むことができない。

正解 3

問題難易度
肢16.4%
肢29.6%
肢366.9%
肢417.1%

解説

  1. 誤り。連帯債務における債権者は、同時または順次に全ての連帯債務者に対して、全部又は一部の履行を請求することができます(民法436条)。よって、Aに対して請求をしていても、Bに同時に請求をすることが可能です。
    債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
  2. 誤り。連帯債務における債権者は、全ての連帯債務者に対して全部または一部の履行を請求することができます。債務は2,000万円ですから、Aから全額の請求を受けたCは負担割合にかかわらず2,000万円全額を弁済しなければなりません。その後でBに1,000万円を求償することになります。
  3. [正しい]。連帯債務者が債権者に弁済した場合、他の連帯債務者に求償することができます。全額弁済をした場合には債務の負担割合に基づいて1,000万円をAに求償することができます。求償できる額には弁済した日以後の利息も含まれます(民法442条)。
    連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
    2 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。
  4. 誤り。連帯債務者の1人が債権者に対して有する債権の相殺を援用しない場合は、他の連帯債務者はその限度において債務の履行を拒むことができます(民法439条2項)。本件では、AがCに対する1,000万円分の債権を有しているのに相殺を援用していないので、Bは、もし債権者Cから請求を受けてもAの負担部分である1,000万円分については弁済を拒むことが可能です。
    前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
したがって正しい記述は[3]です。