不動産登記法(全27問中2問目)
No.2
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。令和5年試験 問14
- 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1か月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
- 何人も、理由の有無にかかわらず、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類である申請書を閲覧することができる。
- 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者である全ての登記名義人が共同してしなければならない。
- 区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。
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正解 2
問題難易度
肢112.0%
肢260.5%
肢314.5%
肢413.0%
肢260.5%
肢314.5%
肢413.0%
分野
科目:1 - 権利関係細目:17 - 不動産登記法
解説
- 正しい。所有する建物が取壊し、倒壊、焼失などにより滅失した場合、登記簿上の所有者は、その滅失の日から1月以内に、当該建物について滅失の登記を申請しなければなりません(不動産登記法57条)。土地が滅失した場合も同様です。
建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
- [誤り]。申請書は、正当な理由を有する者でなければ閲覧できません。提出された登記の申請書および添付書面その他の登記簿の附属書類は、登記所の帳簿に保存されています。このうち、一定の図面※に関しては誰でも閲覧を請求できます。しかし、申請書を含む図面以外の部分については、正当な理由があると認められる部分に限り、閲覧を請求することができます(不動産登記法121条3項)。
※土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図の5つ何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。
登記の申請書の閲覧は、請求人に正当な理由があると認められる部分に限り、することができる。(R2⑫-14-4) - 正しい。共有者同士の契約により、5年を超えない期間内で共有物の分割を禁じることが認められています(民法256条)。権利の登記については登記義務者と登記権利者の共同申請が原則ですが、共有物分割禁止の権利の変更は、誰が登記義務者で誰が登記権利者なのか明確でないので、共有者である登記名義人全員の共同申請(合同申請といいます)によってすることになっています(不動産登記法65条)。
共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。
- 正しい。本来は所有権保存登記のない建物の取得があった場合、表題部所有者に所有権保存登記をしてもらった後、買主等と共同で所有権の移転登記をする手順となります。しかし、原始取得者以外に取得されることを前提とする区分建物では、登記手続きを1回で済ませるために、表題部所有者から所有権を取得した者が直接所有権保存登記を申請することができます(不動産登記法74条2項)。
区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。
敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければ、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができない。(R2⑩-14-1)区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。(H28-14-4)敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得ることなく、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができる。(H25-14-3)1棟の建物を区分した建物の登記簿の表題部に記載された所有者から所有権を取得したことを証明できる者は、直接自己名義に当該建物の所有権保存の登記を申請することができる。(H12-14-4)
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