「賃料と権利金のどちらか高い方」の比べ方が分かりません
いぬさん
(No.1)
3. Aが単独で貸主と借主の双方から店舗用建物の貸借の媒介の依頼を受け、1か月の借賃25万円、権利金330万円(権利設定の対価として支払われるもので、返還されないものをいい、消費税等相当額を含む。)の賃貸借契約を成立させた場合、Aが依頼者の一方から受けることができる報酬の上限額は、30万8,000円である。
→誤り
賃料の27万5000円と、権利金の合計で受け取れる30万8000円を比べて高い方を採用すると思っていました。
出る順の解答では
「権利金により計算すると、(300万✕4%+2万円)✕1.1=15万4000円となる。
しかし賃料の27万5千円の方が高いので、依頼者の一方から受けることができる報酬の上限額は27万5千円となる」とあり、よく分かりません。
居住用建物以外の賃貸なので、承諾があれば一方から全額の27万5千円を受領可能。
権利金の15万4000円と比べて高い方である27万5千円が採用されるという事でしょうか?
しかし、その方法で平成30年問30を考えると、訳が分からなくなりました。
●平成30年問30
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、Bが所有する建物(長期の空家等ではない。)について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とし、1か月分の借賃を10万円(消費税等相当額を含まない。)、CからBに支払われる権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものであり、消費税等相当額を含まない。)を150万円とする定期建物賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
建物が店舗用である場合、Aは、B及びCの承諾を得たときは、B及びCの双方からそれぞれ11万円の報酬を受けることができる。
→誤り
令和02年10月問30の考え方だと、一方から受け取れる額は賃料11万円の方が、82,500円より高いです。
平成30年問30は、貸主と借主から「それぞれ」11万円を受領すると、「報酬の限度額は双方から合計で賃料1ヶ月以内」という規定を守れなくなる為、賃料では考えず、権利金の方が採用されるのでしょうか…?
分かりづらい文章で申し訳ございません。
ご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
2026.07.28 14:06
ヤスさん
(No.2)
令和2年は「依頼者の一方から受けることができる報酬の上限額」、平成30年は依頼者それぞれから受ける事ができる金額の上限額を訊いています。
令和2年から解説します。
【賃料で計算した場合】
依頼者はBとCですが、賃料で計算する場合、この取引で受け取れる報酬は合計で27万5000円です。つまりBへの報酬+Cへの報酬=27万5000円にしなければなりません。
解説にもあるように、今回は居住用建物以外のため、承諾があれば内訳は例えばBから27万5000円、Cから0万にする事も可能です。
【権利金で計算した場合】
権利金で計算する場合、権利金の金額を売買金額とみなして速算表で計算します。
計算すると、15万4000円ですよね。これは依頼者の一方から受け取れる報酬の上限額です。今回BとCから依頼されていますから、Bから15万4000円を上限、Cからも15万4000円を上限とした報酬を受ける事ができます。合わせると30万8000円となり、先ほど賃料で計算した合計27万5000円の報酬より高くなります。そうすると、この取引では、賃料で計算するより権利金で計算した方が合計の報酬が高くなるので、通常は権利金計算が採用されるでしょう。
しかし、この問題は、合計報酬を訊いていません。1人の依頼者から受け取れる報酬の上限額を訊いています。
権利金だと1人の依頼者からは15万4000円まででしたよね。賃料だとどうでしょうか。承諾があれば、Bから27万5000円、Cからは0円もいけましたよね。
そうすると合計報酬は「権利金」計算の方が上だけど、「賃料」計算だと、少し報酬をもらう相手が片方だけになってしまうけど、27万5000円が「依頼者の一方から受け取れる報酬の上限額」になりませんか。問題で問うているのは、「片方から取れる報酬の上限額が30万8000円ですか?」ですから、賃料で計算しても27万5000円が目一杯、権利金で計算しても片方からは15万4000円が目一杯のため、誤りとなります。
次に平成30年を説明します。
【賃料で計算した場合】
今回も依頼者はBとCです。
賃料で計算する場合、合計で11万までです。今回も居住用建物以外ですので、承諾あれば合計11万の枠の中で、例えばBから11万、Cからは0円もできるのは、さっきと同じです。
【権利金で計算した場合】
権利金で計算すると、82500円になります。これは依頼者の一方から受け取れる報酬の上限額です。今回、BとCから依頼を受けていますので、Bからは82500円を上限とした報酬、Cからも82500円を上限とした報酬を受ける事ができます。
そうするとこの取引で受け取れる合計報酬の上限額は16万5000円ですから、賃料計算の合計11万より高いですよね。
じゃあ通常は権利金計算が採用されるでしょう。
しかし、この問題はそんな事を訊いていません。
「BとCそれぞれから11万受け取れますか?」と訊いています。
賃料計算だと、片方から11万、もう片方から0万と内訳は変える事はできますが、双方から11万受け取る事はできませんよね。Bからも11万、Cからも11万だと合計22万になってしまいますから。
じゃあ権利金計算だとどうか?
これでも片方の上限は82500円までですよね。問題文が「それぞれ82500円を受け取る事ができる」だと正しいですが、この問題は権利金で計算しようと、賃料で計算しようと「それぞれ11万の報酬は受ける事ができない」ため、誤りなんです。
2026.07.28 20:12
ヤスさん
(No.3)
これですが、いくつかのテキストでは「高い方を採用する」と記載して、高い方を採用する事が絶対のように書かれているのが見受けられます。
報酬告示には、そんな書き方はされていません。
報酬告示の構成はこうです。
第1…定義
第2…売買・交換の媒介報酬
第3…売買・交換の代理報酬
第4…貸借の媒介報酬
第5…貸借の代理報酬
第6…権利金の授受の特例
以下、第7以降は低廉な空き屋等の特例や長期の空家特例がそれぞれ続きますが、今回の権利金の授受の特例はどう書かれているか。
以下に、報酬告示の第6を載せます。
【報酬告示第6(権利金授受の特例)】
宅地又は建物(居住の用に供する建物を除く。)の賃貸借で権利金(権利金その他いかなる名義をもってするかを問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)の授受があるものの代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額(当該代理又は媒介に係る消費税等相当額を含む。)については、第四又は第五の規定にかかわらず、当該権利金の額(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとする。)を売買に係る代金の額とみなして、第二又は第三の規定によることができる。
法律読むのが嫌いな人も、この報酬告示の最後だけみて下さい。「第二又は第三の規定によることができる」とあります。
つまり、権利金で計算しても良い(違反にならない)であって、必ず高い方で計算しなければならないわけではありません。
通常は「高い方」で計算するでしょうが、法律上は絶対ではないと言う事です。
この権利金授受の特例と通常の賃料で計算する理解を複雑にしているのが、その計算方法の違いのせいでしょう。
賃料の計算の場合は、その取引で受け取れる合計額の上限が「賃料の1月分(+消費税)」と規定されている。
だから貸主、借主双方から依頼を受けようと「賃料の1月分(+消費税)」が受け取れる報酬の頭打ちになります。
権利金で計算する場合は、上記の報酬告示の「権利金を売買代金とみなして第2、第3の規定による」とあるように、第2、第3の規定で計算するように求めています。
第2、第3の規定はそれぞれ売買の媒介、売買の代理の報酬の規定ですが、その計算は「依頼者の一方から受け取れる報酬上限」を求めるものです(第3の代理は少し違って依頼者から受け取れる報酬上限を求めるものになっています。これは代理は双方から依頼を受ける双方代理が禁止されているためです。)
つまり、貸主借主双方から媒介依頼を受けた場合は、合計額として計算した金額の2倍を上限として受け取れる事になります。
わかりますか?
賃料で計算の場合は、その賃貸借と言う1つの取引で受け取れる報酬全額の上限が規定されている。
権利金特例の場合に適用される売買の媒介の計算は「依頼者の一方から受け取れる報酬の上限」が規定されている。だから双方から依頼を受けた場合は、2倍の金額がその業者が受け取れる報酬の上限金額になります。
この計算方法の規定の違いのせいで、賃料で計算する場合と権利金で計算する場合で混乱してしまう人がいるのではと思います。
問題で出される場合、貸主借主双方から媒介依頼を受けている場合がほとんどですから、賃料で計算だったらどういう受け取り方でいくらになるかな?、権利金授受の特例だったらどういう受け取り方でいくらになるかな?と少し頭を働かせる必要があります。
また、権利金が出てくるときは、「そもそも権利金の特例が使えるのか」にも注意すべきです。
例えば、居住用建物では権利金の特例は使えません。問題文よく読んだら、居住用建物と書いてあり権利金特例使えないと言う引っ掛けが出たりします。
また、返還されないものが権利金ですから、問題文よく読んだら「この権利金は返還される」と引っ掛けが出たりしますから、注意して下さい。
2026.07.28 23:42
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