抵当権と物質的欠陥 担保責任

令和7年度 賃貸不動産経営管理士
糖質制限中さん
(No.1)
 平成11年問10改肢3
 AからBが建物を買い受ける契約をした場合(売主の担保責任について特約はない)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

肢3  AがDに設定していた抵当権の実行を免れるため、BがDに対しAの抵当債務を弁済した場合で、BがAB間の契約締結時に抵当権の存在を知っていたとき、BはAに対し、常に賠償請求はできないが、弁済額の償還請求はすることができる。

答え✕
解説 買主Bが悪意でも、弁済額(費用)の償還請求はできるし、損害の賠償請求ができる場合もある。
 買い受けた不動産(建物)について契約内容に適合しない抵当権等が存在していた場合において、買主が費用を支出してその不動産の所有権を保存したときは、悪意の買主であっても、売主に対し、その費用の償還請求ができる。そして買主が悪意であっても、売主に責めに帰すべき事由があれば、買主は損害賠償できる。(565.564.415条)なお、買主の過失等は、過失相殺(418条)等で考慮して妥当な解決をすることとなる。


長いので分けます。
2025.08.10 08:48
糖質制限中さん
(No.2)
平成15年問10改肢1
 Aが、BからB所有の土地付き中古建物を買い受けて引き渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述の正しいものはどれか。なお、担保責任について特約はない。

 肢1   Aが、この欠陥の存在を知って契約を締結した場合、Aは契約を解除することはできないが、この場合の建物の欠陥は重大な瑕疵なのでBに対して、常に損害賠償請求を行うことができる。

 答え✕
 解説 買主が欠陥の存在を知って売買契約を締結したのであれば、契約不適合とはいえず、損害賠償請求はできない。
 買主が欠陥(物質的欠陥)の存在を知って売買契約を締結したのであれば、その欠陥の存在は、原則として契約不適合ではなく、買主は契約不適合責任(①追完請求②代金減額請求③損害賠償請求④解除)は追求できない(民法562.1項563.1項2項、564条、541条1項)

長いので分けます。
2025.08.10 08:59
糖質制限中さん
(No.3)
 質問内容
 2つの問題文で、買主は、抵当権の存在を知っていたり、欠陥の存在を知っていたりします。
 最初の問題の解説は、「買主が悪意であっても」と表現していますが、2つ目の問題の解説は、「欠陥の存在を知って」と表現しています。

 自分なりに考えたのですが、「悪意」は、契約書に抵当権があるよと載っていなくても買主は心の中では知っていた、というニュアンスでしょうか?
 そして、「欠陥の存在を知って」は、契約書に欠陥があることが載っていてそれを買主がきちんと了解している、という感じでしょうか?

 最初の問題の解説は、売主に責めに帰すべき事由があれば損害賠償請求できるといっています。
 2つ目の問題は、知っていたから契約不適合にはならないので損害賠償請求はできない、とハッキリ言っています。

 この2つの問題文だと、買主さんが悪意があったのか、欠陥や抵当権についてきちんと了解して契約したのか見分けが、つかないのですが、どうやって見分けるのでしょうか?
 もしくは自分がなにか見当違いな解釈をしているかもしれません。

 どなたか教えていただけないでしょうか?
2025.08.10 09:12
宅建女子さん
(No.4)
平成11年問10改肢3
>買主Bが悪意でも、弁済額(費用)の償還請求はできるし、損害の賠償請求ができる場合もある。

解説には『契約内容に適合しない抵当権等が存在していた場合において、』とあるけど、問題文はここまで言ってないんでイマイチすっきりしませんね。そういう場合も考慮した場合、という意味ですかね。

しかし、それよりも、これは問題文中『BがDに対しAの抵当債務を弁済した場合』とあるので、Bが代位弁済したと考えればAに求償できるから、言い換えると償還請求はできるし、その際に何らかの損害が発生すればその請求も可能、という解釈ができるかと思いました。
この場合は善意悪意は関係ないし。

(ちなみに抵当権消滅請求をした場合はAに対して求償はできなくて、かわりにこの手続きが終わるまでAに対する代金支払いを拒むこともできます。)

でも、これ、改題ですよね。
上記のように解釈してみましたが、別の意図かもしれません。
はっきりしなくてすみません。

平成15年問10改肢1
>「欠陥の存在を知って」は、契約書に欠陥があることが載っていてそれを買主がきちんと了解している、という感じでしょうか?

そうだと思います。
2025.08.10 16:02
糖質制限中さん
(No.5)
 そうですね、改題と言われて、出版社が作った問題なので、完璧な問題じゃないかも…と思い始めました…。
 悪意でも、求償できるし、契約不適合(抵当権があること)+売主に責めに帰すべき事由(求償する際に何らかの損害が買主に起こった)=損害賠償請求できる ということですかね😰

 ちょっとまだよくわかりませんが、一緒に考えてもらい、どうもありがとうございました。
2025.08.10 21:57
宅建女子さん
(No.6)
混乱すると思い、前回書きませんでしたが、h11は出題年度から、以下の旧法に関する問題だったと思われます。

【民567(抵当権等がある場合における売主の担保責任)
1 売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。
2 買主は、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。
3 前二項の場合において、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。】

この法に照らし合わせればすんなり✕と言えます。
でも今はこの条文は削除されています(要注意)。
今は下記の条文で処理します。

【民570(抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求)
買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権、質権又は抵当権が存していた場合において、買主が費用を支出してその不動産の所有権を保存したときは、買主は、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。】

なので、解説の『契約内容に適合しない抵当権等が存在していた場合において、』は改正後の条文を説明してると思いますが、問題文の方が『契約内容に適合しない』といってないので、解説がかみ合わない。
それで糖質制限中さんも混乱しているのかもと思い、私は代位弁済の観点から考えてみた次第です(代位弁済も重要なのでこの機会にテキストを確認してみてください)。

ちなみに家坂先生のサイトでは適切な解題がされています。
『AがDに設定していた契約の内容に適合しない抵当権の実行を免れるため、BがDに対しAの抵当債務を弁済した場合で、BがAB間の契約締結時に抵当権の存在を知っていたとき、Bは、Aに対し、損害の賠償請求はできないが、弁済額の償還請求はすることができる。』
こちらの問題文のほうが良いと思います。
2025.08.11 08:04
宅建女子さん
(No.7)
★おまけ

>「悪意」は、契約書に抵当権があるよと載っていなくても買主は心の中では知っていた、というニュアンスでしょうか?

これは考えられません。
重説の記載事項を考えてみてください。
『登記簿上の権利』
というのがあると思います。
これは、いわゆる『抵当権』とか『先取特権』とか所有権以外の権利のことですよね。
抵当権がついていれば、重説で説明義務があるから、買主は必ず知ることになります。

では『契約内容に適合しない抵当権』とは何か?
通常の契約では、負担除去特約をつけます。
これは登記簿上の、抵当権など買主に負担となる権利を、引き渡しまでに除去します、という特約です。
抵当権の契約不適合となるのは、この特約に違反するケースではないかと思います(他のケースが思いつかないので)。

私が前回挙げた、代位弁済だの抵当権消滅請求だのの話は、抵当権がついていることを承知で購入するケースです。
負債が膨れ上がって返せない人の不動産を、競売に付される前にもう少し高値で売却する場合など(買い手は債権者と交渉できる業者が多いかもしれませんけど)、抵当権ごと引き受けるケースです。
この話は覚える必要はありませんが、【代位弁済】や【抵当権消滅請求】の基礎知識は一応宅建範囲かと思います。
2025.08.11 09:18
糖質制限中さん
(No.8)
 旧法に関する問題なので、改題されているけどちょっと言葉足らずな問題かもしれないんですね。
 家坂先生のサイトを見てきました。こちらの問題なら問題文と解説文が一致してすんなりわかりました。
 抵当権については、言われてみれば確かに重説で登記されてる権利について説明しなければいけませんね😰そこまで思いつかなかったです。抵当権除去するって約束したのに、約束破ったとかそんな感じですかね…。危うく勘違いしたままになるところでした。
 詳しく教えていただき、とても助かりました。代位弁済と抵当権消滅請求、これから再度確認します。
 説明だけでなく、重要ポイントまで指南いただきありがとうございました!
2025.08.11 13:08
糖質制限中さん
(No.9)
 訂正
 テキストを確認したところ、代位弁済でなくて代価弁済という言葉でした。
 代位弁済は、保証会社が融資返済金を債務者の代わりに債権者に支払うことで、代価弁済は抵当権を消滅させる為に支払うことだそうです。違いが試験に出るかわかりませんが一応コメント残しておきます😌
2025.08.11 13:32
宅建女子さん
(No.10)
糖質制限中さん
ご確認ありがとうございます。
えっと、代価弁済はまたちょっと別で、読んで字のごとく、【代わりに金銭で弁済する】ことで、これは抵当権者の方からの請求ではないでしょうか?
抵当権者の方から提示された金額を払うと抵当権を消してくれるという制度です。

代位弁済については、保証会社に限らず正当な利益を有する者(物上保証人、第三取得者、後順位抵当権者など)が弁済した場合は、債権者に当然に代位するので、そういう場合は全て代位弁済と言うものかと認識していました。
で、今確認しましたところ、たぶんその認識で良いように思うのですが、正当な利益を有しない者の弁済パターンもあり得るので(本問のケースではないけど)、言い方としては広く『第三者弁済』というほうがいいのかもしれません、雑なコメントですみませんでした💦
本問については弁済の経緯がハッキリ書いてないから代価弁済と考えることもできますね。

何か深い話になってしまいましたね💦
時間に余裕があれば第三者弁済で確認してみてください。
振り出しに戻りますが、こちらの設問は家坂先生の過去問で理解できれば十分かと思います。
引き続き頑張ってください!
2025.08.11 15:21
糖質制限中さん
(No.11)
 宅建女子さん
 すみません、おっしゃる通り、代価弁済は、抵当権者が第三取得者に求めて、第三取得者が抵当権者に支払うとあります。
 てっきりこっちの方を確認したほうがいいとアドバイスいただいたと勘違いしました。
 代位弁済について私のテキストより
 「さて、保証人が債権者に弁済した場合、保証人は主たる債務者に対して求償することができます。このような保証人などの求償権を実効的なものにするために、弁済をした保証人が債権者にとって代わる(債権者と同じ位置に立つ)ことを、弁済による代位といいます。債務者の為に弁済した者は、債権者の承諾を要することなく、債権者に代位します。それにより、債権者が債務者に対して有していた債権や抵当権などを、保証人などが行使できるようになります。」
 その後、正当な利益を有する等うんぬんかんぬん書いてあります。


 すみません、こちらこそ私が「保証会社」と限定するみたいな内容で書いてしまったので、お手間をとらせてしまって申し訳ありませんでした🙇

 引き続き頑張ります。ありがとうございました😌
2025.08.11 17:39

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