詐欺等が原因で取消しされた場合の相互の返還義務について

令和7年度 賃貸不動産経営管理士
たけしさん
(No.1)
お世話になります。「神テキスト」(&神問題集)で勉強し直しています。「債務不履行」の項目で、「同時履行の抗弁権が認められる場合と認められない場合」の表に出ている、「認められる場合」の一例の「詐欺が原因で取消しされた場合の相互の返還義務」が挙げれていますが、これをより深掘りして読み解きたくおご教示くださいますと幸いです。まず詐欺(等=強迫や錯誤も)が原因で契約を取消すに至る根拠となる民法条文は96条(契約の取消し)であり遡及効であり、その相互の返還義務は同時履行となるにあたっての根拠となるものは民法703条(不当利得の返還義務)であり、そしてこの流れから損害賠償に至る場合に根拠となるのは民法709条(不法行為)という考えで合っていますでしょうか?
2025.08.08 01:52
宅建女子さん
(No.2)
根拠条文をお知りになりたいのでしょうか。
確認しましたところ、遡及効は121条、原状回復義務は121条の2ではないかと思います。
詐欺・強迫で取り消しの場合、以前は民法703条、704条を適用していたようですが、形式的に適用するのが妥当ではないという見解があったようで、これらが適用されるのはケースバイケースのようです。
その他の根拠条文は仰るとおりで良いように思います。違ってたらごめんなさい。
2025.08.08 10:05
勉強嫌いの行政書士さん
(No.3)
根拠条文の話ですね

95条、96条などは取消に関して
 ↓
121条
 ↓
121条の2

93条、94条などの無効に関して
 ↓
121条の2

民法改正前は、不当利得で処理していましたが、
121条の2が新設した時点で同条で処理することになりました。
2025.08.08 10:20
勉強嫌いの行政書士さん
(No.4)
>宅建女子さん
かぶってしまいました・・・
2025.08.08 10:21
勉強嫌いの行政書士さん
(No.5)
実務的な観点から不当利得から損賠の流れは基本的にないです。

そもそも、不当利得と損賠の成立要件が違いすぎます。
よって、基本的はどちらかを選択することになります。
2025.08.08 10:29
たけしさん
(No.6)
宅建女子さん
勉強嫌いの行政書士さん

ご教示ありがとうございます。
自分、根拠となる条文が何か間違えていたようです。大変失礼しました。
(お恥ずかしい次第です)
根拠1(詐欺や強迫や錯誤による契約の取消しができるとする根拠)
民法96条(詐欺・強迫による契約の取消し)及び民法95条(錯誤による契約の取消し)
からの根拠2(根拠1により生じる効果や義務の根拠)
民法121条(取消しの効果=遡及効)+民法121条の2(取消すことで生じる双方の原状回復義務)※改正に伴い新設

よく分かりました。分かりやすく解釈できるようになった改正点なのだなと感じました。
加えて、「不当利得と損賠の成立要件が違いすぎます」とのことで、今一度各条文を読み直しました。自分は不法行為・債務不履行・不当利得からの損害賠償請求の理解の選別が苦手な自覚はあり、この段階でもつまづいている現状に焦りが生じますが、一つひとつ読み解く癖自体は磨いていたいと考えつつ、その実力もなかなか身に付かず難儀していたところでした。この度はご教示をありがとうございました。
2025.08.09 02:56
勉強嫌いの行政書士さん
(No.7)
>たけしさん
おそらく、理解されているとは思いますが、細かい指摘します。

取消しの効果=遡及効→無効(121条)です。
そして、95条(→121条)、96条(→121条)によって遡及効で無効となり、121条の2 1項の「無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。」となるわけです。
よって、無効な行為は、ほかにも3条の2、90条、93条、94条などがありますのでこれらにも適用されます。
また、給付を受けた者のみが現状回復義務を負うので、双方ではありません。
よって、「取消すことで生じる双方の原状回復義務」に限定しておりません。

(取消しの効果)
第121条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。

(原状回復の義務)
第121条の2 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。
2 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
3 第1項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする。
2025.08.09 06:03
たけしさん
(No.8)
勉強嫌いの行政書士さん

ご丁寧なご指摘を誠にありがとうございます。
独学の雑な解釈に対し、細やかな修正を加えて下さり感謝です。

(民法95条)錯誤による契約の取消し
(96条)詐欺・強迫による契約の取消し

(121条)
取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす(遡及効)

(121条2項)
無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う

この「相手方」という規定を勝手に双方だと誤認識していた点(給付を受けた者が相手側に対し原状回復義務を負う)は強く反省します。

また、「3条の2(意志無能力者)、90条(公序良俗違反)、93条(心裡留保)、94条(通謀虚偽表示)」の場合でも上記の流れとなる。

根拠となる条文と流れを教えていただきありがとうございます。
2025.08.10 04:58

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