無権利者からの登記移転

にゃコロンさん
(No.1)
平成29年問2-2
無権利者のAからC所有の乙建物を買ったBは善意無過失であれば、AB間で売買契約が成立した時点でBは乙建物の所有権を取得する
答え  ×

常識的に考えれば×で納得いくのですが、無権利者から登記の移転を受けた者は登記ぐなくてもその無権利者と、また転得者にも対抗できるとテキストに書いてあります。
本来の所有者Cではなく無権利の売主Aに登記なしで対抗できてもCには対抗できず所有権を取得できない、という意味でしょうか?
それなら無権利者のBに登記なしで対抗できたとしても何の意味もない気がして、混乱しています。
どなたか教えてください。
2023.04.18 08:33
もつさん
(No.2)
おそらく質問者さんは勘違いしてますね。
この問題は登記してるかしてないか対抗できるか?できないか?なんて聞いてません。

売買契約が成立←所有権をあたりまえに取得します。

しかし無権利者が販売します←無権代理だね
所有権は移転しません。

買主は何もしりません←大丈夫かな?

この場合、法律は誰を保護するべきか?

何も知らない買主です。
売買契約は成立します。しかし権利移動はしません。
無権ですからね。

つまり無権販売をおこなった売主さんはその権利移動をする必要があるのですけど

善意無過失の法律が買主は保護する。
しかしそれがどこまでの範囲で、無権売主にどこまで責任があるのか。

これらを理解してますか?っていうことを聞いてる問題だと思います。たぶん読み取り不足です。
2023.04.18 09:46
Mmegさん
(No.3)
無権利者との売買契約が成立しても所有権は取得できません。
登記については触れられていないので、この場合、登記のことを考慮する必要はないと思います。

無権利者で登記絡みの問題としては通謀虚偽表示があります。
そのテキストの引用は不正確に思いますが、おそらく平成12の問4平成27の問2など確認しておくと良いかと思います。

ちなみに無権利者と無権代理は違います。
①無権利者→所有権がない
②無権代理→代理権がない
※今回は①の方です。
2023.04.18 22:15
にゃコロンさん
(No.4)
みなさん丁寧な回答をありがとうございます。すみません、5人の幼児の子育ての合間に勉強しておりつい返信そびれておりました。以後気をつけます。
登記がなくても無権利者に対抗できるのに、所有権は移転しない、というところに混乱していました。売買成立と所有権の移動は別物なのですね。細かいニュアンスなどで勘違いをしがちなので、そこも気をつけながら勉強したいと思います。
2023.04.19 08:24
Mmegさん
(No.5)
若干理解に相違があるように思います。
すでにお読みではないかもだけど、民法勉強中の誰かが読むかもしれないから投稿します。

前回の投稿、端折りすぎでした。
も少し詳しく書きます。

この問は他人物売買の話なんですが、物権と債権の違い、登場人物の立場を正確に理解しているかがポイントかと思います。

結論から言うと、AもBも第三者に当たらないので対抗関係にもならないし守る必要もありません。

まず、『第三者』というのはその物事について利害関係のある人たちを指します。
今回でいうと、乙建物に利害関係を有する人。

【設定】
・乙建物
・C…乙を所有している
・A…乙を売ろうとしてるけど乙の所有者ではない
・B…乙を購入したい

【事実関係】
AとBは乙建物の売買契約を結んだ

権利関係をフワっとしか理解してない人は、ABが契約しているというだけで乙建物に利害関係を有する人たちと思うかもしれませんが、それは違います。
なぜならAは乙を所有していないからです。

契約というのは二人の間だけで成立する約束です。
だから二人が合意さえすれば何だって成立します。
極端な例をあげれば、
A『東京ドームをあなたに売ります』
B『買います』
お互い本気で約束したらこれで成立します。
Aが履行できなければBから契約解除でしょう。
でもそれは二人の間の話であり、東京ドームの所有者からしたらこんな約束知ったこっちゃないとなりますし、この件でBから文句言われる筋合いもありません。

問題文の乙建物は東京ドームと同じです。
現状Aは乙建物を所有していないので、乙建物には無関係な立場です。
そういう人からその家を買う契約をしたB(この場合"転得者"と言います)も関係者とはなりません。
なので、ABとも所有者Cに対抗するに値しませんし、無から有は生じませんから、Bにも何も権利はありません。

Bができることは、Aヘの契約解除と損害賠償請求、つまり二人の間の契約についてのみ対処できるだけです。
もし他人物と知っている場合、損害賠償請求も不可です。
※ただし、AがCとの間で乙の売買予約契約とかあれば別です。
その場合そもそもAを無権利者とは言わないので、今回の想定は乙を仕入れられると見込んで先に転売した感じでしょうか。

今回の問題の話はここまでです。


では次に、
無権利者なのに登記を備えているケースはどうでしょうか?(タイトルに登記とあるのでこちらもごっちゃになってるかと。)

これは話が変わってきます。
権利がないのに登記があるなんて普通じゃないです。
典型例は通謀虚偽表示です。
Cが差し押さえ逃れとか税金逃れとか何らかの理由で、二人で通謀して登記名義をAに移した場合とかです。
この所有権移動は無効とされていますので、登記されていても、Aは実質無権利者です。
しかし、Aは自分に登記があるのをいいことにCを裏切って乙をBに売却しました。
すると、Bは登記を移転しなくてもCに対抗できるのです。
Cはその虚偽の外観を作り上げるのに積極的に関与してるので守る必要がありません。

多分、登記を備えている無権利者は、宅建ではこの通謀虚偽パターンしか出ないと思うので、とりあえずこれを覚えておけばいいと思います。


最後にもう一つ、『無権代理』を簡単に。
これは全然話が変わります。
AがCの代理として乙をBに売りますので、AB感の契約ではなく、最初からBC間の契約です。
でも無権代理なのでCが追認しなければ成立しません。
逆にいえば、Cがあとから『いいよ~』って言えば成立します。
追認確認して返事がなければ追認されなかったとみなします。
Cには責任はありません。
BはAに対して債務の履行を請求、あるいは損害賠償請求ができます。
詳細はテキストみてください。
2023.04.21 10:37
Mmegさん
(No.6)
追記

ちょっと応用問題です。

通謀虚偽表示のパターンでAがBに乙を売却し、CもDに乙を売却したらどうなるか?

B対Dは先に登記したほうが勝ちです。
2023.04.21 10:45

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