宅建試験過去問題 令和4年試験 問39

問39

宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 保証協会は、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者から認証申出書の提出があり、認証に係る事務を処理する場合には、各月ごとに、認証申出書に記載された取引が成立した時期の順序に従ってしなければならない。
  2. 保証協会は、当該保証協会の社員から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を当該社員の主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
  3. 保証協会の社員が弁済業務保証金分担金を納付した後に、新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に保証協会に納付すべき弁済業務保証金分担金について、国債証券をもって充てることができる。
  4. 宅地建物取引業者と宅地の売買契約を締結した買主(宅地建物取引業者ではない。)は、当該宅地建物取引業者が保証協会の社員となる前にその取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する。

正解 4

問題難易度
肢16.9%
肢214.0%
肢39.7%
肢469.4%

解説

  1. 誤り。保証協会は、還付に関する認証申出書を事務処理する場合、保証協会が認証申出書を受理した順序に従って行うことと定められています(宅建業法規則26条の7第1項)。取引成立時期の順序だと、認証の申出のつど処理順が変わることになるので事務処理が煩雑になるのと、取引成立時期の先後によって事務処理を待つ時間が変わるのは公平ではないため、このような取り決めになっているのでしょう。
    宅地建物取引業保証協会は、認証に係る事務を処理する場合には、認証申出書の受理の順序に従つてしなければならない。
  2. 誤り。保証協会が弁済業務保証金を供託する先は、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所(東京法務局)です(宅建業法64条の7第2項)。本肢は「社員の主たる事務所の最寄りの供託所」としているので誤りです。
    弁済業務保証金の供託は、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所にしなければならない。
  3. 誤り。保証協会の社員が保証協会に納付する弁済業務保証金分担金は、現金でのみ納付ができます。本店は60万円、支店1つにつき30万円と金額がべらぼうに高いわけではないので、営業保証金のように有価証券でもって納付することはできません(宅建業法64条の9第1項)。
    次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる日までに、弁済業務保証金に充てるため、主たる事務所及びその他の事務所ごとに政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
  4. [正しい]。保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(宅建業者以外)は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有します。この「取引をした者」には、その者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含みます(宅建業法64条の8第1項)。
    宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(社員とその者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含み、宅地建物取引業者に該当する者を除く。)は、その取引により生じた債権に関し、(中略)、弁済を受ける権利を有する。
したがって正しい記述は[4]です。