宅建試験 平成30年試験 問39(改題)

問39

宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合における宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特に断りのない限り、当該建物を借りようとする者は宅地建物取引業者ではないものとし、書面の交付には、宅地建物取引業者の相手方等の承諾を得て行う電磁的方法による提供を含むものとする。
  1. 当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。
  2. 当該建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。
  3. 台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について説明しなければならない。
  4. 宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。

正解 4

問題難易度
肢110.8%
肢26.1%
肢37.7%
肢475.4%

解説

  1. 正しい。買主や借主が宅建業者である場合、重要事項説明書の交付は必要ですが、内容の説明は省略することができます(宅建業法35条6項)。
    宅地の売買について売主となる宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者である場合、重要事項説明書を交付しなければならないが、説明を省略することはできる。R5-42-ウ
    宅地建物取引業者Aが所有する甲建物を法人Bに売却するに当たり、Bが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、宅地建物取引士をして、法第35条の規定に基づく書面を交付し説明をさせなければならない。R4-35-2
    建物の売買においては、その対象となる建物が未完成である場合は、重要事項説明書を交付した上で、宅地建物取引士をして説明させなければならない。H30-35-2
  2. 正しい。中古住宅の取引では、建物状況調査を1年(鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等は2年)以内に実施しているかどうか、実施している場合にはその結果の概要を説明しなければなりません(宅建業法35条1項6号の2イ)。
    39_1.png/image-size:514×103
    鉄筋コンクリート造の既存の共同住宅の販売を行う場合、宅地建物取引業法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を1年6か月前に実施したときは、建物状況調査を実施したこと、その結果の概要について説明しなくてはならない。R7-37-4
    賃貸借契約において、対象となる建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。R3⑫-44-イ
    建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が既存の住宅であるときは、建物状況調査を実施しているかどうかを説明しなければならないが、実施している場合その結果の概要を説明する必要はない。R2⑩-31-3
  3. 正しい。建物の貸借では、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況を重要事項として説明しなければなりません(宅建業法規則16条の4の3第7号)。具体的には、設備の整備の有無、形態、使用の可否等の情報です。
    【参考】宅地の取引では当然に不要だとして、なぜ建物の取引で貸借のみかというと、所有権が移る売買・交換では建物の設備を自由に変更できるのに対して、貸借では借主による設備の変更が制限されるためです。借主は現状の水回り設備を受け入れるしか選択がないことから、借主が確実に認識できるよう説明対象となっています。
    39_2.png/image-size:514×103
    建物の貸借の媒介を行う場合、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を説明しなければならない。R7-43-ウ
    宅地の貸借の媒介を行う場合、借地権の存続期間を50年とする賃貸借契約において、当該契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容を説明しなければならない。R6-41-イ
    建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨を説明しなければならない。R6-41-ウ
    当該建物が宅地造成及び特定盛土等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。R4-34-2
    当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。R4-34-3
    当該建物(昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したもの)が指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その旨を説明しなければならない。R4-34-4
    建物の貸借の媒介を行う場合における、「当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容」R3⑩-36-2
    建物の貸借の媒介を行う場合における、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」R3⑩-36-3
    宅地の貸借の媒介を行う場合における、「敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項」R3⑩-36-4
    建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。R2⑫-32-イ
    建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について、説明しなければならない。R2⑫-42-4
    建物の売買の媒介を行う場合、当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているか照会を行ったにもかかわらず、その存在の有無が分からないときは、宅地建物取引業者自らが石綿の使用の有無の調査を実施し、その結果を説明しなければならない。R2⑩-31-2
    昭和55年に新築の工事に着手し完成した建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を説明しなければならない。R2⑩-44-1
    貸借の媒介を行う場合、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を説明しなければならない。R2⑩-44-2
    当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨を説明しなければならない。R1-28-1
    当該建物が既存の建物である場合、石綿使用の有無の調査結果の記録がないときは、石綿使用の有無の調査を自ら実施し、その結果について説明しなければならない。R1-28-3
    宅地の貸借の媒介を行う場合、借地権の存続期間を50年とする賃貸借契約において、契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容を説明しなければならない。R1-39-3
    建物の売買又は貸借の媒介を行う場合、当該建物が津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を、売買の場合は説明しなければならないが、貸借の場合は説明しなくてよい。R1-39-4
    建物の売買においては、売主は取引の対象となる建物(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く。)について耐震診断を受けなければならず、また、その診断の結果を重要事項説明書に記載しなければならない。H30-35-1
    宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地について借地借家法第22条に規定する定期借地権を設定しようとするときは、その旨を説明しなければならない。H27-32-2
    建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売主に耐震診断の記録の有無を照会したにもかかわらず、当該有無が判別しないときは、自ら耐震診断を実施し、その結果を説明する必要がある。H26-34-1
    宅地建物取引業者は、貸借の媒介の対象となる建物(昭和56年5月31日以前に新築)が、指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであっても、その内容を重要事項説明において説明しなくてもよい。H25-30-3
    宅地建物取引業者は、重要事項説明において、取引の対象となる宅地又は建物が、津波防災地域づくりに関する法律の規定により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。H25-30-4
    建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨について説明しなければならないが、当該評価の内容までを説明する必要はない。H24-30-1
    建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その旨について説明しなければならないが、当該記録の内容までを説明する必要はない。H24-30-3
    昭和55年に竣工した建物の売買を行う場合、当該建物について耐震診断を実施した上で、その内容を説明しなければならない。H24-30-4
    昭和60年10月1日に新築の工事に着手し、完成した建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が指定確認検査機関による耐震診断を受けたものであっても、その内容は説明する必要はない。H23-32-2
    建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が宅地造成及び特定盛土等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を説明しなければならないが、当該建物の貸借の媒介を行う場合においては、説明する必要はない。H23-32-3
    宅地の売買の媒介の場合は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。H22-35-2
    建物の売買の媒介の場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。H22-35-3
    建物の売買を行う場合、当該建物について石綿の使用の有無の調査の結果が記録されていないときは、Aは、自ら石綿の使用の有無の調査を行った上で、その結果の内容を説明しなければならない。H21-33-2
    建物の貸借の媒介を行う場合、当該貸借の契約が借地借家法第38条第1項の規定に基づく定期建物賃貸借契約であるときは、Aは、その旨を説明しなければならない。H21-33-3
    建物の貸借の媒介を行う場合、Aは、当該貸借に係る契約の終了時において精算することとされている敷金の精算に関する事項について、説明しなければならない。H21-33-4
    建物の貸借の媒介において、当該建物について石綿が使用されていない旨の調査結果が記録されているときは、その旨を借主に説明しなくてもよい。H19-35-1
    建物の貸借の媒介において、当該建物が宅地造成及び特定盛土等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を借主に説明しなければならない。H19-35-2
    令和8年10月に新築の工事に着手した建物の売買において、当該建物が指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を買主に説明しなければならない。H19-35-3
    当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨H18-33-1
    台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況H18-33-3
    敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項H18-33-4
    宅地の貸借の媒介において、借地借家法第22条で定める定期借地権を設定しようとするときは、その旨を説明しなければならない。H17-37-4
    売買契約の対象となる宅地が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律によって指定された土砂災害警戒区域内である場合は、当該区域内における制限を説明すれば足り、対象物件が土砂災害警戒区域内にある旨の説明をする必要はない。H16-37-2
    売買契約の対象となる建物が新築住宅であって、住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた住宅である場合は、その旨を説明しなければならない。H16-37-3
    事業用建物の賃貸借の媒介を行うに当たっても、居住用建物と同様に、台所、浴室等の設備の整備状況について説明しなければならない。H16-38-2
    Aは、建物の売買の契約を行うに際し、当該建物は住宅の品質確保の促進等に関する法律の住宅性能評価を受けた新築住宅であったが、その旨説明しなかった。H14-37-4
    法第35条の重要事項の説明のうち、宅地建物取引業者の相手方等の保護の必要性及び契約内容の別を勘案して国土交通省令で定められている事項は、宅地又は建物の貸借に係る事項であり、売買に係るものは含まれていない。H14-38-3
    定期建物賃貸借を媒介する場合に、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明において、期間の定めがない旨の説明を行うことH13-34-イ
    建物の貸借の媒介において、当該貸借が借地借家法第38条第1項の定期建物賃貸借である場合は、貸主がその内容を書面で説明したときでも、定期建物賃貸借である旨を借主に説明しなければならない。H12-39-1
  4. [誤り]。一定の要件のもと、重要事項の説明を対面ではなくテレビ会議等のITを活用して行うことが認められています(IT重説)。IT重説と有効な重要事項説明とするには、以下の要件を満たす必要があります。
    • 宅地建物取引士及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること。
    • 宅地建物取引士により記名された重要事項説明書及び添付書類を、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付していること(相手方の承諾を得て、電磁的方法により提供する場合も含む)。
    • 重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること並びに映像及び音声の状況について、宅地建物取引士が重要事項の説明を開始する前に確認していること。
    • 宅地建物取引士が、宅地建物取引士証を提示し、重要事項の説明を受けようとする者が、当該宅地建物取引士証を画面上で視認できたことを確認していること。
    テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行う場合でも、宅地建物取引士は、たとえ相手方の承諾があったとしても取引士証の提示を省略することはできません。よって本肢は誤りです。
したがって誤っている記述は[4]です。