宅建試験過去問題 平成23年試験 問20(改題)

問20

宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいうものとする。
  1. 都道府県知事は、造成宅地防災区域について、擁壁等の設置又は改造その他宅地造成又は特定盛土等に伴う災害の防止のため必要な措置を講ずることにより当該区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、その指定を解除するものとする。
  2. 都道府県知事は、偽りによって宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた者に対して、その許可を取り消すことができる。
  3. 宅地造成等工事規制区域内で過去に宅地造成等に関する工事が行われ、現在は工事主とは異なる者がその工事が行われた土地を所有している場合において、当該土地の所有者は宅地造成等に伴う災害が生じないようその土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければならない。
  4. 宅地造成等工事規制区域外において行われる宅地造成に関する工事については、工事主は、工事に着手する前に都道府県知事に届け出ればよい。

正解 4

問題難易度
肢16.8%
肢25.4%
肢37.1%
肢480.7%

解説

  1. 正しい。造成宅地防災区域について、擁壁の設置等により指定の事由(災害発生のおそれ)がなくなった場合、都道府県知事は、その造成宅地防災区域の指定を解除するものとされています(盛土規制法45条2項)。
    都道府県知事は、擁壁等の設置又は改造その他前項の災害の防止のため必要な措置を講ずることにより、造成宅地防災区域の全部又は一部について同項の指定の事由がなくなつたと認めるときは、当該造成宅地防災区域の全部又は一部について同項の指定を解除するものとする。
    都道府県知事は、造成宅地防災区域について、当該区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、その指定を解除することができる。H19-23-2
  2. 正しい。都道府県知事は、①偽りその他不正の手段によって宅地造成等に関する工事の許可(変更の許可を含む)を受けた者、②許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができます(盛土規制法20条1項)。
    都道府県知事は、偽りその他不正な手段により第十二条第一項若しくは第十六条第一項の許可を受けた者又はその許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができる。
    都道府県知事は、偽りその他不正な手段によって宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた者に対して、その許可を取り消すことができる。R3⑫-19-4
  3. 正しい。宅地造成等工事規制区域内の土地の所有者等は、宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持する努力義務があります(盛土規制法22条1項)。工事主と現在の所有者が異なっていても、現に土地を所有している者は土地の保全に努めなければなりません。
    宅地造成等工事規制区域内の土地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成等(宅地造成等工事規制区域の指定前に行われたものを含む。次項及び次条第一項において同じ。)に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。
    宅地造成等工事規制区域内で過去に宅地造成等に関する工事が行われ、現在は工事主とは異なる者がその工事が行われた土地を所有している場合において、当該土地の所有者は宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければならない。R4-19-3
    宅地造成等工事規制区域内において、過去に宅地造成等に関する工事が行われ現在は工事主とは異なる者がその工事が行われた土地を所有している場合、当該土地の所有者は、宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。H30-20-1
    宅地造成等工事規制区域内の土地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。H22-20-4
    宅地造成等工事規制区域内で過去に宅地造成等に関する工事が行われ、現在は工事主とは異なる者がその工事が行われた土地を所有している場合、当該土地の所有者は災害が生じないようその土地を常時安全な状態に維持するよう努める必要はない。H15-24-1
  4. [誤り]。盛土規制法で規制される宅地造成は、宅地造成等工事規制区域内で行うものに限られます。このため、宅地造成等工事規制区域において行われる宅地造成工事については、許可も届出も不要です(盛土規制法12条1項)。
    宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事については、工事主は、当該工事に着手する前に、主務省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、宅地造成等に伴う災害の発生のおそれがないと認められるものとして政令で定める工事については、この限りでない。
    宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地を宅地に転用する者は、宅地造成等に関する工事を行わない場合でも、都道府県知事の許可を受けなければならない。R2⑩-19-3
    宅地造成等工事規制区域外において行われる宅地造成に関する工事については、工事主は、工事に着手する日の14日前までに都道府県知事に届け出なければならない。R1-19-1
    宅地造成及び特定盛土等規制法によれば、宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の請負人は、工事に着手する前に、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。H13-24-1
したがって誤っている記述は[4]です。