宅建六法(仮称) - 宅地建物取引業法

1
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2
宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
3
国土交通大臣は、第1項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。
4
宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第1項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
施行令
施行規則
解釈運用
第46条第1項関係
1告示の運用について(昭和45年建設省告示第1552号関係)
  1. 告示第二(宅地建物取引業者が売買又は交換の媒介に関して受けることのできる報酬の額)関係
    1. この規定は、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の媒介に関して受けることのできる報酬について依頼者のそれぞれ一方から受けることのできる限度額を定めているものであり、依頼者の双方から報酬を受ける場合及び依頼者の一方のみから報酬を受ける場合のいずれにあっても依頼者のそれぞれ一方から受ける報酬の額が当該限度額以下でなければならない。
    2. 「交換に係る宅地若しくは建物の価額」とは、交換に係る宅地又は建物の適正かつ客観的な市場価格を指すものであり、その算定に当たっては、必要に応じ不動産鑑定業者の鑑定評価を求めることとする。
    3. 「交換に係る宅地又は建物の価額に差があるとき」とは、交換差金が支払われる場合等交換に係る両方の物件の価額が異なることを指し、「これらの価額のうちいずれか多い価額」とは交換に係る両方の物件の価額のうち、いずれか多い方を指す。
  2. 告示第三(宅地建物取引業者が売買又は交換の代理に関して受けることのできる報酬の額)関係
    1. 「第二の計算の方法により算出した額の2倍」とは、売買に係る代金の額又は交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のいずれか多い価額)を次表の左欄に掲げる金額に区分して、それぞれの金額に同表の右欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額を指す。2000円以下の金額 100分の112000円を超え4000円以下の金額 100分の8.84000円を超える金額 100分の6.6
    2. 「当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合」とは、代理行為とあわせて媒介的行為が行われる場合に代理の依頼者のほか売買又は交換の相手方からも報酬を受ける場合を指すものであり、その場合においては、代理の依頼者から受ける報酬の額と売買又は交換の相手方から受ける報酬の額の合計額が①の「第二の計算方法により算出した金額の2倍」を超えてはならない。
  3. 告示第四(宅地建物取引業者が貸借の媒介に関して受けることのできる報酬の額)関係
    1. 前段の規定は宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して受けることのできる報酬について、その合計額の限度額のみを定めたものであり、貸借の媒介に関しては、売買又は交換の媒介と異なり、依頼者のそれぞれ一方から受ける報酬の額、割合等については特段の規制はない。(したがって報酬の合計額がこの限度額内であれば依頼者の双方からどのような割合で報酬を受けてもよく、また、依頼者の一方のみから報酬を受けることもできる。)
    2. 「宅地又は建物の通常の借賃」とは、当該宅地又は建物が賃貸借される場合に通常定められる適正かつ客観的な賃料を指すものであり、その算定に当たっては、必要に応じて不動産鑑定業者の鑑定評価を求めることとする。
    3. 後段の規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して宅地建物取引業者が受けることのできる報酬について、前段に規定する報酬額の合計額の範囲内において依頼者の一方から受けることのできる限度額を定めているものであり、依頼者の承諾を得ている場合を除き、依頼者の双方から報酬を受ける場合のいずれかにあっても依頼者の一方から受ける報酬の額が当該限度額以下でなければならない。
    4. 「居住の用に供する建物」とは、専ら居住の用に供する建物を指すものであり、居住の用に供する建物で事務所、店舗その他居住以外の用途を兼ねるものは含まれない。
    5. 「当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合」とは、当該媒介の依頼を受けるに当たって、依頼者から借賃の1月分の0.55倍に相当する金額以上の報酬を受けることについての承諾を得ている場合を指すものであり、その場合においては、依頼者から受ける報酬の合計額が借賃の1月分の1.1倍に相当する金額を超えない限り、当該承諾に係る依頼者から受ける報酬の額、割合等については特段の規制はない。なお、この依頼者の承諾は、宅地建物取引業者が媒介の依頼を受けるに当たって得ておくことが必要であり、依頼後に承諾を得ても後段に規定する承諾とはいえず、後段の規制を受けるものである。
  4. 告示第五(宅地建物取引業者が貸借の代理に関して受けることのできる報酬の額)関係「当該貸借の相手方から報酬を受ける場合」とは、代理行為とあわせて媒介的行為が行われる場合に代理の依頼者のほか貸借の相手方からも報酬を受ける場合を指すものであり、その場合においては、代理の依頼者から受ける報酬の額と、貸借の相手方から受ける報酬の額の合計額が、借賃の1月分の1.1倍に相当する金額を超えてはならない。
  5. 告示第六(権利金の授受がある場合の特例)関係
    1. この規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額については適用されない。
    2. 「権利金」とは、名義の如何を問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって、返還されないものをいい、いわゆる権利金、礼金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還されない金銭はこれに該当するが、いわゆる敷金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還される金銭はこれに該当しない。
  6. 告示第七(低廉な空家等の売買又は交換の媒介における特例)関係
    1. この規定は、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の媒介に関して受けることのできる報酬額の特例として、低廉な空家等の売買又は交換の媒介については、告示第二の規定にかかわらず、当該媒介に要する費用を勘案して、告示第二の計算方法により算出した金額を超えて報酬を受けることができることを定めているものである。
    2. 「低廉な空家等」とは、売買に係る代金の額又は交換に係る宅地又は建物の価額が8000円以下の金額の宅地又は建物をいい、当該宅地又は建物の使用の状態を問わない。
    3. 「当該媒介に要する費用」とは、人件費等を含むものであり、「費用を勘案して」とは、報酬額の算出に当たって、取引の態様や難易度等に応じて当該媒介業務に要すると見込まれる費用の水準や多寡を考慮することを求めるものであって、当該費用に相当する金額を上回る報酬を受けることを禁ずる趣旨のものではない。
    4. 宅地建物取引業者は、この規定に基づき告示第二の計算方法により算出した金額を超えて報酬を受ける場合には、媒介契約の締結に際しあらかじめ、この規定に定める上限の範囲内で、報酬額について依頼者に対して説明し、合意する必要があることに、特に留意すること。
  7. 告示第八(低廉な空家等の売買又は交換の代理における特例)関係
    1. この規定は、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の代理に関して受けることのできる報酬額の特例として、低廉な空家等の売買又は交換の代理については、告示第三の規定にかかわらず、告示第七の規定により算出した金額の2倍以内で報酬を受けることができることを定めているものである。
    2. 宅地建物取引業者は、この規定に基づき報酬を受ける場合には、代理契約の締結に際しあらかじめ、この規定に定める上限の範囲内で、報酬額について依頼者に対して説明し、合意する必要があることに、特に留意すること。
  8. 告示第九(長期の空家等の貸借の媒介における特例)関係
    1. この規定は、宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して受けることのできる報酬額の特例として、長期の空家等の貸借の媒介については、告示第四の規定にかかわらず、当該媒介に要する費用を勘案して、告示第四の規定により算出した金額を超えて、依頼者の双方から受ける報酬の額の合計額が借賃の1月分の2.2倍に相当する金額を超えない範囲内で報酬を受けることができることを定めているものである。また、この規定は、長期の空家等の借主である依頼者から受ける報酬の額が、告示第四の規定による通常の上限の範囲内(借賃の1月分の1.1倍(居住用にあっては、媒介の依頼を受けるに当たって当該借主である依頼者の承諾を得ている場合を除き、0.55倍)に相当する金額以内)である場合に限り、適用されるものであることから、この規定に基づき宅地建物取引業者が通常の上限を超えて依頼者から受けることのできる報酬は、長期の空家等の貸主である依頼者から受けるものに限られる。
    2. 「長期の空家等」とは、宅地建物取引業者が貸主である依頼者から媒介の依頼を受ける時点において「現に長期間にわたって居住の用、事業の用その他の用途に供されていないこと」又は「将来にわたり居住の用、事業の用その他の用途に供される見込みがないこと」のいずれかに該当する宅地又は建物をいい、例えば、前者については、少なくとも1年を超えるような期間にわたり居住者が不在となっている戸建の空き家や分譲マンションの空き室、後者については、相続等により利用されなくなった直後の戸建の空き家や分譲マンションの空き室であって今後も所有者等による利用が見込まれないものなどが考えられる。なお、入居者の募集を行っている賃貸集合住宅の空き室については、事業の用に供されているものと解されることから、長期の空家等には該当しない。
    3. 宅地建物取引業者は、この規定に基づき告示第四の規定により算出した金額を超えて報酬を受ける場合には、媒介契約の締結に際しあらかじめ、この規定に定める上限の範囲内で、報酬額について依頼者に対して説明し、合意する必要があることに、特に留意すること。
  9. 告示第10(長期の空家等の貸借の代理における特例)関係
    1. この規定は、宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の代理に関して受けることのできる報酬額の特例として、長期の空家等の貸借の代理については、告示第五の規定にかかわらず、次のとおり報酬を受けることができることを定めているものである。・長期の空家等の貸主である依頼者から、借賃の1月分の2.2倍に相当する金額を超えない範囲内で報酬を受けることができること(当該貸借の相手方である借主から報酬を受ける場合を除く。)。なお、長期の空家等の借主である依頼者から受ける報酬については、告示第五の規定により、借賃の1月分の1.1倍に相当する金額を超えてはならない。・当該代理に係る貸借の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が借賃の1月分の2.2倍に相当する金額を超えない範囲内で報酬を受けることができること。この規定は、長期の空家等の借主である依頼者から受ける報酬については、その額が告示第五の規定による通常の上限の範囲内(借賃の1月分の1.1倍に相当する金額以内)である場合に限り、適用されるものである。なお、当該代理に係る貸借の相手方である借主から媒介に関して報酬を受ける場合、その額は借賃の1月分の1.1倍(居住用にあっては、媒介の依頼を受けるに当たって当該借主の承諾を得ている場合を除き、0.55倍)に相当する金額以内である必要がある。
    2. 宅地建物取引業者は、この規定に基づき報酬を受ける場合には、代理契約の締結に際しあらかじめ、この規定に定める上限の範囲内で、報酬額について依頼者に対して説明し、合意する必要があることに、特に留意すること。
  10. 告示第11(告示第二から第10までの規定によらない報酬の受領の禁止)関係
    1. 宅地建物取引業者は、告示第二から第10までの規定によるほかは依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額を除き報酬を受けることはできない。したがって、告示第二から第10までの規定による報酬及び依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額以外にいわゆる案内料、申込料や依頼者の依頼によらずに行う広告の料金に相当する額の報酬を受領することはできない。
    2. この規定には、宅地建物取引業者が依頼者の特別の依頼により行う遠隔地における現地調査や空家の特別な調査等に要する実費の費用に相当する額の金銭を依頼者から提供された場合にこれを受領すること等依頼者の特別の依頼により支出を要する特別の費用に相当する額の金銭で、その負担について事前に依頼者の承諾があるものを別途受領することまでも禁止する趣旨は含まれていない。
2複数の宅地建物取引業者が介在する媒介について
  1. 複数の宅地建物取引業者が1個の宅地又は建物の売買又は交換(以下「1個の売買等」という。)の媒介をしたときは、その複数の宅地建物取引業者が依頼者の一方から受領する報酬額の総額が告示第二の計算方法により算出した金額以内(告示第七の規定に基づき報酬を受ける場合にあっては、依頼者の一方から受領する報酬額の総額が告示第七の規定により算出した金額以内)でなければならない。
  2. 複数の宅地建物取引業者が1個の売買等の代理又は代理及び媒介をしたときは、その複数の宅地建物取引業者が受領する報酬額の総額が告示第二の計算方法により算出した金額の2倍以内(告示第八の規定に基づき報酬を受ける場合にあっては、告示第八の規定により算出した金額以内)でなければならない。
3双方に代理人が立つ場合の報酬について
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、法第46条第1項の規定に基づき国土交通大臣が定めているが、これは取引物件1件についての報酬の額であるので、売買等の当事者の双方が別々の宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼した場合には、双方の代理人の受ける報酬の額の合計が、国土交通大臣の定める額を限度とするものでなければならない。
4定期建物賃貸借の再契約に関して受けることのできる報酬の額について
定期建物賃貸借の再契約に関して宅地建物取引業者が受けることのできる報酬についても、新規の契約と同様に昭和45年建設省告示の規定が適用されることとなる。
5消費税の免税事業者の仕入れに係る消費税の円滑かつ適正な転嫁について
免税事業者については、報酬告示第二から第10までの規定に準じて算出した額(課税事業者が受けることのできる報酬の額であって、宅地又は建物の売買等の媒介又は代理に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額(以下「消費税等相当額」という。)を含むものをいう。)に110分の100を乗じて得た額(以下「税抜金額」という。)に、仕入れに係る消費税等相当額をコスト上昇要因として価格に転嫁することができる。この場合、仕入れに係る消費税等相当額は、税抜金額の0.04倍を限度とする。なお、当該転嫁される金額は報酬額の一部となるものであって、この金額を消費税及び地方消費税として別途受け取るものではない。
6媒介業務以外の不動産取引に関連する業務に係る報酬について
宅地建物取引業者が、「第34条の2関係11」に従って、空き家・空き室等の所有者等のニーズに対応して行う業務又はいわゆる不動産コンサルティング業務など、媒介以外の関連業務を行う場合には、媒介業務に係る報酬とは別に当該媒介以外の関連業務に係る報酬を受けることができるが、この場合にも、あらかじめ業務内容に応じた料金設定をするなど、報酬額の明確化を図ること。
第46条第4項関係
デジタルサイネージを活用した報酬の額の掲示について
書面ではなく、デジタルサイネージ等ICT機器を活用した掲示についても、以下の要件を満たす場合には、書面による掲示と同等の役割を果たしていると考えられ、法第46条第4項の規定による報酬の額の掲示義務を果たすものと考えて差し支えない。
  1. 宅地建物取引業者の営業時間内その他の公衆が必要なときに報酬の額を確認できるものであること。
  2. 当該デジタルサイネージ等において報酬の額を確認することができる旨の表示が常時わかりやすい形でなされていること(画面の内外は問わない。)
第45条へ第47条へ