宅地建物取引士(全36問中26問目)

No.26

宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成17年試験 問32
  1. 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が、他人に自己の名義の使用を許し、その他人がその名義を使用して宅地建物取引士である旨の表示をしたとき、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。
  2. 宅地建物取引業者は、10戸以上の一団の建物の分譲について案内所を設置して行う場合、その案内所において業務に従事する者の数に対する宅地建物取引士の数の割合が1/5以上の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
  3. 宅地建物取引業者の従業者である宅地建物取引士は、本人の同意がある場合を除き、正当な理由がある場合でも、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
  4. 宅地建物取引士Aは、甲県知事から事務の禁止の処分を受け、宅地建物取引士証を甲県知事に提出したが、禁止処分の期間が満了した場合は、返還の請求がなくても、甲県知事は、直ちに宅地建物取引士証をAに返還してなければならない。

正解 1

問題難易度
肢166.4%
肢27.2%
肢315.2%
肢411.2%

解説

  1. [正しい]。名義貸しは禁止されており、都道府県知事は名義貸しをした宅地建物取引士に指示処分をすることが可能です(宅建業法68条1項2号)。
    都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。

    二 他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して宅地建物取引士である旨の表示をしたとき。
  2. 誤り。案内所については1人以上の宅地建物取引士を設置すれば足ります。5人につき1人以上の宅地建物取引士を設置しなければならないのは事務所です(宅建業法規則15条の5の3)。
    法第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める数は、事務所にあつては当該事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対する同項に規定する宅地建物取引士(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の数の割合が五分の一以上となる数、前条に規定する場所にあつては一以上とする。
  3. 誤り。宅建業者及びその使用人は業務上知り得た秘密について守秘義務が課されます。ただし、本人の同意がある場合、法令の定めにより提供する場合等、正当事由がある場合はその秘密を提供することが可能です(宅建業法75条の3)。
    本肢は、正当事由がある場合であっても本人の同意がなければできないとしているため誤りです。
    宅地建物取引業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業者の使用人その他の従業者でなくなつた後であつても、また同様とする。
  4. 誤り。事務禁止処分を受けた宅地建物取引士は、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければなりません。禁止処分の満了後は、宅地建物取引士からの返還請求を経て、都道府県知事は宅地建物取引士証の返還を行います(宅建業法22条の2第8項)。
    本肢は「返還の請求がなくても…返還してなければならない」としているので誤りです。
    前項の規定により宅地建物取引士証の提出を受けた都道府県知事は、同項の禁止の期間が満了した場合においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに、当該宅地建物取引士証を返還しなければならない。
したがって正しい記述は[1]です。