盛土規制法(全24問中21問目)

No.21

宅地造成及び特定盛土等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。
平成18年試験 問23
  1. 宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、擁壁に関する工事を行おうとする者は、法第12条第1項の工事の許可を受けなければならない場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
  2. 宅地造成等工事規制区域内において行われる法第12条第1項の工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事の検査を申請しなければならない。
  3. 都道府県知事は、法第12条第1項の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない。
  4. 都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、土地の所有者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。

正解 1

問題難易度
肢174.7%
肢26.9%
肢310.1%
肢48.3%

解説

  1. [誤り]。擁壁の高さが高さ2m以下、または除却の工事以外であれば届出は不要です。
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、次の3つの施設の除却工事を行おうとする者は、その工事が許可済である場合を除き、工事に着手する日の14日前までに都道府県知事に届け出なければなりません(盛土規制法21条3項盛土規制法令26条1項)。
    • 高さ2mを超える擁壁・崖面崩壊防止施設
    • 地表水等を排除するための排水施設
    • 地滑り抑止ぐい等
    宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。以下この章において同じ。)において、擁壁等に関する工事その他の工事で政令で定めるものを行おうとする者(第十二条第一項若しくは第十六条第一項の許可を受け、又は同条第二項の規定による届出をした者を除く。)は、その工事に着手する日の十四日前までに、主務省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
    法第二十一条第三項の政令で定める工事は、擁壁若しくは崖面崩壊防止施設で高さが二メートルを超えるもの、地表水等を排除するための排水施設又は地滑り抑止ぐい等の全部又は一部の除却の工事とする。
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、雨水その他の地表水又は地下水を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となる。R4-19-1
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となるが、当該技術基準を満たす必要のない地表水等を排除するための排水施設を除却する工事を行おうとする場合は、都道府県知事に届け出る必要はない。H29-20-4
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、高さが2mを超える擁壁を除却する工事を行おうとする者は、一定の場合を除き、その工事に着手する日の14日前までにその旨を都道府県知事に届け出なければならない。H28-20-3
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、地表水等を排除するための排水施設の除却の工事を行おうとする者は、宅地造成等に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。H22-20-3
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、高さが3mの擁壁の除却工事を行う場合には、盛土規制法に基づく都道府県知事の許可が必要な場合を除き、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならず、届出の期限は工事に着手する日の前日までとされている。H20-22-2
  2. 正しい。許可を受けた宅地造成又は特定盛土等の工事が完了した場合、工事主は、その工事が技術的基準に適合していることについて、工事完了日から4日以内に都道府県知事に完了検査を申請しなければなりません(盛土規制法17条1項)。適合が認められると検査済証が交付されます。なお、土石の堆積工事が完了した場合は、検査ではなく「確認」を申請することになります。
    宅地造成又は特定盛土等に関する工事について第十二条第一項の許可を受けた者は、当該許可に係る工事を完了したときは、主務省令で定める期間内に、主務省令で定めるところにより、その工事が第十三条第一項の規定に適合しているかどうかについて、都道府県知事の検査を申請しなければならない。
    盛土規制法第12条第1項本文の許可を受けた宅地造成又は特定盛土等に関する工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長)の検査を申請しなければならない。R2⑫-19-4
    宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成又は特定盛土等に関する工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事の検査を申請しなければならない。H24-20-1
    工事主は、盛土規制法第12条第1項の許可を受けた宅地造成等に関する工事を完了した場合、都道府県知事の検査を申請しなければならないが、その前に建築物の建築を行おうとする場合、あらかじめ都道府県知事の同意を得なければならない。H17-24-3
  3. 正しい。宅地造成等に関する工事の許可の申請があった場合、都道府県知事は、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければなりません(盛土規制法14条)。
    都道府県知事は、第十二条第一項の許可の申請があつたときは、遅滞なく、許可又は不許可の処分をしなければならない。
    2 都道府県知事は、前項の申請をした者に、同項の許可の処分をしたときは許可証を交付し、同項の不許可の処分をしたときは文書をもつてその旨を通知しなければならない。
    都道府県知事は、法第12条第1項本文の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない。R3⑩-19-2
  4. 正しい。都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要がある場合は、その土地の所有者・管理者・占有者・工事主又は工事施行者に対し、擁壁の設置や改造を勧告することができます(盛土規制法22条2項)。
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    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対し、擁壁等の設置又は改造その他宅地造成等に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる。
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。R6-19-2
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。R5-19-3
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。H27-19-1
    都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。H25-19-4
したがって誤っている記述は[1]です。