借地借家法(建物)(全26問中24問目)
No.24
建物賃貸借契約(以下この問において「契約」という。)の終了に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。平成14年試験 問14
- 期間の定めのある建物賃貸借において、賃貸人が、期間満了の1年前から6月前までの間に、更新しない旨の通知を出すのを失念したときは、賃貸人に借地借家法第28条に定める正当事由がある場合でも、契約は期間満了により終了しない。
- 期間の定めのある建物賃貸借において、賃貸人が、期間満了の10月前に更新しない旨の通知を出したときで、その通知に借地借家法第28条に定める正当事由がある場合は、期間満了後、賃借人が使用を継続していることについて、賃貸人が異議を述べなくても、契約は期間満了により終了する。
- 期間の定めのある契約が法定更新された場合、その後の契約は従前と同一条件となり、従前と同一の期間の定めのある賃貸借契約となる。
- 期間の定めのない契約において、賃貸人が、解約の申入れをしたときで、その通知に借地借家法第28条に定める正当事由がある場合は、解約の申入れの日から3月を経過した日に、契約は終了する。
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正解 1
問題難易度
肢166.9%
肢29.7%
肢311.7%
肢411.7%
肢29.7%
肢311.7%
肢411.7%
分野
科目:A - 権利関係細目:15 - 借地借家法(建物)
解説
- [正しい]。期間の定めがある建物賃貸借で、賃貸人から賃借人に対して行うべき期間満了の1年前から6カ月までの通知をしなかった場合には、その契約は従前の契約と同一条件、かつ、期間の定めのない契約で更新したとみなされます(借地借家法26条1項)。更新拒絶に関して正当事由があったとしても同様です。この場合、賃貸人からの解約申入れから6カ月後に契約終了となります。
建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。
- 誤り。賃貸人から賃借人に対して期間満了の1年前から6カ月までの間に通知を行い、更新拒絶に関して正当事由がある場合でも、賃借人が期間満了後に建物を継続して使用している場合は、それに対して遅滞なく異議を述べなければ、従前の契約と同一条件、かつ、期間の定めのない契約で更新したとみなされます(借地借家法26条2項)。
よって、期間満了後、賃借人が使用を継続していることに対して賃貸人が異議を述べなければ、契約は期間満了により終了しません。前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。
- 誤り。期間の定めのある建物賃貸借が法定更新された場合は、その後の契約は従前と同一条件ですが、期間の定めがない契約となります(借地借家法26条1項)。
建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。
- 誤り。期間の定めがない建物賃貸借では、賃貸人・賃借人のどちらから解約申入れがあったかによって契約終了までの期間が異なります。
- 賃貸人からの解約申入れ
- 申入れから6カ月後(借地借家法27条1項の強行規定)
- 賃借人からの解約申入れ
- 申入れから3か月後(民法617条2号の規定通り)
建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
…
二 建物の賃貸借 三箇月
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