宅建試験過去問題 平成26年試験 問12
問12
借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。- 定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面によらなければならない。
- 定期建物賃貸借契約を締結するときは、期間を1年未満としても、期間の定めがない建物の賃貸借契約とはみなされない。
- 定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを、当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。
- 定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合、賃貸人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかったときは、契約の更新がない旨の定めは無効となる。
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正解 3
問題難易度
肢111.6%
肢214.7%
肢360.6%
肢413.1%
肢214.7%
肢360.6%
肢413.1%
分野
科目:A - 権利関係細目:15 - 借地借家法(建物)
解説
- 正しい。定期建物賃貸借は、公正証書による等書面によって契約しなければなりません。「公正証書による等書面」というのは借地借家法上の表現で、公正証書などの書面という意味です。公正証書に限らず書面ならばOKなので注意しましょう(借地借家法38条1項)。
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
- 正しい。定期建物賃貸借では存続期間の上限も下限もありません。よって、1年未満の存続期間であっても有効に定めることができます。例えば、マンスリーマンションやウイークリーマンションは定期建物賃貸借契約を使って1カ月や1週間などの契約期間を定めています。
- [誤り]。定期建物賃貸借契約を締結するには、あらかじめ契約の更新がなく期間満了により終了する旨の説明を、貸主から借主に行う必要があります(借地借家法38条3項)。この事前説明は契約書面内に記載して説明すれば足りるわけではありません。判例では、あらかじめ契約書とは別個独立の書面を交付し、説明することが必要としています(最判平24.9.13)。
前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
借地借家法38条3項所定の書面は,賃借人が,その契約に係る賃貸借は契約の更新がなく,期間の満了により終了すると認識しているか否かにかかわらず,契約書とは別個独立の書面であることを要する。
- 正しい。定期建物賃貸借契約を締結しようとするとき、賃貸人が、当該賃貸借契約は更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかったときは、契約の更新がない旨の定めは無効となります(借地借家法38条5項)。この場合、当該契約は期間の定めがある普通建物賃貸借契約となり、法定更新がある状態となります。
建物の賃貸人が第三項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
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