借地借家法(建物)(全28問中25問目)
No.25
令和6年10月に新規に締結しようとしている、契約期間が2年で、更新がないこととする旨を定める建物賃貸借契約(以下この問において「定期借家契約」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。平成15年試験 問14
- 事業用ではなく居住の用に供する建物の賃貸借においては、定期借家契約とすることはできない。
- 定期借家契約は、公正証書によってしなければ、効力を生じない。
- 定期借家契約を締結しようとするときは、賃貸人は、あらかじめ賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して又は電磁的方法により提供して説明しなければならない。
- 定期借家契約を適法に締結した場合、賃貸人は、期間満了日1カ月前までに期間満了により契約が終了する旨通知すれば、その終了を賃借人に対抗できる。
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正解 3
問題難易度
肢15.1%
肢27.4%
肢382.9%
肢44.6%
肢27.4%
肢382.9%
肢44.6%
分野
科目:1 - 権利関係細目:15 - 借地借家法(建物)
解説
- 誤り。定期借家契約を締結できる建物の用途には制限がありません。居住用・事業用のいずれも定期借家契約とすることができます。
- 誤り。定期借家契約は書面(又は電磁的記録)でする必要があります。書面であれば公正証書でなくても問題ありません(借地借家法38条1項)。条文では「公正証書による等書面」として公正証書を推奨していますが、公正証書に限られないので注意しましょう。
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
契約①の場合、公正証書によって契約をするときに限り契約の更新がないことを有効に定めることができ、契約②の場合、書面で契約し、かつ、Aに正当な理由がない限り、Aは契約の更新を拒絶することができなくなる。(R6-12-4)定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面又は電磁的記録によらなければならない。(H26-12-1)賃貸人は、建物を一定の期間自己の生活の本拠として使用することが困難であり、かつ、その期間経過後はその本拠として使用することになることが明らかな場合に限って、定期建物賃貸借契約を締結することができる。(H20-14-1)定期建物賃貸借契約は書面又は電磁的記録によって契約を締結しなければ有効とはならないが、一時使用賃貸借契約は口頭で契約しても有効となる。(H19-14-1) - [正しい]。定期借家契約では契約に先立ち、賃貸人から賃借人に対して、契約の更新がなく、期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して(又は電磁的方法により提供して)説明する必要があります(借地借家法38条3項)。なお、この書面は契約書とは別個の書面でなければなりません(最判平24.9.13)。
前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
借地借家法38条3項所定の書面は,賃借人が,その契約に係る賃貸借は契約の更新がなく,期間の満了により終了すると認識しているか否かにかかわらず,契約書とは別個独立の書面であることを要する。
BはAに対して、本件契約締結前に、契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した賃貸借契約書を交付して説明すれば、本件契約を借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約として締結することができる。(R4-12-1)定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを、当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。(H26-12-3)公正証書によって定期建物賃貸借契約を締結するときは、賃貸人は、賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借は終了することについて、あらかじめ、その旨を記載した書面を交付して説明する必要はない。(H20-14-2) - 誤り。本肢は「期間満了日1カ月前」としている点が誤りです。期間1年以上の定期借家契約では、期間の満了の1年前から6か月前までの間に、賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができません(借地借家法38条6項)。
第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約で、期間を5年、契約の更新がない旨を定めた場合、Aは、期間満了の1年前から6月前までの間に、Bに対し賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。(R3⑩-12-4)AB間の賃貸借契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合には、5年経過をもって当然に、AはBに対して、期間満了による終了を対抗することができる。(H30-12-1)本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合でも、BはAに対し、同条所定の通知期間内に、期間満了により本件契約が終了する旨の通知をしなければ、期間3年での終了をAに対抗することができない。(H28-12-4)AB間で公正証書等の書面によって借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約を契約期間を2年として締結する場合、契約の更新がなく期間満了により終了することを書面を交付してあらかじめBに説明すれば、期間満了前にAがBに改めて通知しなくても契約が終了する旨の特約を有効に定めることができる。(H23-12-2)期間が1年以上の定期建物賃貸借契約においては、賃貸人は、期間の満了の1年前から6か月前までの間に賃借人に対し期間満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、当該期間満了による終了を賃借人に対抗することができない。(H20-14-3)
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