抵当権設定者の承諾について
サニさん
(No.1)
債務者Aが所有する甲土地には、債権者Bが一番抵当権(債権額1,000万円)、債権者Cが二番抵当権(債権額1,200万円)、債権者Dが三番抵当権(債権額2,000万円)をそれぞれ有しているが、BがDの利益のため、Aの承諾を得て抵当権の順位を放棄した。甲土地の競売に基づく売却代金が2,400万円であった場合、Bの受ける配当額として、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
答え自体はわかったのですが、問題文にあるAの承諾がどうして必要なのかがわからないです。
順位の変更をする時、利害関係人≠抵当権設定者で覚えているのですが、この覚え方に間違いがあるのか、教えて頂きたいです。
2026.07.31 21:13
ヤスさん
(No.2)
抵当権の処分の利害関係人に抵当権設定者(債務者)は含まれないのは、サニさんのお考えの通りです。いわば抵当権の処分は「分け前をどうするか」の話のため、抵当権設定者(債務者)は「お金を返す」が筋のため、その「分け前をどうするか」の話の蚊帳の外なのは当然でしょう。
いわば抵当権の処分は抵当権設定者(債務者)の預り知らぬところで、抵当権者が勝手に行えます。
しかし、抵当権は被担保債権とともに存在します。
抵当権設定者(債務者)が「抵当権の処分」が行われた事を知らずに、債務を弁済してしまったらどうですか?
今回だとBが一番抵当、Dが三番抵当ですが、この順位をBが放棄(抵当権の処分)したんですよね?
債務者であるAがこの事実を知らずにBの被担保債権1000万をBに弁済しちゃったらどうですか?
Dとしたら「え!Bが順位放棄しているから私が(実質)一番抵当だよ。だからまず私に弁済じゃない?」と思いますよね。
しかし、「そんなん知らんがな。あんたらの間で勝手に抵当権の順位を入れ替えたんかもしれないけど、私はそんなん知らずに、まずは一番抵当のBに金を返すのが筋だと思ってBに弁済したんだよ。被担保債権がなくなったんだから、Bの抵当権は消滅してるだろう。だからあんたらが勝手にやった順位の放棄も効力は失われているはずだ」とAは主張するでしょう。
抵当権の処分は被担保債権とは無関係に行えますが、債務者としては誰に金を返せば良いか分からなくなってしまいます。そのため、抵当権の処分を債務者に対抗するためには、債務者に通知するか債務者の承諾が必要なんです(民法377条1項)
ちょうど過去問だと令和3年10月問6の肢4をみてもらうと良いかもしれません。
令和3年の問題は債権譲渡の話ですが、債権譲渡したときに対抗要件として①譲渡人から債務者への通知か②債務者の承諾が必要ですよね?(民法467条)
この規定は、債務者が誰に弁済すれば良いかわからなくなる(二重払いの危険)を防ぐためにあります。
その「抵当権の処分」バージョンだと思っていただくと良いと思います。抵当権の処分を債務者等に対抗するために、債務者の承諾または通知が必要とされると言う事です。
最後に
宅建試験の「抵当権の処分」でここまでの知識が求められるとは思えませんが、理屈としては「抵当権の処分」を債務者等に対抗するために『債務者への通知または承諾』を377条1項で規定しています。
だいたい、抵当権の処分の問題だとこの令和5年問10のように計算させる問題が主流ですよね。
今後まったく出ないとは限りませんので、一応知識として知っておくと良いと思い、解説させていただきました。
2026.08.01 00:23
サニさん
(No.3)
勉強不足でした!!
抵当権の譲渡などの処分は抵当権設定者の承諾が不要であるが、それを対抗するには通知が必要ということですね!!
ヤスさんありがとうございました!!
2026.08.02 14:22
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