令和元年問2 取り消し後の第三者
マキマキさん
(No.1)
取り消しが行われた後に登場した第三者と取消権者は対抗関係に立ち、先に登記を供えたほうが所有権を主張できる、とあります。
取り消しした時点で契約がなかったことになり、Bは所有権のない者で、Cは所有権を有しない者から買い受けても所有権を取得しないので、Aは無権利者に対して、登記がなくても所有権を主張できるのではないでしょうか?
~後の第三者との関係の問題が、いつも理解できなくて間違えてしまいます。
2026.07.03 22:17
サナダモリさん
(No.2)
その間にAは登記を戻す余地があるんだから、(取り消して間を空けず登記を戻すみたいな)それを怠った取消権者よりも善意の第三者が優先して保護される、っていう考え方で理解しています。
ただ契約を取り消すと原状回復義務が生じますから、AはBに対して原状回復義務に基づく損害賠償請求ができます。
間違ってたら申し訳ありませんが、自分の理解を整理する目的もあって書き込ませて頂きました。
2026.07.03 22:53
ヤスさん
(No.3)
では、それに対するCからの反論を考えて見てください。
Cはこう主張するでしょう。
『そんなの知らないよ。私がBから買ったとき、確かにBに登記があったから、Bが真の権利者だと思って買ったんだよ。と言うか、取り消したんだったら、さっさと登記を戻しとけば良いじゃないか。それだったら私もAが所有者だってわかったわ。それをやっていないのに、何様のつもりで権利者を主張してんの?』
ちょっと調子にのって誇張した表現になってしまいましたが、このまま水掛け論が続いてしまいますよね。
じゃあどうやって決着つけるか?
登記しかないですよね。
このAとCとの関係を『対抗関係』と言うんです。
2026.07.03 23:17
マキマキさん
(No.4)
C側にたって考えてみることをしていませんでした。
所有権移転登記は、単独ではできませんよね?!
詐欺したうえに、Cと一緒に所有権移転登記に行くなんて、Bは許せないし、Aが気の毒です。
ありがとうございました。
2026.07.03 23:42
ヤスさん
(No.5)
大変恐縮ですが、一点だけ指摘させて下さい。
サナダモリさんは、『取消権者よりも善意の第三者が保護される』と書いてらっしゃいますが、取消後の第三者には、善意や無過失は要求されません。
悪意でも良いです。
ただし、背信的悪意(この場合だとAに嫌がらせをしてやろうとCが考えてBから買ったとかですね)の場合は、第三者から除外されますので、AはCに対して登記無しで対抗できます。
2026.07.04 00:04
砂漠さん
(No.6)
取消後:登記を備えた方が勝ち
例外:背悪の負け
例外の例外:背悪の譲受人が背悪以外であれば登記を備えた方が勝ち
「取り消し前」「取り消し後」のワードを見た時点で上記のフローに当て嵌めるだけですね。
相関や状況を頑張って想像しても結局行き着くのは大体これなので。
解除も時効取得も同様に文章を捏ね繰り回してきますが思考過程は同じです。
2026.07.04 00:06
プロプリオさん
(No.7)
「後の第三者との関係の問題が、いつも理解できない」
お悩みの理由は、スレ主様の法的思考力の高さ、論理的センスの良さに起因しています。
正解根拠となる大判昭17.9.30は以下の3点において、問題を抱えています。
①取り消し後の第三者についての、民法§121(取り消しの効果)の扱い
詐欺を理由とした取り消しは意思表示の例外であり、取り消すことが可能です(法§96-1[詐欺又は脅迫])。法§96-1の効果として、法§121は取り消しの遡及的効果を規定しています。
「Aは無権利者に対して、登記がなくても所有権を主張できるのではないか」と疑問を持たれるのは当然です。
ところが、同判例は法§121を「見なかったこと」にしているのです。
②対抗関係の擬制(法§177)
法§177(不動産に関する物件の変動の対抗要件)は対抗関係がある場合、登記を要件とすることを条文化しています。判例は、強制的にA,C間の対抗関係を擬制することにより解決を図っています(復帰的物件変動理論)。この場合、取り消し後、悪意の第三者が保護されることになり、法§121との関係が説明できません。善意の第三者については、信義誠実の原則(法§1-2)に基づき、法§177で解決されます。
無理に対抗関係を創成しているため、理解を難しくしています。
③法§96-3(詐欺又は脅迫)の解釈
判例は、「取り消し前に利害関係を有するに至った第三者に限る」としています。つまり、取り消し後の第三者は保護されません。
条文だけ見ると保護されそうなので、これも分かりにくくする要因です。
これは例えば、野球少年がバッティング練習をしている最中、突如大谷が現れ、スイーパー(所謂魔球)で翻弄されるようなものです。
上記の問題により、流れは収束方向に向いています。
昭和17年当時は同判例に妥当性があったようですが、その後、最判平18.2.23により、虚偽の外観(登記)作出、放置について、権利者の承認を経由せずに帰責性が問われ、不動産取引で極めて重要な法§94-2(虚偽表示=二人芝居)の類推適用を基礎に、法§110(権限外の行為の表見代理)が重畳的に適用されました。これは取り消し後に登記を戻さなかった権利者よりも登記(外観)を信頼した第三者を保護する道を開いたと言われています。
上記①法§121は法§177適用除外によって適用、②対抗関係の擬制は同法除外によって解消、③取り消し後の第三者保護は法§94-2の類推適用によって解消します。
以上試験から逸れる内容について敢えて触れさせていただいたのは、近い将来判例変更が行われ、スレ主様の認識に寄って来ることが予想される可能性が極めて高いからであります。
今回のお悩みは、寧ろ「強み」と認識して取り組まれると良いでしょう。
朗報をおまちしております。
2026.07.08 18:14
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