抵当権設定後の賃貸借について

令和7年度 賃貸不動産経営管理士
あいさん
(No.1)
 質問させてください。
 平成10年問5 について。

 2025年に、Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。
  という場面設定で、
 Aは、抵当権設定の登記をした後も建物をEに賃貸することができるが、Bに損害を及ぼすことなく期間3年以内の賃貸借でその登記があるときでも、Eは、原則として、建物の競売人に対して賃借権を対抗することはできない。→答えは〇

 私は、この問題は、抵当権を設定した登記のほうが賃借権を登記した時より早いので、賃借権をもって抵当権に対抗できないから〇だと思ったのですが、解説を読むと「抵当権設定後の賃貸借は、その期間の長短を問わず、たとえ対抗要件を備えていても、原則として、抵当権者や買受人に対抗できません」と載っています。

 この解説の意味がよくわからないのですが、登記の早いもの勝ちとは何か違うのでしょうか?

 教えていただけるとありがたいです。


  
2025.03.15 16:25
名無しまさんさん
(No.2)
賃借権の登記が抵当権の登記より先に行われた場合、賃借権は第三者に対して対抗できるという原則があります。しかし、この点については、抵当権に特有の取り決めがあるため、少し留意が必要です。

・賃借権登記が抵当権登記より先に行われた場合
賃借権の登記が抵当権の登記よりも先に行われた場合、基本的には賃借権者(E)は、第三者に対して賃借権を対抗することができます。これは、賃借権が登記されている場合、賃借人はその権利を第三者に主張できるからです。

・しかし、抵当権が競売にかけられた場合
ただし、この問題のキーポイントは、抵当権が競売にかけられた場合です。
競売によって物件が売却されると、その物件に対する担保権が優先されるため、賃借権はその競売後に買受人に対して対抗できないという特例があります。
具体的には、抵当権設定後に賃貸借契約を結んだ場合、その賃借権は、たとえ賃借権の登記が先に行われていたとしても、競売後の買受人(新しい所有者)に対しては対抗できない、ということです。
これは、担保権である抵当権が優先され、賃借権が後回しになるからです。
このため、賃借権が先に登記されていても、抵当権者や競売後の買受人にはその賃借権を主張できないという結果になります。

総括すると以下の通りとなります。
・ 賃借権の登記が抵当権の登記より先であれば、原則として賃借権は第三者に対抗できる。
・しかし、抵当権が競売にかけられた場合、賃借権は競売後の買受人に対して対抗できないという特例が適用されるため、この点が解説で述べられている「原則として、抵当権者や買受人に対抗できない」という内容の理由です。

要するに、登記の先後関係自体は賃借権の対抗要件に重要ですが、抵当権が競売によって優先されるという特殊なルールがこの問題において適用されているということです。
2025.03.15 20:58
あいさん
(No.3)
 名無しまさんさん、親切に説明していただき、ありがとうございます。
 基本は、賃借権も登記の先後が大事。だけど、特別に、競売にかけられた場合は、たとえ賃借権が抵当権より先に登記されていても、新しい所有者には対抗できないということですね。
 テキスト読んでも、検索してもよくわからなかったのでとても助かりました。
 ありがとうございました!
2025.03.15 22:43
宅建女子さん
(No.4)
>この問題は、抵当権を設定した登記のほうが賃借権を登記した時より早いので、賃借権をもって抵当権に対抗できないから〇だと思ったのですが

それであってますよ。
この問題は法改正前の古い問題で、昔は短期賃貸(3年以内)なら対抗できたようです。
本来削除していい問題ですが、無理やり現法に合わせた解説してるんですね。

多分この解説が言いたいことは、

【その期間の長短を問わず】→旧法と違って現法では長短に関係なく、

【たとえ対抗要件を備えていても、】→旧法なら通用した対抗要件を備えても現法では対抗できない

旧法の解説を現法に合わせて修正したものの、不完全な解説に思います。
これは市販のテキストですか。

★なお、現法で対抗要件備えるとすれば、賃貸が抵当権に優先する同意を取って、それを登記する方法がありますが、宅建ではそこまで覚えなくていいと思います。

>特別に、競売にかけられた場合は、たとえ賃借権が抵当権より先に登記されていても、新しい所有者には対抗できないということですね。

そのような特例はありません。
掲示板の回答は玉石混交なので気をつけてください。
2025.03.16 20:48
あいさん
(No.5)
 宅建女子さん、回答いただきありがとうございます。

 テキストは、TAC出版の「わかって合格る宅建士」といって、人気があるらしくこれにしました。

 問題集の解説は「抵当権設定後の建物の賃貸借契約は、原則として、抵当権者や競売人に対抗できない(605条、177条)なお、例外として、登記をした賃貸借で、その登記をしたすべての抵当権者が同意をし、その同意があるときは、…以下宅建女子さんのおっしゃる通りの内容」

 基本テキストのほうには、「期間の長短を問わず…」   の説明が載っています。
 ごめんなさい、その文章の直後に「抵当権と賃貸借の関係は対抗問題であり、対抗要件の順番でみると、賃借権は、抵当権に劣後するからです」と載っています。
 これは、宅建女子さんのおっしゃるとおり、抵当権と賃借権も登記の前後で判断するということですよね…。この一文が大事な部分なのかもよくわかっていませんでした。
 大事な部分を抜かしてしまい、本当に申し訳ないです。すみませんでした。

2025.03.16 21:51
勉強嫌い行政書士さん
(No.6)
補足です。

登記以外にも賃貸人に対抗できる手段がありますので注意が必要です。
(勉強していないかもしれませんので参考程度で問題ないです)

(借地権の対抗力)
第10条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。

2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から2年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

(建物賃貸借の対抗力)
第31条 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
2025.03.17 10:21
あいさん
(No.7)
勉強嫌い行政書士さん、補足説明いただきありがとうございます。
 まだそこまで勉強が進んでいないので、その分野に行き着いたら再度読み直してみます。
 親切に教えていただき、ありがとうございます!
2025.03.17 17:39

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