通謀虚偽表示で転得者がいる場合

令和7年度 賃貸不動産経営管理士
あいさん
(No.1)
 質問させて下さい。

 例えば土地の売主Aさんが買主Bさんと通謀虚偽表示をした時に第三者のCさんがその土地を取得し、更にその土地をDさんが取得した場合に、テキストには、第三者のCさんが悪意があって、転得者のDさんが善意の場合、Dさんは土地を取得できるとあります。
  
 第三者のCさんが悪意ならそもそもCさんはその土地を取得できないんじゃないのかと疑問なのですが、どうしてCさんは土地を取得できるのでしょうか?
 通謀虚偽表示の場合、第三者が善意であれば土地を取得できるとテキストに載っているのですが…。

 わかる方いらっしゃいましたら教えていただけないでしょうか?
 宜しくお願いいたします。 
2025.03.02 18:24
名無しまさんさん
(No.2)
通謀虚偽表示とは、売主と買主が意思を合わせて、実際の取引とは異なる内容を記載した契約を結ぶ行為であり、例にある売主Aさんと買主Bさんが共謀して、実際には取引していない土地の売買契約を締結したときなどが該当します。このような契約は虚偽表示となり、基本的には無効です。
ただし、第三者が関与してくると、問題が複雑になります。
ここで、あいさんが触れているケースを説明しますね。

 ・Cさんが悪意の場合:
 通謀虚偽表示に基づく契約は無効ですが、第三者がその土地を取得した場合、その第三者が悪意か善意かによって、土地の取得が認められるかどうかが変わります。
 悪意のCさんが土地を取得した場合、Cさんが虚偽表示を知っていたとしても、Cさんが土地を取得したこと自体は有効です。つまり、Cさんが土地を取得することは可能です。
なぜなら、悪意があったとしても、その行為自体は無効にはなりません。
ただし、後に転得者であるDさんに対してその土地の権利がどうなるかが問題になります。

・Dさんが善意の場合:
その後、DさんがCさんから土地を取得した場合、Dさんが「善意無過失」であれば、Dさんは土地の取得を保護される可能性が高いです。民法の原則では、善意で無過失の第三者は保護されるため、Cさんが悪意で土地を取得していても、Dさんがその土地を善意で取得することができるのです。

要するに、悪意のCさんが土地を取得すること自体は問題ないのですが、その土地をさらにDさんが善意で取得する場合、Dさんの権利が守られる、ということです。

まとめると、Cさんは悪意でも土地を取得でき、その後のDさんが善意であれば、その土地の所有権がDさんに移転する可能性が高いということです。これは、民法における第三者保護の原則に基づいています。
2025.03.02 20:26
あいさん
(No.3)
 名無しまさんさん、ご回答いただきありがとうございます。
 《転得者がいない時》
 第三者が悪意でも土地を取得することは可能だけど、虚偽表示した人は虚偽表示の無効を主張することができる。その後その土地がどうなるかは裁判で決めるんですかね…。
 第三者が善意なら、虚偽表示した人は虚偽表示の無効を主張できない。もちろん土地は取得できる。

 土地を取得することと、無効を主張することが可能かどうかは別の話なんだと思いました。

 ありがとうございました!
2025.03.03 07:54
ボブさん
(No.4)
Cさんが取得できると言うより、
善意のDさんが取得できると言う考えの方が分かりやすいかもしれません。
仮にDさんが出現して来なければ、悪意のCさんだけは取得できないと思います。

テキストには
・虚偽表示による無効は、"善意"の第三者に対抗することはできない。
と記載しているため善意のDさんが守られますが、
仮にDさんがおらず悪意のCさんだけでは対抗することができるんではないでしょうか。

登場人物が全員悪意であれば、イコール全員共謀してるから無効。
そこに善意の人が一人でもいたらそれ以降は有効。
(A=B→悪意C→善意D→悪意E)
と私は解釈しております。
2025.03.03 09:57
ボブさん
(No.5)
この投稿は投稿者により削除されました。(2025.03.03 10:08)
2025.03.03 10:08
ボブさん
(No.6)
仮にDさんが出現して来なければ、悪意のCさんだけは取得できないと思います。

と記載しましたが、
第三者が現れたら対抗できるかどうかでしたね。
大変失礼しましたm(__)m
2025.03.03 10:09
あいさん
(No.7)
 ボブさん、コメントいただきありがとうございます。

 善意の第三者が土地を取得してからその後気が変わって悪意になって、それから転得者に土地を売ったんですかね…。
2025.03.03 13:25
ねこまんまさん
(No.8)
この場合の第三者Cの「悪意/善意」とは、AB間の通謀虚偽表示を「知っていたか/知らなかったか」です。悪人/善人という意味ではありませんので、途中で気が変わって…というようなことに左右されるものではありません。

虚偽表示は原則として無効(民法第94条第1項)であり、虚偽だと知っていたのならCがした取引も無効になります。この場合、AB間→BC間のどちらの取引も無効になるため、結局所有者はAのままです。
ただし民法第94条第2項で、善意の(虚偽だということを知らない)第三者や転得者は保護されるべきとされています。よって、DさんはAから不動産を取得できることになります。

A「(例えば競売逃れのために)Bに売ったフリだけするね」(悪人)
B「とりあえず自分名義になったから、自分のモノにはならないけどCに売っちゃお」(悪人)
C「正しくはAのモノだって知ってるけど、今は自分名義だからDに転売しよっと」(悪人)
D「Cさん、よい物件を売ってくれてありがとう」(善人)

上記、「民法で保護すべきなのは誰なのか」劇場でした。
もしも余計に分かりづらくなってしまったらごめんなさい。
2025.03.03 17:44
あいさん
(No.9)
 ねこまんまさん、回答いただきありがとうございます。
 例のCの部分なのですが、Cは、本当はその土地はAのものだと知っているなら、悪意に該当するから土地は取得できないんじゃないのかなという所が一番の疑問点です。
 ただ、皆さんの回答をいただきまして、土地を取得することと、無効を主張できる、ということが私の中で区別がついていなかったと感じました。

 悪意のあるCは土地は一応は取得しているけど、いつAから無効を主張されるかわからない不安定な状態の時にDに売ってしまったのかな、と。

 もうひとつの私の考えたイメージは、最初は善意の第三者だったCは、土地を取得した後に、何かのタイミングでその土地が実はAの土地だったと知り、悪意に切り替わり、それからDに売った、というケースを想像しました。それなら、テキストに載っているC(悪意)→D(善意)という書き方が当てはまるなと思ったのです。
2025.03.03 20:11
無権代理人さん
(No.10)
補足ですが、善意か悪意かは契約した時に知っていたかどうかで判断されますので、後から知っても悪意者にはなりません。(当然裁判になった時には知るので)
悪意だから早く売り抜けてしまおうという方が近いと思います。
2025.03.04 08:45
ボブさん
(No.11)
虚偽表示による契約は、"当事者間"では無効とテキストにあります。
では第三者が現れた場合は?
善意者(D)が現れれば守られるが、登場人物が悪意(Cまで)だけの場合は?

そもそもが無効なのか、Cが所有することになるが(有効)Aに無効を主張されたら対抗できない、のか。
あいさんの疑問はここではないでしょうか?

名無しまさんの見解は→後者
ねこまんまさんの見解は→前者

私は前者のそもそもが無効と解釈していましたが、
明確にわかる方がいましたらご教授下さい。
2025.03.04 11:15
無権代理人さん
(No.12)
民法で言っているのは、通謀虚偽表示の当事者間は無効であることと善意の第三者には無効を主張できないということ。
悪意の第三者はどうかは言ってません。
私の解釈は、判例で転得者が善意の場合は保護されるとなったのは、悪意の第三者から善意の転得者への売買契約が有効だということが前提にあると思います。これが悪意の第三者が無権利者となると転得者との契約が無効になるので、悪意の第三者は有効に売買する権利つまり所有権に基づいて財産を処分する権利を持っていたということだと思います。したがって第三者への売買契約は有効と考えられる。
あいさんの言っていた「土地を取得できる」と「無効の主張」が別というのは感覚的には合っています。
2025.03.04 12:37
宅建女子さん
(No.13)
A→B→C悪意→D善意
この場合でもBとCは所有者にはなりません。
なぜなら通謀虚偽表示は無効、悪意者は対抗力なし。
だから所有権はAのままです。
無から有は生じません。
となると本来はDも取得できないのがスジです。
だけど、民法はこのスジを曲げています。
なぜなら、「取引の安全」を重視するからです。
買物するたび盗品かも知れないとか思ってたら安心して買い物できません。
だから、民法は善意者を保護します。
つまり、ここではA対Dで考えます。
AはCまでには勝てるけど、Dには勝てないということになります。

なので

>本当はその土地はAのものだと知っているなら、悪意に該当するから土地は取得できないんじゃないのかな

おっしゃるとおりです。

この問題の背景について色々お考えのようですが、問題文は書いてあることがすべてです。
書いてないことまで余計な想像力は使ってはいけません。
自分の妄想で解くのではなく条文と判例をそのまま覚えましょう。
それでも民法深掘りしたいのなら、オートマシステムなど読むといいと思います。
当然ながら宅建の民法テキストより詳しいです。
2025.03.04 16:44
あいさん
(No.14)
 皆様、いろいろなご意見、ご説明をいただき、本当にありがとうございます。
 転得者の存在があってこそ悪意の第三者の存在が成り立つ、ということですね。
 「買い物するたびにいちいち盗品か気にしていたら」という言葉にハッとしました。
 オートマシステム、Amazonで検索してみましたが司法書士向けの本なんて私にはとんでもないです…。

 名無しまさんさん、ボブさん、ねこまんまさん、無権代理人さん、宅建女子さん、ありがとうございました。
2025.03.04 18:02

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