抵当権消滅請求を選択する理由

もざさん
(No.1)
抵当権消滅請求について、勉強とはあまり関係ないところで気になったことがあります。

抵当権付きの建物を売買というと、売買代金をローンの繰上完済に充てて抵当権抹消する手段しか知らないのですが、そうではなく抵当権消滅請求という手段があるのは、それぞれの手段でそれぞれ違うメリットがあるのでしょうか。

金額について抵当権者全員と協調が整わないと2か月で競売になってしまうなら、実務上どんな状況で第三取得者は抵当権消滅請求を選ぶのかな、と思いました。

もしご存知の方がいらっしゃったら、ご助言いただけると権利関係の理解が深まります。(あまり深入りするところでもないのでしょうが…)
2024.05.28 13:16
ti27004さん
(No.2)
抵当権者が売却に同意している場合は、ご指摘のように売買代金をローンの弁済にあてて抵当権の抹消をすることが出来ます。

しかし、例えば複数の抵当権が付いている場合など、売却しても被担保債務を完済できる見込みがなく、さらに債務者が債務整理をするために不動産を換金せざるを得ない状態であったとき、抵当権者が反対すると債務者の生活再建が出来なくなってしまいます。こうなってしまうと、いつ売れるか、いくらになるかわからない競売手続きをせざるを得なくなります。

詳しい話は「任意売却」について調べていただければイメージしやすいかと思いますが、買い手・売買代金が絞れた段階で、抵当権者に抵当権消滅請求の交渉(被担保債務のうちこのくらいを売買代金から支払うので、抵当権を消し、残りは無担保債務としてほしい)をかけます。

これでも抵当権者が応じなければ、売買成立後に正式に抵当権消滅請求を行い、抵当権者に判断してもらいます。一般的に、請求に応じた方が抵当権者の回収できる見込み額が大きいと言われているため、応じてもらえることが多いようです。
2024.05.28 17:42
通りすがりさん
(No.3)
場面が違います。

>抵当権付きの建物を売買というと、売買代金をローンの繰上完済に充てて抵当権抹消する手段
これができない場合
・任意売却は、将来の売却代金を担保に被担保債権を弁済するにすぎません。
(結果的に、被担保債権の一部を免除した、抵当権全体を抹消できるに過ぎない)

ここまでは、抵当権者と債務者の関係です。

それに引き換え、抵当権消滅請求は、抵当不動産の買主の保護規定です。
抵当権付きの不動産を購入した買主が抵当権消滅請求ができます。
(被担保債権の債務者が請求権者ではありません。)
これは、被担保債権の債務者が履行しなければ、不動産が競売にかけられる不安定な地位になる買主を保護する規定です。
抵当権消滅請求をすれば、2か月以内に競売か承諾かが確定するため、権利関係が安定するのが目的です。

(抵当権消滅請求)
第三百七十九条  抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
第三百八十条  主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
2024.05.28 21:45
ti27004さん
(No.4)
>通りすがりさん

私の表現が拙く、意図したことが伝えられてなかったと反省しています。補足説明ありがとうございます。

以降は蛇足というより個人的な疑問ですが、
>任意売却は、将来の売却代金を担保に被担保債権を弁済するにすぎません。
(結果的に、被担保債権の一部を免除した、抵当権全体を抹消できるに過ぎない)

とございますが、債権者からすれば弁済されなかった部分については免除する義務はないため、必ずしも免除されるとは言い切れず、債務者は無担保債務を負担し続ける場合があると認識しています(現に残債の負担に耐え切れずに破産を選択する例が債務整理専門の弁護士のサイトにも記載あり)。

揚げ足取りになるかと思いますが、「被担保債権の一部を免除した」というのは免除されることもある、という認識であっていますでしょうか。
2024.05.29 10:26
宅建女子さん
(No.5)
横からごめんなさい。

>被担保債権の一部を免除した

この『一部』の意味は、『将来の売却代金』にかかる部分のことではないでしようか。
結果、お二人の認識は同じなのかなと。

それと抵当権消滅請求が任意売却の延長上に利用されることは多々あると思います。
なぜならこのような訳アリ物件を直接買う一般人はまずいないので、いったん業者が買い取って抵当権を外して市場に出す流れかと思います。

ti27004さん、
>買い手・売買代金が絞れた段階で、抵当権者に抵当権消滅請求の交渉(被担保債務のうちこのくらいを売買代金から支払うので、抵当権を消し、残りは無担保債務としてほしい)をかけます。

の部分が、所有者が交渉するかのような印象を受けますが、恐らくは将来の買い手(消滅請求できる買い手となる、その類の不動産業者等)が交渉するということかと思うのですが合ってますか。

もざさん
申し訳ありません。
これほとんど試験には関係ない話です。
しかも理解深まるどころか混乱すると思います。
気にせず勉強に専念されてくださいね💦
2024.05.29 10:59
もざさん
(No.6)
すごい!皆さんありがとうございます!

私は具体的な場面が想像できないと理解できず、テキストを読んでもわかりませんでした。
権利関係の勉強が中途半端なために今のところまだご返信の全てを理解できてはいないのですが、非常に心強いご返信をいただいたと感じています。勉強の合間によく読ませていただきます。
後学のためにこのままスレッドを拝見させてください。
2024.05.29 12:23
ti27004さん
(No.7)
>宅建女子さん

ご指摘の通りです。主語が抜けていたため、意図しない誤解を与えてしまったと思います。

テキストなどで事例が載っていても、具体的な使い方は仕事などで当事者にならないとイメージできないことは時々あるかと思います。
極めようとすれば1つの分野だけで何年も突き詰めることになりかねませんが(大学教授など)、毎回気にしていたらキリがないので、テキストや解説に記載された事例や判例を読むくらいで割り切ったほうが(試験合格だけであれば)いいと思います。
2024.05.29 13:09
通りすがりさん
(No.8)
>ti27004さん
>宅建女子さん

>(結果的に、被担保債権の一部を免除した、抵当権全体を抹消できるに過ぎない)
これの意味を説明します。
抵当権は通有性(付従性)を有しており、被担保債権が消滅しなければ、抵当権は消滅しません。
ですので、抵当権が消滅した場合は、必ず被担保債権も消滅します。

売却額と被担保債権額を比較し、被担保債権額が大きい場合は、
被担保債権の一部(残債)を免除がなければ、
付従性で抵当権の消滅にならないからです。

補足
・1円でも被担保債権の残債があれば抵当権は消滅しません
・金消契約の残債の免除ではありません。あくまで、被担保債権の残債の免除です

>債権者からすれば弁済されなかった部分については免除する義務はないため、
>必ずしも免除されるとは言い切れず、債務者は無担保債務を負担し続ける場合が
>あると認識しています
その通りです。
だから、被担保債権の一部免除と記載しました。

①抵当権の被担保債権(物的担保)と②金消契約(債権)の立ち位置の整理が必要かもしれません。
①=②と考えてしまったのではないでしょうか?
だから、①が消滅したら②も消滅すると考えてしまったのでないでしょうか?
ですが、①+②と考えてみたら、①の権利は、放棄したが、②の権利は残っている。

理由は、②の債権回収を確実にするため①を追加していると考えられるからです。


通有性が担保物件と違いますが、①主債務者の被担保債権(人的担保)と②金消契約(債権)でも同じことが言えます。
2024.05.29 22:08
ti27004さん
(No.9)
>通りすがりさん

見解を教授いただけましたので、私も見解をお伝えいたします。あくまで別見解を否定する意図はなく、自身の誤りや相違点を理解するため提示します。

>抵当権は通有性(付従性)を有しており、被担保債権が消滅しなければ、抵当権は消滅しません。
→この点は同意見です。

>ですので、抵当権が消滅した場合は、必ず被担保債権も消滅します。
→通りすがりさんは
>①抵当権の被担保債権(物的担保)と②金消契約(債権)
>①+②と考えてみたら、①の権利は、放棄したが、②の権利は残っている。
という見解を採用されているため論理の詳細は分かりかねますが、①=②と考えてもあくまで抵当権設定”契約”と金銭消費貸借”契約”とは別個の法律行為であるため、抵当権が消滅しても被担保債権(のもととなった債権)は残すことはできると考えます。

私は任意売却での、債務が残った場合での抵当権消滅は(あくまで一例)、
1)任意売却での売買代金を抵当権者に渡すことを条件とした抵当権のみの合意解除”契約”
2)任意売却が成立、売買代金で被担保債務の一部弁済
3)条件成就による抵当権消滅
4)残債は金銭消費貸借の債務者が負担
という法律構成を採用しました。

完全に宅建の試験範囲から外れていますが、学習している法律をどのように事実にあてはめていくか、という作業に役立つと思い、記載いたしました。
2024.05.30 11:22
通りすがりさん
(No.10)
宅建には、関係ない話なので、このスレッドの書き込みはこれで終わりにしたいと思います。

①金銭消費貸借契約を担保するために、②抵当権設定契約があるです。

例えば、①金銭消費貸借契約(無担保貸金債権)で2000万円を借り入れたとします。
その担保に債権額2000万円の②抵当権設定契約(被担保貸金債権)をしたとします。
その後、1000万円の一部弁済をしたとします。
そのとき、①金銭消費貸借の債権額(無担保貸金債権)と②被担保債権額(被担保貸金債権)は、
同額の1000万円です。

このときに、任意売却や抵当権放棄を行って抵当権が抹消(消滅)した場合、
私は、②が消滅し、そもそもあった①金銭消費貸借の債権額がそのまま残ると考えています。

>ti27004さん
>抵当権設定”契約”と金銭消費貸借”契約”とは別個の法律行為であるため、
>抵当権が消滅しても被担保債権(のもととなった債権)は残すことはできると考えます。

私は、被担保債権(のもととなった債権)は、①の金銭消費貸借契約だと思ってしまいましたが、
被担保債権は残すことができると記載されましたので、小生には、理解が難しいです。

上記の例を用いて、具体的に説明いただけると幸いです。
特に聞きたいのが、1000万円弁済した後に任意売却や抵当権放棄を行って抵当権が抹消(消滅)した場合の①金銭消費貸借契約と②抵当設定契約が、どのような理論で抵当権消滅しても被担保債権(のもととなった債権)は残すことはできるか説明が聞きたいです。
お手数おかけしますが、よろしくお願いします。
2024.05.30 21:00
ti27004さん
(No.11)
>通りすがりさん
確かに、これ以上の議論はサイトのルールにも反するでしょうから、私もこのスレでの投稿を終了します。ただ個別に質問をいただいていますので、納得いただけるかはわかりませんが最後に回答いたします。

>例えば、①金銭消費貸借契約(無担保貸金債権)で2000万円を借り入れたとします。
(途中省略させていただきます)
>同額の1000万円です。
この例で、通りすがりさんのご説明をうかがった印象として、①(無担保貸金債権)と②(被担保貸金債権)とが併存しており(もちろん2重に請求できるわけではなく概念として存在を認めたもの)、抵当権の消滅によって②のみが消滅するという論理かと思われます(違っていたら、申し訳ございません)。この場合、任意売却では不動産が500万円で売れたと仮定すると、
1)500万円の弁済があったため、①500万円、②500万円(抵当権の放棄であれば①②共に1000万円)
2)抵当権消滅により②のみが免除
3)債権者は債務者に対し①を請求することができる
という流れになると理解しています。

一方私は、①(無担保貸金債権)と②(被担保貸金債権)とは併存するものではなく、例えるならば①に抵当権というオプションをつけたようなもの(通りすがりさんのいう②(被担保貸金債権)にあたる部分は、どの債権に対する抵当権なのかを第三者でも区別できるように書かれているだけで、特別な意味は持たない)と考えています。
その根拠は抵当権設定の段階では、あくまでも金銭の回収が目的であって、当事者にとってどの債権の回収であるかは強く意識していないことがある(元本未確定である根抵当権の債権の範囲内-元本確定するまで具体的にどの債権が担保となるか不明-、将来発生する可能性のある求償債権の担保-そもそも求償債権が発生しないこともある-など)からです。ただ担保権の実行の段階や、競売など第三者がかかわってくる段階で、自身が対抗できなくなるとまずいから、第三者に優先して回収できる範囲を②として示しているだけだと考えています。
逆に②が別個に存在すると考えた場合、②の元が①であるとしても、例えば抵当権の一部譲渡をした場合(Aの被担保債権1000万円の抵当権のうち600万円を無担保債権1000万円を持つBに譲渡)、
①1000万円、②?(A400万円?、A400万円+B600万円?)
上記のように①と②とが分離し、事案が複雑化する危険性があると思われます。

よって、①(無担保貸金債権)+②(被担保貸金債権)と別個に考える必要がなく、①=②であると考えています。また抵当権のみの消滅の場合、オプションがなくなるだけですので、被担保債権がなくなれば付従性で抵当権は消滅するが、抵当権が消滅しても被担保債権は残る、と説明いたしました。
先ほどと同じ例を使うと
1)500万円の弁済があったため、①500万円(抵当権の放棄であれば①1000万円)
2)抵当権消滅
3)債権者は債務者に対し①を請求することができる
という流れになります。

勝手に話をまとめてしまいますが、私の説明の至らなさがあったことを加味しても、おそらく通りすがりさんと私とは1つの出来事をどの角度から説明をしたかの違いがあるだけであって、大きな隔たりがあるとは思っていません。
ここまで読んでいただけても試験には直接役には立たないかと思われますが、気分転換の一つになれば幸いです。
最後に管理人様、ガイドラインの禁止行為や、マナーに触れそうな投稿がございましたらここにお詫び申し上げます。

長文、失礼いたしました。
2024.05.31 03:51

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