契約不適合責任の消滅時効について

リベンジ組ですよさん
(No.1)
前提知識→
契約不適合の〈通知期間〉は知った時から1年で、
〈消滅時効〉は知った時から5年、引き渡してから10年で権利が消えてしまいますよね?

ですが最近見たyoutubeの動画で、
「不適合を知った時から1年というのは、100年後に知ったとしても責任を追及できるという強力な効果なんです」

と言っていました。100年後も権利行使できるのですか?

引き渡し10年で消滅時効という話は、これとは別の知識なのですか?
2023.07.18 10:29
通りすがりさん
(No.2)
>  不適合を知った時から1年というのは、100年後も権利行使できるのですか?
除斥期間が存在しない場合は、100年後に不適合を知った場合、101年後まで権利行使可能です。

ほとんどの場合、消滅時効と除斥期間が同時に進行します

例)民法166条1項
第百六十六条  債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一  債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二  権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

166条1項1号は、消滅時効といいます。
166条1項2号は、除斥期間といいます。

消滅時効は、更新・猶予などができるが、除斥期間は、不変期間になります。

>  引き渡し10年で消滅時効という話は、これとは別の知識なのですか?
10年の消滅時効は、正確には除斥期間となり、消滅時効とは別の概念となります。
2023.07.18 21:50
リベンジ組ですよさん
(No.3)
ありがとうございます、わかりやすっ!!  行政書士か司法書士の方ですか?

参考書には載ってないですよね、ズバリこのような解説、知識が知りたかったです。

(除斥期間という考え方そのものを知らなかったです。)
2023.07.18 22:14
管理人
(No.4)
>166条1項2号は、除斥期間といいます。
除斥期間とは、消滅時効ではないものの、一定期間の経過により権利が消滅する旨が定められている場合のその期間のことを言うと認識しています。たとえば、契約不適合責任の【通知期間】は除斥期間ですし、他にも取消権の期間の制限なども除斥期間に該当します。

消滅時効との違いは、完成猶予や更新がないこと、援用の必要がないことなどが特徴です。166条1項2号の客観的起算点による債権の消滅については、完成猶予や更新、援用の適用があるので消滅時効の一部を構成するものと言えます。

さて、売主の担保責任に関する消滅時効の適用ですが、旧民法の判例ではあるものの、 瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があると判示されています(最判平13.11.27)。最高裁はその理由を、もし適用がないとすれば、買主が瑕疵に気付かない限り、買主の権利が永久に存続することになり、売主に過大な負担を課すことになって適当とは言えないからだと説明しています。

このため、契約不適合責任を追及する権利についても、権利を行使できることを知ってから5年、権利を行使できる時から10年の消滅時効が適用されます。

何もなければ引渡しから10年で追及権が消滅しますので、
>100年後に知ったとしても責任を追及できる
というのは誤った説明ということになるのではないでしょうか。
2023.07.18 22:40
リベンジ組ですよさん
(No.5)
管理人さん、回答ありがとうございます。Youtubeの解説がやっぱり間違い?

【通りすがりさん】の回答では

>>除斥期間が存在しない場合は、100年後に不適合を知った場合、101年後まで権利行使可能です。

ってありますが、これはどうなります??


世の中の99%の物事に除斥期間があるけれど、もし除斥期間が存在しない物事があった場合には

100年後に不適合を知った場合、101年後まで権利行使可能です。

って事ですかね?
2023.07.19 01:00
日々勉強中の宅建士さん
(No.6)
こんにちは、ご質問の件につきましては、その通りです。

引き渡し10年で消滅時効という話は、これとは別のハナシとして整理する必要があります。
「100年後に知ったとしても責任を追及できる」旨の説明ですが、
引渡しを受けていない【前提】であれば、権利を行使することができる時にもあたらず、
知らないので、知った時から1年以内に通知のハナシにもならず、
権利を行使することができることを知った時から5年で消滅のハナシにもならず。

まちがった説明ではありません。
ただ、現実問題として、100年も購入した不動産を引渡しされないというのは、
まず、あり得ないハナシでしょうから、
どんなに長くても引渡しから10年コースで消滅時効として
権利行使できなくなるでしょう。

①買主が契約不適合を知らなければ、消滅時効のカウントが始まらない

②とはいえ、買主が契約不適合を知れば、
【権利を行使することができることを知った時】になり5年経過で消滅
また、引渡しを受けた場合、【引渡しから10年経過すれば消滅】します。

※「権利を行使することができる時」=売買の目的物の引渡しを受けた時

③つまり、引渡しも受けていない、契約不適合も知らない、ということであれば、
消滅時効のタイマーがカウントしないのです。

当然、知った時から1年以内に通知のハナシにもなりません。
そもそも、まだ、買主は、契約不適合を知らないのですから、、、、、

買主が契約不適合を知ると1年以内に通知しないと5年で消滅時効にかかりますよ
ということです。

ちなみに、今回のケースでいう「除斥期間」というのは、
「買主がその不適合を知った時から1年」という期間そのものが、
除斥期間ということです。

------------------------------

<最高裁判例平成13年11月27日>

<債権等の消滅時効>

第百六十六条  債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一  債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二  権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2  債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から
二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

3  前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。
2023.07.19 19:36
日々勉強中の宅建士さん
(No.7)
【補足】
知った時から1年以内に通知したとしても、
買主が、売主に請求をすることなく
消滅時効期間の(5年/10年)が経過すれば、
買主の権利は時効消滅します。
2023.07.19 19:41
リベンジ組ですよさん
(No.8)
納得です!  引き渡しを受けているか否かが、キーワードだったんですねぇ。

ハイレベルな回答が3人も揃っていて、貴重な民法知識だと言えるでしょう。
2023.07.20 03:50
通りすがりさん
(No.9)
この投稿は投稿者により削除されました。(2023.07.23 00:23)
2023.07.23 00:21
通りすがりさん
(No.10)
通りすがりと同一人物です。

この件について、いろいろな意見がありましたので、
再度、調査してみました。

>  契約不適合の〈通知期間〉は知った時から1年
結論からいうと、民法566条の条文をそのまま適用されるとyoutuberの説明は正しいです。
しかし、民法566条は任意規定で、特約で排除できます。
(例えば、引き渡しの日から1年への変更など)

さらに、この条文が適用する内容は、種類又は品質のみです。
それ以外の権利などの契約不適合は、原則通り、5年/10年です。

さらに、業法40条で民法566条の任意規定を強行規定に制限しています。
だから、業法40条1項の制限から引き渡しの日から2年に変更します。
では、引き渡しの日から2年未満だった場合はどうでしょうか?
これは、無効なので、民法の原則通り、契約不適合の〈通知期間〉は知った時から1年になります。
すなわち、youtuber説明通り、宅建業者が永久不滅の契約不適合責任を負います。
よって、実務では、引き渡しの日から2年になります。

>  引渡しを受けていない【前提】であれば、権利を行使することができる時にもあたらず、
>  知らないので、知った時から1年以内に通知のハナシにもならず、

民法566条の契約不適合責任は、引き渡し(履行)後、契約内容に適合しない場合なので、引き渡し(履行)が絶対条件です。
よって、引き渡し(履行)がないため、契約不適合責任の適用はありません。
同時履行の抗弁権・債務不履行・債務不能・受領遅滞・危険負担の問題になります。

>  消滅時効・除斥期間・客観的起算点・主観的起算点に関しての補足
1.消滅時効と除斥期間は以前に説明したとおりです。
2.起算点にも、客観的起算点と主観的起算点があります。
    ・客観的起算点
      「権利が行使できるときから〇年」
        当事者以外の第三者からも客観的に起算点を把握できる
        時効の完成日がだれからも把握できる
    ・主観的起算点
      「権利が行使できることを知ったときから〇年」
        当事者以外の第三者が起算点が把握できない
        行使できることを知らないと時効が完成しない

といった違いがあります。
債権以外の場合、客観的起算点の場合は、除斥期間と解するのが多いです。
債権以外の場合は、制限行為能力者の取消権(126条)や不法行為(724条)が該当します。
債権の場合は、169条など更新されるので消滅時効になります。

参考  民法
(取消権の期間の制限)
126条  取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

(判決で確定した権利の消滅時効)
169条  確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。

(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
566条  売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
724条  不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一  被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二  不法行為の時から二十年間行使しないとき。

参考  業法
(担保責任についての特約の制限)
40条  宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2  前項の規定に反する特約は、無効とする。
2023.07.23 00:32
通りすがりさん
(No.11)
2000文字を超えたので分割投稿です。

>  どんなに長くても引渡しから10年コースで消滅時効として
>  権利行使できなくなるでしょう。
民法566条は、民法166条の例外規定ですので、
権利行使できることを知ったときから5年・権利行使できるときから10年は適用されません。
だから、民法566条が適用される場合は、10年後・50年後に知った場合でも、知ったときから1年以内に通知を条件に、権利行使ができます。
よって、特約を排除するため、主観的起算点(不適合を知った日から1年)ではなく客観的起算点(引き渡しの日から2年)に変更するのです。

>  知った時から1年以内に通知したとしても、
>  買主が、売主に請求をすることなく
>  消滅時効期間の(5年/10年)が経過すれば、
>  買主の権利は時効消滅します。
この場面では、民法566条の適用場面ではなく、民法166条が適用されます。

>  どんなに長くても引渡しから10年コースで消滅時効として
>  権利行使できなくなるでしょう。
権利に関する不適合責任は、原則通り、民法166条が適用されます。

参考  民法
(債権等の消滅時効)
166条  債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一  債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二  権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
2  債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
3  前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
566条  売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

参考  業法
(担保責任についての特約の制限)
40条  宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2  前項の規定に反する特約は、無効とする。
2023.07.23 01:02
臨時講師さん
(No.12)
>リベンジ組ですよさん

>ですが最近見たyoutubeの動画で、
>「不適合を知った時から1年というのは、100年後に知ったとしても責任を追及できるという強力な効果なんです」

>と言っていました。100年後も権利行使できるのですか?

端的に答えますとそのyoutubeの動画は完全に間違っています。
上において管理人さんがおっしゃっていることが正しいです。
契約不適合責任は不適合を知ってから1年の通知期間がありますが、
通知をしたとしても契約不適合責任を追及できる期間は不適合を知ってから5年(短期)、引き渡しから10年(長期)で通常の債権同様に消滅時効にかかります。
この引き渡しから10年の消滅時効は、仮に不適合を知らなくても、引き渡し以後10年経過すれば完成します。
つまり、不具合を知ってから5年と引き渡しから10年のうち、先に期間が来た時に時効が完成するのです。

したがって不適合を知らない限り100年後でも権利行使ができるということはありません。
いろいろな意見が出ていますが、宅建合格のためにはシンプルに正しい知識を身につけてください。
2023.07.23 18:32

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