賃借権の時効取得について

宗珍さん
(No.1)
いつも本サイトには大変お世話になっております。
以下、ご教示願います。

平成27年問4の枝1は
賃料を払い続けているBには「所有の意思」ではなく「賃借人として占有(他主占有)」する意思があると判断されるため、Bは甲土地の所有権を時効取得できません。

なのですが、時効取得できる権利の中に「賃借権」があります。(あるテキストに記載有り)

そうすると、「賃借権」が時効取得できるのは、どういうケースなんでしょうか。
賃借権なのにお金を踏み倒して我が物顔で使用していた場合ということでしょうか。

よろしくお願いします。
2020.10.11 17:10
管理人
(No.2)
所有権以外の財産権では、「所有の意思をもって」ではなく「自己のためにする意思をもって行使」していればOKです(賃借権は債権ですが時効取得が認められています)。

例としては、土地の無権利者との間で借地契約を結び、その無権利者を真の所有者と信じて賃料を払い続けているような場合です。この場合、時効期間の経過により真の土地所有者を貸主とする賃借権を取得できます。

民法163条
所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。

最判昭52.9.29
例甲所有の土地につきその管理をまかされ他に賃貸する権限をも与えられていると自称する乙から、これを信じて右土地を賃借した丙が、賃貸借契約に基づき平穏公然に目的土地の占有を継続し、乙及びその相続人らに対して賃料を支払つている、など判示の事情のもとにおいては、丙は、民法一六三条所定の時効期間の経過により、甲に対する右土地の賃借権を時効取得することができる。
2020.10.11 18:08
宗珍さん
(No.3)
ありがとうございました。
若干難しいですが、なんとなく分かりました。
(真の所有者は自分に家賃が入ってこないのに、気がつかないのか・・・とか思いますが)
民法としては、そういうことなんですね。(´∀`)
2020.10.11 19:19

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