宅建試験過去問題 令和7年試験 問21
問21
農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 市街化区域外にある農地の転用の申請に係る事業が住宅の用に供される土地の造成だけを目的としている場合、申請に係る農地の全てを住宅の用に供することが確実と認められないときには、法第4条第1項又は法第5条第1項の許可を受けることができない。
- 仮設工作物を設置するため、市街化区域外にある農地の所有権を取得しようとする場合には、法第5条第1項の許可を受けることができない。
- 農地の賃貸借は、その登記がなくても、農地の引渡しがあったときは、これをもってその後その農地について所有権を取得した第三者に対抗することができる。
- 法人の代表者が、その法人の業務に関し、法第4条第1項又は法第5条第1項の規定に違反して農地の転用をした場合には、その代表者が罰せられるほか、その法人も300万円以下の罰金刑が科せられる。
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正解 4
問題難易度
肢117.1%
肢233.3%
肢319.9%
肢429.7%
肢233.3%
肢319.9%
肢429.7%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:4 - 農地法
解説
- 正しい。市街化区域外の農地の転用に当たり、転用事業のために必要な資金力や信用が不足していたり、転用の妨げとなる権利者の同意を得ていないなどで、申請された農地全ての転用が確実と認められないときは、4条/5条許可を受けることはできません(農地法4条6項3号)。
申請者に申請に係る農地を農地以外のものにする行為を行うために必要な資力及び信用があると認められないこと、申請に係る農地を農地以外のものにする行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていないことその他農林水産省令で定める事由により、申請に係る農地の全てを住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の当該申請に係る用途に供することが確実と認められない場合
- 正しい。農地を仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するために取得する場合には、5条許可を受けることはできません(農地法5条2項6号・7号)。制限される取得は次の2つです。
- 所有権を取得する場合
- 所有権以外の使用収益権を設定する場合において、その利用後に農地に供されることが確実でないとき
六 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため所有権を取得しようとする場合
七 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため、農地につき所有権以外の第三条第一項本文に掲げる権利を取得しようとする場合においてその利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されることが確実と認められないとき、又は採草放牧地につきこれらの権利を取得しようとする場合においてその利用に供された後にその土地が耕作の目的若しくは主として耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供されることが確実と認められないとき - 正しい。農地の賃貸借については、登記がなくても農地の引渡しがあれば、その後、その農地について所有権を取得した第三者に対抗することが可能です(農地法16条)。
農地又は採草放牧地の賃貸借は、その登記がなくても、農地又は採草放牧地の引渡があつたときは、これをもつてその後その農地又は採草放牧地について物権を取得した第三者に対抗することができる。
- [誤り]。300万円ではありません。法人の代表者が、その法人の業務に関し、農地法の3条/4条/5条許可に違反して農地の取得・転用をした場合は、その行為者が3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されるほか、その法人にも1億円以下の罰金が科されます(農地法67条)。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第六十四条第一号若しくは第二号(これらの規定中第四条第一項又は第五条第一項に係る部分に限る。)又は第三号 一億円以下の罰金刑
二 第六十四条(前号に係る部分を除く。)又は前二条 各本条の罰金刑会社の代表者が、その会社の業務に関し、法の規定に違反して転用行為をした場合は、その代表者が罰せられるのみならず、その会社も1億円以下の罰金刑が科せられる。(H22-22-3)
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