宅建試験過去問題 令和7年試験 問20
問20
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 個人施行者は、その者以外に換地計画に係る区域内の宅地を所有する者(当該宅地の所有権について施行者に対抗することができない者を除く。)がある場合においては、換地計画について認可を申請しようとするときは、これらの者の同意を得なければならない。
- 国又は地方公共団体の所有する土地以外であって道路の用に供している土地については、土地区画整理事業の施行により当該道路に代わるべき道路が設置され、その結果、当該道路が廃止される場合等においては、換地計画において、当該土地について換地を定めないことができる。
- 従前の宅地の所有者及びその宅地について使用収益権を有する者が、仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定められたため、従前の宅地について使用し、又は収益することができなくなったことにより損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
- 仮換地の指定があった日後、土地区画整理事業の施行による施行地区内の土地及び建物の変動に係る登記がされるまでの間は、登記の申請人が確定日付のある書類によりその指定前に登記原因が生じたことを証明した場合を除き、施行地区内の土地及び建物に関しては他の登記をすることができない。
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正解 4
問題難易度
肢114.0%
肢220.1%
肢321.0%
肢444.9%
肢220.1%
肢321.0%
肢444.9%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:5 - 土地区画整理法
解説
- 正しい。個人施行は、1人又は複数人の土地所有者・借地権者が自らの宅地について区画整理を行うものです。一般的に、少人数の土地所有者が協力して進める小規模な形態であるため、事業計画や換地計画の認可を申請するときに、関係権利者の全員同意が必要とされています(土地区画整理法8条1項土地区画整理法88条1項)。
第四条第一項に規定する認可を申請しようとする者は、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地について権利を有する者がある場合においては、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。但し、その権利をもつて認可を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りでない。
第八条の規定は換地計画について認可を申請しようとする個人施行者について、第五十一条の六の規定は換地計画について認可を申請しようとする区画整理会社について準用する。この場合において、第八条第一項及び第五十一条の六中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「換地計画に係る区域」と読み替えるものとする。
- 正しい。公共施設の用に供している宅地(国又は地方公共団体の所有する土地以外の道路・公園・水路など)については、事業の実施により同じ機能をもつ代替施設が設置されて廃止される場合等には、換地計画に換地を定めないことができます(土地区画整理法95条6項)。具体的には、私道や私設の水路などがこれに該当します。
第一項第六号に掲げる宅地については、土地区画整理事業の施行により当該宅地に存する公共施設に代わるべき公共施設が設置され、その結果、当該公共施設が廃止される場合その他特別の事情のある場合においては、換地計画において、当該宅地について換地を定めないことができる。
- 正しい。仮換地の指定の際、効力発生日と使用収益の開始日を別に定めることができます(土地区画整理法99条2項)。仮換地の指定がされると従前の土地の使用収益が禁止されるため、仮換地の指定日から使用収益の開始日までどの土地も使えない状況となります。この期間中には、仮住まい賃貸や引越しに掛かる費用、営業停止による逸失利益など使用収益できないことによる損害が発生しますが、通常生じる損失について補償されます(土地区画整理法101条1項)。
施行者は、前条第一項の規定により仮換地を指定した場合において、その仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を同条第五項に規定する日と別に定めることができる。この場合においては、同項及び同条第六項の規定による通知に併せてその旨を通知しなければならない。
従前の宅地の所有者及びその宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者が、第九十九条第二項の規定によりその仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定められたため、従前の宅地について使用し、又は収益することができなくなつたことにより損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることができる。(R6-20-4)土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、当該仮換地について使用又は収益を開始することができる日を当該仮換地の効力発生の日と同一の日として定めなければならない。(H30-21-4)施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。(H28-21-3)施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。(H14-22-1) - [誤り]。仮換地の指定があった日ではありません。換地処分の公告があると、施行者は変動があった土地・建物について登記の申請を行います。この変動に係る登記の完了までには一定の作業期間を要しますが、その間に他の登記がされると権利関係が複雑になってしまうため、換地処分の公告日から変動の登記がされるまでの間は、原則として他の登記をすることはできません(土地区画整理法107条3項)。
第百三条第四項の公告があつた日後においては、施行地区内の土地及び建物に関しては、前項に規定する登記がされるまでは、他の登記をすることができない。但し、登記の申請人が確定日付のある書類によりその公告前に登記原因が生じたことを証明した場合においては、この限りでない。
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