宅建試験過去問題 令和7年試験 問15
問15
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区であり、当該地区内における建築物の建築について、政令の定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
- 特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区である。
- 近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域である。
- 生産緑地地区は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地区である。
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正解 4
問題難易度
肢16.1%
肢221.7%
肢311.3%
肢460.9%
肢221.7%
肢311.3%
肢460.9%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:1 - 都市計画法
解説
- 正しい。風致地区は、都市の風致(自然的な景観)を維持するために、建築物の建築や色彩の変更、宅地造成等、埋立て、木竹の伐採等について規制をする地区です。風致地区内における建築物の建築について、地方公共団体は条例で必要な規制をすることができます(都市計画法58条1項)。
京都の「嵐山」や「鎌倉地域」、都内では「明治神宮内外苑」などが典型例です。風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
- 正しい。特定街区は、市街地の整備改善を図るために街区単位で整備や造成を行う地区です。特定街区内の建築物については、建蔽率、容積率、斜線制限が適用除外となり、都市計画で定めた①容積率、②高さの最高限度、③壁面の位置の制限内で建築物が建築されます(都市計画法9条20項)。
主に都市の中心部で超高層ビル群が建てられる地区であり、代表的な例としては、霞が関ビルを中心とする霞が関地区、西新宿二丁目、池袋サンシャインシティ周辺などがあります。特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区とする。
- 正しい。近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域です(都市計画法9条9項)。住宅地の周辺に設定される小規模な商業活動が中心となる地域で、地方都市の商店街、郊外の駅前通りといったイメージです。
近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域とする。
近隣商業地域は、主として商業その他の業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする。(R3⑫-15-1) - [誤り]。記述は「田園住居地域」の定義です(都市計画法9条8項)。生産緑地地区は、市街化区域の農地であって、良好な生活環境の確保に効用があり、かつ、公共施設等の敷地の用に供する土地として適した土地(500㎡以上)を都市計画に定めたものです(生産緑地法3条1項)。生産緑地地区では建築等の行為が市町村長の許可制となり、農地としての管理が義務付けられます。
田園住居地域は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
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