宅建試験過去問題 令和2年12月試験 問15

問15

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。
  2. 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。
  3. 都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。
  4. 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。

正解 2

問題難易度
肢116.1%
肢253.8%
肢315.4%
肢414.7%

解説

  1. 誤り。都市施設のうち、市街化区域または非線引き区域内に少なくとも定めることが必要とされているのは道路、公園及び下水道です(都市計画法13条1項11号)。本肢は、「公園」が不足しており「病院」が余分です。
    都市施設は、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとし、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び田園住居地域については、義務教育施設をも定めるものとする。
    準都市計画区域については、用途地域が定められている土地の区域であっても、市街地開発事業に関する都市計画を定めることができない。R6-15-2
    市街化区域については,都市計画に,少なくとも用途地域を定めるものとされている。R4-15-1
    市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。R2⑫-15-2
    市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。H30-16-3
    準都市計画区域においても、用途地域が定められている土地の区域については、市街地開発事業を定めることができる。H26-15-3
    市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。H22-16-1
    土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業は、市街化調整区域内において施行されることはない。H12-21-2
  2. [正しい]。市街地開発事業は、市街化区域または非線引き区域内のみ定めることができます(都市計画法13条1項12号)。市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域であって、市街地開発事業を定めるとそれに矛盾が生じるからです。
    市街地開発事業は、市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について定めること。
    準都市計画区域については、用途地域が定められている土地の区域であっても、市街地開発事業に関する都市計画を定めることができない。R6-15-2
    市街化区域については,都市計画に,少なくとも用途地域を定めるものとされている。R4-15-1
    市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。R2⑫-15-1
    市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。H30-16-3
    準都市計画区域においても、用途地域が定められている土地の区域については、市街地開発事業を定めることができる。H26-15-3
    市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。H22-16-1
    土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業は、市街化調整区域内において施行されることはない。H12-21-2
  3. 誤り。都市計画区域を指定するのは都道府県です。指定の際には、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければなりません(都市計画法5条3項)。
    都道府県は、前二項の規定により都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。
  4. 誤り。高度地区は、建築物の高さを制限する地区で、準都市計画区域に定めることができます(都市計画法8条2項)。
    ちなみに、似た名称ですが「高度利用地区」は準都市計画区域に定めることができません。準都市計画区域は、現状の土地利用を整序し、環境を保存するために定められるので、都市化する高度利用とは馴染みませんよね。このヒッカケは頻出ですので覚えておきましょう。
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    準都市計画区域については、都市計画に、前項第一号から第二号の二まで、第三号(高度地区に係る部分に限る。)、第六号、第七号、第十二号(都市緑地法第五条の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)又は第十五号に掲げる地域又は地区を定めることができる。
    準都市計画区域については、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、都市計画に市街化区域と市街化調整区域との区分を定めなければならない。H30-16-4
    準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。H28-16-2
    準都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、区域区分を定めることができる。H27-16-2
    準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることはできるが、高度利用地区を定めることができないものとされている。H23-16-2
したがって正しい記述は[2]です。