保証協会(全24問中1問目)

No.1

宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
令和5年試験 問44
  1. 保証協会の社員は、自らが取り扱った宅地建物取引業に係る取引の相手方から当該取引に関する苦情について解決の申出が保証協会にあり、保証協会から関係する資料の提出を求められたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。
  2. 保証協会は、社員がその一部の事務所を廃止したことに伴って弁済業務保証金分担金を当該社員に返還しようとするときは、弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に認証を受けるため申し出るべき旨の公告を行わなければならない。
  3. 保証協会は、宅地建物取引業者の相手方から、社員である宅地建物取引業者の取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する損害の還付請求を受けたときは、直ちに弁済業務保証金から返還しなければならない。
  4. 保証協会は、手付金等保管事業について国土交通大臣の承認を受けた場合、社員が自ら売主となって行う宅地又は建物の売買で、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前における買主からの手付金等の受領について、当該事業の対象とすることができる。

正解 1

問題難易度
肢175.1%
肢29.6%
肢36.4%
肢48.9%

解説

  1. [正しい]。保証協会は、社員が取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について解決の申出があったときは、必要に応じては当該社員に対して文書または口頭による説明や、資料の提出を求めることができます。当該社員は正当な理由がある場合を除き、この求めを拒むことができません(宅建業法64条の5第2項・3項)。
    2 宅地建物取引業保証協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該社員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
    3 社員は、宅地建物取引業保証協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。
    保証協会の社員は、自らが取り扱った宅地建物取引業に係る取引の相手方から当該取引に関する苦情について解決の申出が保証協会にあり、保証協会から関係する資料の提出を求められたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。R4-41-ウ
    保証協会の社員は、自らが取り扱った宅地建物取引業に係る取引の相手方から当該取引に関する苦情について解決の申出が保証協会にあり、保証協会から説明を求められたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。R3⑫-39-4
    保証協会の社員である宅地建物取引業者は、取引の相手方から宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について解決の申出が当該保証協会になされ、その解決のために当該保証協会から資料の提出の求めがあったときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。R3⑩-31-2
    保証協会は、Aの取引の相手方から宅地建物取引業に係る取引に関する苦情を受けた場合は、Aに対し、文書又は口頭による説明を求めることができる。H30-44-2
  2. 誤り。保証協会の社員が一部の事務所を廃止したときは、公告なしで弁済業務保証金分担金の返還を受けることができます(宅建業法64条の11第2項)。ただし、社員の地位を失ったときは公告が必要です。
    宅地建物取引業保証協会は、前項の規定により弁済業務保証金を取りもどしたときは、当該社員であつた者又は社員に対し、その取りもどした額に相当する額の弁済業務保証金分担金を返還する。
    Aは、その一部の事務所を廃止したときは、保証協会が弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をした後でなければ、弁済業務保証金分担金の返還を受けることができない。H30-44-4
    保証協会は、Aがその一部の事務所を廃止したため弁済業務保証金分担金をAに返還しようとするときは、弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に保証協会の認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならない。H12-45-4
  3. 誤り。直ちに返還とはなりません。還付請求権者が弁済業務保証金から弁済を受けるためには、保証協会に申し出て認証を受けなければなりません(宅建業法64条の8第2項)。保証協会が認証をする際には、形式的・実体的に還付対象債権に該当するどうかなどの審査手続きが行われるので、すぐに返還されるわけではありません。
    前項の権利を有する者がその権利を実行しようとするときは、同項の規定により弁済を受けることができる額について当該宅地建物取引業保証協会の認証を受けなければならない。
    保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。R2⑫-30-4
    保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し還付請求をしなければならない。R2⑩-36-2
    保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、弁済を受ける権利を実行しようとする場合、弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受けなければならない。H24-43-4
    保証協会の社員である宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し、還付請求をしなければならない。H22-43-2
    Aと宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、保証協会の認証を受けるとともに、必ず保証協会に対し還付請求をしなければならない。H15-42-2
    Aは、弁済業務保証金についてCに関する権利を実行する場合は、宅地建物取引業保証協会の認証を受けなければならない。H14-33-3
  4. 誤り。未完成物件に関する保全措置では、指定保管機関との手付金等寄託契約は認められていません。保証協会は、手付金等保管事業を行うことができます(宅建業法64条の3第2項2号)。手付金等保管事業について国土交通大臣の承認を受けると指定保管機関となり、完成物件に係る手付金等の保全措置について売主業者から手付金等を預かることができます。しかし、未完成物件に係る手付金等を預かることはできません(宅建業法41条の2第1項)。
    宅地建物取引業保証協会は、前項の業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。

    二 手付金等保管事業
    保証協会は、そのすべての社員に対して、当該社員が受領した支払金や預り金の返還債務を負うことになったときに、その債務を連帯して保証する業務及び手付金等保管事業を実施することが義務付けられている。H21-44-4
したがって正しい記述は[1]です。