37条書面(全40問中26問目)

No.26

宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものの組合せはどれか。なお、書面の交付には、契約の各当事者の承諾を得て行う電磁的方法による提供を含むものとする。
  1. Aが売主として宅地建物取引業者Bの媒介により、土地付建物の売買契約を締結した場合、Bが37条書面を作成し、その宅地建物取引士をして当該書面に記名させれば、Aは、宅地建物取引士による37条書面への記名を省略することができる。
  2. Aがその媒介により、事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合、当該公正証書とは別に37条書面を作成して交付するに当たって、宅地建物取引士をして記名させる必要はない。
  3. Aが売主としてCとの間で売買契約を成立させた場合(Cは自宅を売却して購入代金に充てる予定である。)、AC間の売買契約に「Cは、自宅を一定の金額以上で売却できなかった場合、本件売買契約を無条件で解除できる」旨の定めがあるときは、Aは、37条書面にその内容を記載しなければならない。
平成26年試験 問42
  1. ア、イ
  2. ア、ウ
  3. イ、ウ
  4. ア、イ、ウ

正解 1

問題難易度
肢178.1%
肢28.3%
肢37.1%
肢46.5%

解説

  1. 誤り。一つの宅地建物の取引に複数の宅地建物取引業者が関与する場合には、当該取引に関与した全ての宅地建物取引業者が、売主、媒介人等の立場から37条書面の交付や宅地建物取引士による記名の義務を負います。37条書面をどちらかの業者が代表して作成するとしても、37条書面には全ての業者の宅地建物取引士の記名が必要となります。よって、Aの宅地建物取引士の記名を省略することはできません。
  2. 誤り。37条書面には宅地建物取引士の記名が必要です。例外はないので、公正証書で契約した場合であっても、37条書面への記名を省略することはできません。
  3. 正しい。本肢はいわゆる「買い換え特約」と呼ばれるものです。契約の解除に関する定めなので、その内容を37条書面に記載しなければなりません(宅建業法37条1項7号)。似た約定として「住宅ローン特約」がありますが、こちらも37条書面の記載事項となります。
    土地付建物の売主Aは、買主が金融機関から住宅ローンの承認を得られなかったときは契約を無条件で解除できるという取決めをしたが、自ら住宅ローンのあっせんをする予定がなかったので、37条書面にその取決めの内容を記載しなかった。R1-36-ウ
    Aがその媒介により契約を成立させた場合において、契約の解除に関する定めがあるときは、当該契約が売買、貸借のいずれに係るものであるかを問わず、37条書面にその内容を記載しなければならない。R1-36-エ
    Aは、媒介により宅地の売買契約を成立させた場合において、契約の解除に関する定めがあるにもかかわらず、37条書面にその内容を記載しなかった。H29-38-3
    土地付建物の売買契約において、買主が金融機関から住宅ローンの承認を得られなかったときは契約を無条件で解除できるという取り決めがある場合、当該売買の媒介を行う宅地建物取引業者は、自ら住宅ローンのあっせんをする予定がなくても、37条書面にその取り決めの内容を記載する必要がある。H22-34-3
    宅地建物取引業者が、その媒介により契約を成立させた場合において、契約の解除に関する定めがあるときは、当該契約が売買、貸借のいずれに係るものであるかを問わず、37条書面にその内容を記載しなければならない。H21-35-4
したがって誤っているものの組合せは「ア、イ」です。