固定資産税(全12問中4問目)

No.4

固定資産税に関する次の記述のうち、地方税法の規定によれば、正しいものはどれか。
令和元年試験 問24
  1. 居住用超高層建築物(いわゆるタワーマンション)に対して課する固定資産税は、当該居住用超高層建築物に係る固定資産税額を、各専有部分の取引価格の当該居住用超高層建築物の全ての専有部分の取引価格の合計額に対する割合により按分した額を、各専有部分の所有者に対して課する。
  2. 住宅用地のうち、小規模住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額とされている。
  3. 固定資産税の納期は、他の税目の納期と重複しないようにとの配慮から、4月、7月、12月、2月と定められており、市町村はこれと異なる納期を定めることはできない。
  4. 固定資産税は、固定資産の所有者に対して課されるが、質権又は100年より永い存続期間の定めのある地上権が設定されている土地については、所有者ではなくその質権者又は地上権者が固定資産税の納税義務者となる。

正解 4

問題難易度
肢110.6%
肢28.6%
肢37.7%
肢473.1%

解説

  1. 誤り。いわゆるタワーマンションと呼ばれるような高さ60mを超える「居住用超高層建築物」については、2018年に固定資産税の算定方法見直しがありました。
    従前と変わらず、マンション全体の固定資産税額を各専有部分の床面積で按分することは同じですが、新たに補正率を乗じることで高層階では高く、低層階では安くなるようにし、取引単価の傾向が反映されるようになりました(地方税法352条2項)。
  2. 誤り。3分の1ではありません。住宅用地のうち小規模住宅用地(1戸当たり200㎡以下の部分)については、固定資産税の課税標準を6分の1にして税額を計算します。小規模住宅用地以外の一般住宅用地(200㎡超の部分)については3分の1です(地方税法349条の3の2)。
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    住宅用地のうち小規模住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額である。R3⑫-24-4
    200㎡以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、課税標準となるべき価格の2分の1の額とする特例措置が講じられている。R2⑫-24-4
    住宅用地のうち小規模住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額である。H25-24-3
    200㎡以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、価格の1/2の額とする特例措置が講じられている。H14-28-2
  3. 誤り。固定資産税の納期は、他の税目の納期と重複しないようにとの配慮から、4月、7月、12月、2月と定められています。ただし、特別の事情がある場合はこれと異なる納期を定めることもできます(地方税法362条1項)。
    固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月のそれぞれ末日であり、市町村がこれと異なる納期を定めることはできない。H14-28-4
  4. [正しい]。原則として固定資産税は、固定資産の所有者に対して課されます。ただし、質権又は100年より永い存続期間の定めのある地上権が設定されている土地については、所有者ではなくその質権者又は地上権者が固定資産税の納税義務者となります(地方税法343条1項)。
    固定資産税は、固定資産の所有者に課するのが原則であるが、固定資産が賃借されている場合は、当該固定資産の賃借権者に対して課される。R4-24-4
    固定資産税は、固定資産が賃借されている場合、所有者ではなく当該固定資産の賃借人に対して課税される。H29-24-1
したがって正しい記述は[4]です。