盛土規制法(全23問中10問目)

No.10

宅地造成及び特定盛土等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
平成28年試験 問20
  1. 宅地造成等工事規制区域外に盛土によって造成された一団の造成宅地の区域において、造成された盛土の高さが5m未満の場合は、都道府県知事は、当該区域を造成宅地防災区域として指定することができない。
  2. 宅地造成等工事規制区域内において、切土又は盛土をする土地の面積が600㎡である場合、その土地における排水施設は、政令で定める資格を有する者によって設計される必要はない。
  3. 宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、高さが2mを超える擁壁を除却する工事を行おうとする者は、一定の場合を除き、その工事に着手する日の14日前までにその旨を都道府県知事に届け出なければならない。
  4. 宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地を宅地に転用した者は、一定の場合を除き、その転用した日から14日以内にその旨を都道府県知事に届け出なければならない。

正解 1

問題難易度
肢148.4%
肢224.4%
肢39.5%
肢417.7%

解説

  1. [誤り]。造成宅地防災区域として指定できる区域は、宅地造成等工事規制区域外の一団の造成宅地で次のいずれかの基準を満たす場所です(盛土規制法令35条1項)。
    1. 盛土をした面積が3,000㎡以上、かつ、盛土により地下水位が盛土をする前の地盤面の高さを超えている
    2. 盛土をする前の地盤面が水平面に対し20度以上の角度であり、かつ、盛土の高さが5m以上である
    3. 切土・盛土により、地盤の変動、擁壁の沈下、崖の崩落等が生じている
    盛土の高さが5m未満であっても、造成宅地防災区域として指定できる場合もあるので本肢は誤りです。
    宅地造成等工事規制区域外に盛土によって造成された一団の造成宅地の区域において、造成された盛土の高さが5m未満の場合は、都道府県知事は、当該区域を造成宅地防災区域として指定することができない。R4-19-4
  2. 正しい。宅地造成等工事規制区域内で行う宅地造成等に伴う災害防止措置のうち、有資格者による設計が求められるのは次の2つです(盛土規制法令21条)。
    1. 高さ5mを超える擁壁の設置
    2. 切土・盛土をする面積が1,500㎡を超える土地における排水施設の設置
    本肢の土地は、切土・盛土の対象面積が600㎡ですから、排水施設は有資格者によって設計される必要はありません。
    法第十三条第二項(法第十六条第三項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の政令で定める措置は、次に掲げるものとする。
    一 高さが五メートルを超える擁壁の設置
    二 盛土又は切土をする土地の面積が千五百平方メートルを超える土地における排水施設の設置
    宅地造成等工事規制区域内において宅地造成等に関する工事を行う場合、宅地造成等に伴う災害を防止するために行う高さ5mを超える擁壁に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。R3⑫-19-3
    宅地造成等工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行う場合、宅地造成に伴う災害を防止するために行う高さが5mを超える擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。R2⑫-19-2
    宅地造成等工事規制区域内において宅地造成等に関する工事を行う場合、宅地造成等に伴う災害を防止するために行う高さ4mの擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。H25-19-1
  3. 正しい。宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、次の3つの施設の除却工事を行おうとする者は、その工事が許可済である場合を除き、工事に着手する日の14日前までに都道府県知事に届け出なければなりません(盛土規制法21条3項盛土規制法令26条1項)。
    • 高さ2mを超える擁壁・崖面崩壊防止施設
    • 地表水等を排除するための排水施設
    • 地滑り抑止ぐい等
    宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。以下この章において同じ。)において、擁壁等に関する工事その他の工事で政令で定めるものを行おうとする者(第十二条第一項若しくは第十六条第一項の許可を受け、又は同条第二項の規定による届出をした者を除く。)は、その工事に着手する日の十四日前までに、主務省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
    法第二十一条第三項の政令で定める工事は、擁壁若しくは崖面崩壊防止施設で高さが二メートルを超えるもの、地表水等を排除するための排水施設又は地滑り抑止ぐい等の全部又は一部の除却の工事とする。
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、雨水その他の地表水又は地下水を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となる。R4-19-1
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となるが、当該を除却する工事を行おうとする場合は、都道府県知事に届け出る必要はない。H29-20-4
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、地表水等を排除するための排水施設の除却の工事を行おうとする者は、宅地造成等に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。H22-20-3
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、高さが3mの擁壁の除却工事を行う場合には、盛土規制法に基づく都道府県知事の許可が必要な場合を除き、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならず、届出の期限は工事に着手する日の前日までとされている。H20-22-2
    宅地造成等工事規制区域内の公共施設用地を除く土地において、擁壁に関する工事を行おうとする者は、法第12条第1項の工事の許可を受けなければならない場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。H18-23-1
  4. 正しい。宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地(道路・公園・河川等)を宅地に転用した者は、その転用が許可済であるときを除き、転用した日から14日以内に都道府県知事に届け出なければなりません(盛土規制法21条4項)。
    宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地を宅地又は農地等に転用した者(第十二条第一項若しくは第十六条第一項の許可を受け、又は同条第二項の規定による届出をした者を除く。)は、その転用した日から十四日以内に、主務省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
    宅地造成及び特定盛土等規制法によれば、宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地を宅地に転用する者は、宅地造成に関する工事を行わない場合でも、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。H14-24-2
したがって誤っている記述は[1]です。