売買契約(全31問中20問目)
No.20
宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合のAの責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。平成20年試験 問9
- 売買契約で、Aが甲土地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を一切負わない旨を合意したとしても、Aは甲土地の引渡しの日から2年間は、当該責任を負わなければならない。
- 甲土地に設定されている抵当権が実行されてBが所有権を失った場合、Bが甲土地に抵当権が設定されていることを知っていたとしても、BはAB間の売買契約を解除することができる。
- Bが甲土地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を追及する場合には、不適合を知った時から1年以内にAの当該責任を追及する意思を裁判外で明確に告げていればよく、1年以内に訴訟を提起して当該責任を追及するまでの必要はない。
- 売買契約で、甲土地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について、Aは甲土地の引渡しの日から2年以内にその不適合についてBから通知を受けたときのみ当該責任を負う旨を合意したとしても、Aが知っていたのにBに告げなかった不適合については、当該責任に基づく損害賠償請求権が時効で消滅するまで、Bは当該損害賠償を請求できる。
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正解 1
問題難易度
肢154.4%
肢218.1%
肢314.9%
肢412.6%
肢218.1%
肢314.9%
肢412.6%
分野
科目:1 - 権利関係細目:8 - 売買契約
解説
- [誤り]。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約を締結する際には、契約不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、民法の規定よりも不利な特約は禁止されます(宅建業法40条)。「不適合を担保すべき責任を一切負わない」特約はこれに反する特約として無効となるため、民法の規定どおり、買主は契約不適合を発見した時から1年以内に売主に通知すればOKとなります(民法566条)。
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
- 正しい。抵当権の実行により売買目的物の所有権を失ったときは、権利が移転されなかったとして買主は売主の担保責任を追及できます(民法565条)。これにより、契約解除や損害賠償請求等が可能です。
前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。
Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら、抵当権が登記されていることを内容に含まない本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。(H28-6-3)Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら、抵当権が登記されていることを内容に含まない本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失ったときは、Bは、本件契約を解除することができる。(H28-6-4)買主が、契約の内容となっていない抵当権が存在していることを知りつつ不動産の売買契約を締結し、当該抵当権の行使によって買主が所有権を失った場合には、買主は、売買契約の解除はできるが、売主に対して損害賠償請求はできない。(H17-9-3) - 正しい。買主が売主の契約不適合を担保すべき責任を追及するには、その不適合を知ったときから1年以内に売主に通知すれば足ります。訴訟提起の必要はありません(民法566条、最判平4.10.20)。
瑕疵担保による損害賠償請求権を保存するには、右請求権の除斥期間内に、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げることをもつて足り、裁判上の権利行使をするまでの必要はない。
目的物の引渡しの時点で目的物が品質に関して契約の内容に適合しないことをAが知っていた場合には、当該不適合に関する請求権が消滅時効にかかっていない限り、BはAの担保責任を追及することができる。(R3⑫-4-4)売買契約で、甲土地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について、Aは甲土地の引渡しの日から2年以内にその不適合についてBから通知を受けたときのみ当該責任を負う旨を合意したとしても、Aが知っていたのにBに告げなかった不適合については、当該責任に基づく損害賠償請求権が時効で消滅するまで、Bは当該損害賠償を請求できる。(H20-9-4)売買契約に、種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を通知すべき期間について特約を設けていない場合、Bが種類又は品質に関して担保責任を追及するときは、その不適合があることを知った時から1年以内にAに通知しなければならない。(H19-11-4)Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、契約締結から1年以内に担保責任の追及を行わなければ、AはBに対して担保責任を追及することができなくなる。(H15-10-3)Bが、Aに対し、この不適合に基づく権利を行使するには、Bが不適合を知った時から1年以内にAに通知しなければならない。(H14-9-3) - 正しい。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約では、契約不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間について、引渡しの日から2年以上とする旨の合意が可能です。ただし、売主が引渡しの際に不適合の存在を知り、または重大な過失により知らなかった不適合については、当該責任の追及権が時効で消滅するまで買主からの損害賠償請求を免れることができません(民法566条)。目的物の引渡しの時点で目的物が品質に関して契約の内容に適合しないことをAが知っていた場合には、当該不適合に関する請求権が消滅時効にかかっていない限り、BはAの担保責任を追及することができる。(R3⑫-4-4)Bが甲土地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を追及する場合には、不適合を知った時から1年以内にAの当該責任を追及する意思を裁判外で明確に告げていればよく、1年以内に訴訟を提起して当該責任を追及するまでの必要はない。(H20-9-3)売買契約に、種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を通知すべき期間について特約を設けていない場合、Bが種類又は品質に関して担保責任を追及するときは、その不適合があることを知った時から1年以内にAに通知しなければならない。(H19-11-4)Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、契約締結から1年以内に担保責任の追及を行わなければ、AはBに対して担保責任を追及することができなくなる。(H15-10-3)Bが、Aに対し、この不適合に基づく権利を行使するには、Bが不適合を知った時から1年以内にAに通知しなければならない。(H14-9-3)
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