区分所有法(全25問中18問目)

No.18

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成21年試験 問13
  1. 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。また、招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
  2. 法又は規約により集会において決議をすべき場合において、これに代わり書面による決議を行うことについて区分所有者が1人でも反対するときは、書面による決議をすることができない。
  3. 建替え決議を目的とする集会を招集するときは、会日より少なくとも2か月前に、招集通知を発しなければならない。ただし、この期間は規約で伸長することができる。
  4. 他の区分所有者から区分所有権を譲り受け、建物の専有部分の全部を所有することとなった者は、公正証書による規約の設定を行うことができる。

正解 4

問題難易度
肢110.0%
肢217.1%
肢315.0%
肢457.9%

解説

  1. 正しい。管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集する必要があります。集会を招集する際は、集会の日より少なくとも1週間前(規約で変更可能)に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に通知しなければなりません(区分所有法34条2項区分所有法35条1項)。
    管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。
    集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
    管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。H29-13-1
    管理者は、少なくとも毎年2回集会を招集しなければならない。また、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、集会の招集を請求することができる。H20-15-1
  2. 正しい。書面または電磁的方法で集会の決議をすることができるのは、区分所有者全員の承諾があるときに限られます。1人でも区分所有者が反対している場合は書面による決議をすることはできません(区分所有法45条1項)。
    この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。
    法又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者が1人でも反対するときは、集会を開催せずに書面によって決議をすることはできない。R3⑩-13-1
  3. 正しい。建替えを会議の目的とする集会を招集する場合は、集会の日より少なくとも2カ月前に各区分所有者の通知する必要があります。この期間は、規約で伸長することができますが短縮することはできません。区分所有者に十分な熟慮期間を与えるためです(区分所有法62条4項)。
    第一項に規定する決議事項を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
  4. [誤り]。公正証書による規約の設定を行うことができるのは、最初に専有部分の全部を所有する者(デベロッパーや分譲業者)に限られます(区分所有法32条)。本肢にように「他の区分所有者から区分所有権を譲り受け」て全部を所有することになった者は、公正証書による規約の設定を行うことはできません。
    最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、第四条第二項、第五条第一項並びに第二十二条第一項ただし書及び第二項ただし書(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規約を設定することができる。
    最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分(数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分)の規約を設定することができる。R3⑫-13-2
    最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、建物の共用部分を定める規約を設定することができる。H19-15-2
    最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。H13-15-1
したがって誤っている記述は[4]です。