不動産登記法(全27問中14問目)
No.14
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。平成25年試験 問14
- 所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
- 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者である全ての登記名義人が共同してしなければならない。
- 敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得ることなく、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができる。
- 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
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正解 3
問題難易度
肢16.1%
肢211.6%
肢366.2%
肢416.1%
肢211.6%
肢366.2%
肢416.1%
分野
科目:1 - 権利関係細目:17 - 不動産登記法
解説
- 正しい。不動産の所有者について相続や合併等の一般承継があった場合には、相続人その他の一般承継人は、被承継者がすべきだった表示に関する登記を申請することができます(不動産登記法30条)。不動産に変更や滅失があった後に、表示に関する登記をしないまま死亡してしまった場合には、相続人等が代わってその登記を申請できる旨の規定です。
表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、当該表示に関する登記を申請することができる。(R2⑫-14-1) - 正しい。共有者同士の契約により、5年を超えない期間内で共有物の分割を禁じることが認められています(民法256条)。権利の登記については登記義務者と登記権利者の共同申請が原則ですが、共有物分割禁止の権利の変更は、誰が登記義務者で誰が登記権利者なのか明確でないので、共有者である登記名義人全員の共同申請(合同申請といいます)によってすることになっています(不動産登記法65条)。
共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。
- [誤り]。本来は所有権保存登記のない建物の取得があった場合、表題部所有者に所有権保存登記をしてもらった後、買主等と共同で所有権の移転登記をする手順となります。しかし、原始取得者以外に取得されることを前提とする区分建物では、登記手続きを1回で済ませるために、表題部所有者から所有権を取得した者が直接所有権保存登記を申請することができます。この場合、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければなりません(不動産登記法74条2項)。
区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。
- 正しい。所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合には、当該第三者の承諾があるときでなければ申請できません(不動産登記法109条1項)。例えば、A→Bに所有権移転の仮登記がなされ、その後、A→Cへ譲渡と所有権移転登記があった場合、仮登記に基づく本登記により権利を失うCの承諾が必要となります。所有権に関するものに限り利害関係者の承諾が必要であり、抵当権その他所有権以外の権利の本登記については、利害関係を有する第三者がいても承諾は不要です。
所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
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