債務不履行の契約解除にあたっての第三者保護

あいさん
(No.1)
「AさんがBさんに土地を売る契約をしました。しかし、Bさんがお金を払ってくれないのでAさんは契約を解除しました。しかし、実はBさんは契約解除前にCさんに土地を売ってしまいました。ただ、CさんはBさんがAさんにお金を払っていない事を知っていました。この時Aさんは、Cさんに土地の所有権を主張できますか?」
という場面で、CさんがAさんとBさんとの債務不履行の原因について知っているかどうかは(善意悪意)関係なく、Cさんが、AさんとBさんの契約解除前に登記を済ませていれば、AさんはCさんに土地の所有権を主張できない、とテキストに載っています。
なぜCさんの善意悪意は関係ないのでしょうか?
感情的な話になりますが、私がAさんなら「Cさん、知ってるくせにヒドイ」と思います…。
お金が払ってもらえない時点でさっさと契約の解除をしないAさんにも落ち度があるということでしょうか?
どなたかわかる方いらっしゃいましたら教えていただけるとありがたいです。
2025.03.09 11:37
アンチモンさん
(No.2)
大前提ですが、テキストの記載通り、覚えるべきことはこれだけでいいはずです。
なので個人的にはこれ以上深掘っても実入りは少ないと思います。
>なぜCさんの善意悪意は関係ないのでしょうか?
民法177条にそう記述されていないからとしかいえません。
昭和32年9月19日の判例を引用すると「Cさんが知っていたとしても、それだけでCさんが"登記の欠缺を主張する第三者ではない"とはいえないし、民法177条も第三者の善意を要求していません」となります。
つまり、背信的悪意者はアウトだけど、単純悪意者はセーフという解釈が出来ます。
>お金が払ってもらえない時点でさっさと契約の解除をしないAさんにも落ち度があるということでしょうか?
落ち度があるかは判りませんが、Aさん視点で顛末を予想してみましょう。
債務の履行を拒絶したBさんに損害賠償請求出来ます(415条)
Bさんが原因で発生した損害や利息も合わせて請求出来ます(416条)
Bさんの財産を差し押さえることも出来ます(304条)
BさんがCさんに履行請求しないまま無一文になった時はCさんに直接請求できます(423条)
当たり前ですが、Cさんは不法に土地を奪取したわけではないのでBさんに債務を履行する義務がありますよね。
そして、Aさんは土地を返して欲しいわけではなく、金さえゲット出来れば満足します(意訳)
必ずしもAさんが丸損するという悲しい結末にはならないはずです多分。
2025.03.09 15:29
勉強嫌いの宅建士さん
(No.3)
(CがA→Bの債務不履行を知っている場合)
なぜ、登記の前後で決するか説明します。
取引の安全と権利義務の早期確定が目的です。
取引の安全とは、不動産は、大体の場合ローンを使用して購入します。
悪意を要件にすると、所有権がAに戻ってしまう可能性があります。
ローンが完済しなければ不動産の流通に制限がかかり、
買主は、無権利者になり引っ越しや家屋の取壊しなどの経済的リスクもあります。
権利義務の早期確定とは、Cが悪意の場合、Cの所有権が確定するのはいつになるか?という問題があります。
また、上記の例でCが善意だった場合、C→Dに転売し、DがA→Bの債務不履行を知っている場合も同様です。
このようになると、新たに買主が現れるたびに善悪の判断して、Aに所有権が戻ってしまう可能性が出てきます。
だから、債務不履行が悪意の場合でも登記を基準に所有権が早期確定することで、経済が安定します。
>感情的な話になりますが、私がAさんなら「Cさん、知ってるくせにヒドイ」と思います…。
>お金が払ってもらえない時点でさっさと契約の解除をしないAさんにも落ち度があるということでしょうか?
法律とは、感情の話ではなく、トラブルが発生したときの解決方法のルールブックです。
そもそも、債務不履行になる状態を避ける努力をしないAに落ち度があると思う。
銀行から借り入れて、一括で代金をもらうようにし、あとは、銀行とBが抵当権設定契約を締結すれば、不履行の問題にはならない。
不履行になった場合は、同時履行の抗弁権を行使し、A→Bへの登記を拒絶すればいいだけの
話です。
それでも、所有権移転登記をしたAに落ち度があると思う。
2025.03.09 15:36
あいさん
(No.4)
まず、テキストに書いてある通りに覚えて、数日後に同じ問題を解こうとするともう忘れてしまいます。
他のケースとごちゃ混ぜになってしまい、わからなくなってしまいます。理由がわかれば覚えやすいので質問させていただきました。なので自分にとっては十分実りがあるのです。
Aさんは土地じゃなくてお金が欲しい、だからBさんに賠償請求したりするなどの方法をとることもできるということですね。
そして、例えば悪意で判断するとなると所有権がAさんに戻った場合、所有権はAさんなのに土地を買った時にCさんがローンを組んでいれば、いろいろ不都合が出てくる、ということでしょうか…。
登記を基準に権利を早期確定をすることが大事で、悪意で判断してしまうと、そのまた後に不動産を買った人にも影響が出てくるということですね。
おっしゃる通り、確かに全額払ってもらっていないのに所有権を移転してしまうAさんにも落ち度はありますね。
勉強になりました。ありがとうございました。
2025.03.09 16:44
広告
広告
返信投稿用フォーム
広告