普通抵当権は将来発生する権利にも設定できる件
あいさん
(No.1)
意味がわからなかったのでネットで調べたら例えば住宅ローンで返済できず、保証会社が銀行にそのお金を一旦払い、保証会社は債務者にお金を返済して欲しいと主張する権利（求償債権）が持てて、その権利に設定する、とありました。
なんでお金を払って欲しいと主張できる権利に抵当権を設定するのでしょうか？
不動産に抵当権が付いているので、不動産を売ってそのお金で保証会社に返済して終わりってイメージなのですが…。
わかる方いらっしゃいましたら教えていただけるとありがたいです。
2025.01.19 12:09
たぶんさん
(No.2)
まず保証会社の存在意義を整理します。
保証会社は債務者(住宅ローンを借りた人)が債務不履行になった時、債権者(住宅ローンを貸した人＝銀行)に残債務(残った借金)を返済します。
なぜそんな事をするかと言えば、抵当権が実行されて家が無くなれば債務者は困ってしまうので、手数料を払ってでも保証会社を用意してもしもの時に備えるのです。
万が一債務者がローンを返せずに債務不履行となった場合、債権者としてはお金が返って来さえすれば、それが誰からの支払いか何てどうでも良いので債権者(銀行)この話からは退場します。
保証会社としては債務者の代わりに残債務を支払った訳ですから当然債務者に対して、立て替えたお金を返して欲しいと言うと思います。この「立て替えたお金を返して欲しい」という権利を「求償権」と言います。
この求償権は債務者が滞りなく返済して入れば発生しませんが、返済が滞り保証会社が立て替えをしたら発生する「将来発生する可能性がある債権」です。
この将来発生する債権にも抵当権を設定出来るというルールが存在します。
ではなぜ「住宅ローンの返済」という債権に抵当権を設定せず、こんなめんどくさい事をするのかと言うと、
1つは「債務者にもう一度チャンスを与えるため」です。抵当権が実行されれば住むところが無くなってしまい、大変な事になります。なので、銀行から怒られても一回は保証会社が守ってくれる様に「求償権」に抵当権を設定するのです。
2つ目は「競売はめんどくさい上に安い」という事です。通常の売却で有れば良い買い手が見つかるまで待てますが、競売はオークファンなのでたまたま欲しい人が複数人居てくれないと値段は上がりにくいです。その上手続きがめんどくさいので出来れば誰も競売なんてしたく無いのです(競売は最終手段です)。
これらの事から「求償権に抵当権を設定する」というまどろっこしい事をしているのです。
2025.01.19 15:32
あいさん
(No.3)
いきなり住む家が無くなると困るから、一旦は求償権に抵当権を設定して債務者さんが返済するのを待つ…、というイメージでしょうか。
①銀行からお金を借りると同時に保証会社が債務者の不動産（家と土地）に抵当権を設定
↓
②返済できなくなった
↓
③保証会社が立て替えて銀行にお金を払い、今度は債務者が保証会社からお金を借りているような状態→保証会社は債務者に返してと言える→求償権がある状態→求償権に抵当権設定
④それでも返済できない
↓
⑤競売
①の抵当権だけじゃなく念の為に求償権にも設定しますよ、というイメージかと思いました。
求償権に抵当権を設定しなかったらすぐに①の抵当権を実行しなくてはいけなくなるのかな、と思いました。理解不足ですみません…。
ともかくご回答いただき、ありがとうございました。
2025.01.19 16:20
たぶんさん
(No.4)
私の説明が不足していました。
抵当権を設定出来るのは、不動産に対してのみとなります。今回登場する「住宅ローン債権」や「求償権」は被担保債権と呼ばれ、抵当権が実行された際、優先的に弁済を受ける事が出来る権利です。
なので、住宅ローンを借りる時に不動産に対して抵当権を設定して、その抵当権で守られる被担保債権を「住宅ローン債権(現在発生している債権)」では無く「住宅ローンを立て替えた際の求償権(将来発生する可能性がある債権)」と設定しているのが今回の例題になります。
よって、③のタイミングで新たに抵当権を設定するのでは無く、①のタイミングで「将来発生するかも知れない求償権」を保護する意味合いで不動産に抵当権を設定しています。
では③のタイミングで何が起きたのかと言うと、
「将来発生するかもしれない求償権」が「現在発生している債権」に変わるだけで債務者(抵当権設定者)が何か特別な事をする訳ではありません。
それ以外の点はあいさんが示した時系列の通りで、保証会社への返済も滞れば今度こそ抵当権が実行されて競売となる可能性もあります。
2025.01.19 18:48
あいさん
(No.5)
ごちゃごちゃになってよくわからなかったのですが、説明してもらい、わかりました。
不動産に抵当権設定、それによって守られるのが債権と求償権、ということですね。
求償権に設定するんじゃなくて、求償権の為に不動産に設定するんですね。
丁寧に説明してもらい、本当にありがたいです。
ありがとうございました(^^)
2025.01.19 19:58
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