遺留分について
初学者さん
(No.1)
トリセツ分野別過去問題集の問題37の肢1(1997年問10改)です。
【問題】
被相続人Aの配偶者BとAの弟Cのみが相続人であり、Aが他人Dに遺産全部を遺贈したとき、Bの遺留分は遺産の3/8、Cの遺留分は遺産の1/8である
【解答】
誤:兄弟姉妹であるCには遺留分はありません。Bの遺留分は遺産の1/2となります。
とあります。Cの遺留分が無いので誤りだというのは理解できますが、
B(配偶者)の遺留分については(法定相続分3/4)×(遺留分1/2)=3/8
と思っていました。
ですが解説には相続財産の1/2 とありました。
(兄の分の法定相続分1/4の1/2=1/8が妻の3/8に加算されるイメージ?)
ネットで調べたところ、1/2が優勢のように見えましたが、理解するうえで、
どういった考え方をするのか、および、どこから読み取れるのかの根拠が知りたいです。
もしどなたか分かる方がいらっしゃいましたら教えていただきたくお願いします。
皆さまのお時間を頂戴することになり申し訳ございません。
2024.06.19 12:26
宅建女子さん
(No.2)
だから計算する際も何ら考慮する必要がありません。
遺留分の算出方法ですが、
対象は誰か?
↓
全体がどのくらいか?
↓
各人算出
上記の順番で考えます。
ご存知とは思いますが、遺留分は全体の、
①直系尊属のみ1/3
➁それ以外1/2
です。
①か➁を算出したら、対象者で分けます。
例えば設問の遺贈が3000万のとき。
配偶者と子供二人なら、
➁に該当
↓
1500万
↓
各人配分2:1:1
750万 375万 375万
父母しかいないなら
①に該当
↓
1000万
↓
各人配分1:1
500万 500万
設問だと対象者は配偶者だけなので
➁に該当し、全部もらえます。
2024.06.19 15:40
初学者さん
(No.3)
早速のご回答、まことにありがとうございます。遺留分の算出方法が、
対象は誰か?
↓
全体がどのくらいか?
↓
各人算出
の順番であるとの認識がありませんでした。
民法を見たところ、第1042条の2項に相続人が数人ある場合には・・・」とあったため、
「配偶者3/4、弟1/4になり、遺留分はそれぞれ3/8と1/8になるけど、弟分はゼロなので
配偶者分は3/8になるはず」と考えていましたが、
ご指摘いただいた通り、対象が誰かをまず考えるなら弟は除かれるため、
相続人は配偶者のみとなり、遺産の1/2が配偶者の遺留分となると言うことですね。
民法第900条に兄弟姉妹の法定相続分が記載されているので、
それを参照している民法第1042条2項の内容を理解できておりませんでした。
今回、宅建女子様の説明で理解できました。ありがとうございました。
【参考】
民法第1042条
1.兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第1項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
前号に掲げる場合以外の場合 2分の1
2.相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第900条及び第901条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
2024.06.19 16:45
宅建女子さん
(No.4)
>民法を見たところ、第1042条の2項に相続人が数人ある場合には・・・」とあったため、
言われてみれば確かに紛らわしいですね。
気になって調べてみましたところ、やはり2項の表現に疑問を呈している弁護士さんがいました。
でも、そこには様々な学者の説を紹介していて、基本的には私が既にコメントした算出方法で間違いはありませんでした。
その方は『遺留分権利者が複数いる場合には…』と記載していただければなお分かりやすかった…、とも書かれていました。
ご尤もですね。
個人的には1項に『兄弟姉妹以外の相続人は、』とあるので、2項も兄弟姉妹除いた前提での『相続人』と考えるようにすればいいかなと思います。
2024.06.19 19:04
初学者さん
(No.5)
やはり他の皆様も引っかかっていらっしゃるのですね・・・
ですが、
「1項で兄弟姉妹以外の相続人と謳っているため、2項にある相続人も兄弟姉妹以外となる」
とのご説明がとても分かり易かったです。これでもう間違うことは無いと思います!
ありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。
2024.06.19 20:33
通りすがりさん
(No.6)
1項は、兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分を有する。
2項は、前項各号(1項本文、一号、二号)に定める割合なので、兄弟姉妹以外と導けると思います。
たしかに、読みにくくはありますが、しっかり条文を理解すれば、間違えまいと思います。
遺留分は何のためにあるのでしょうか?
遺留分の趣旨は、相続財産のすべてを、相続人が相続できず生活が困窮するのを防ぐため、
一定割合を相続人の遺留分として取り戻せるのが目的です。
だから、直系尊属のみの場合は、それ以外の場合に比べて、遺留分が少なくなっています。
(直系尊属は、すでに生活の基盤があり、子や孫の相続財産がなくても生活の実績があるため)
その趣旨を考えると、
前項各号(本文除外)により、前項各号に兄弟姉妹を含めると初学者さんの解釈になりますが、
そうすると、遺留分を有する相続人は、1/8の遺留分を請求ができなくなってしまい、
趣旨に反することになります。
よって、前項各号に本文を含めると解釈できるのではないでしょうか?
他の解釈として、「兄弟姉妹以外の相続人~当該各号(一号/二号)に~を受ける」
と明示されているので、2号で前号以外の場合となっています。
前号に掲げる場合以外(兄弟姉妹以外、直系尊属以外)となるので、
配偶者だけか、配偶者&直系卑属、直系卑属だけの場合と判断できると思います。
民法第1042条
1.兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第1項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
二 前号に掲げる場合以外の場合 2分の1
2.相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第900条及び第901条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
2024.06.20 15:58
初学者さん
(No.7)
詳しい説明をありがとうございます。
余談ですが、ChatGPTに聞いたところ、色々と質問の仕方を変更しても、
「配偶者遺留分が3/8であることに全く問題はない」としか言ってくれず、
まだまだAIには頼れないなと改めて思いました。
2024.06.23 10:30
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