危険負担の考え方

ニコろんさん
(No.1)
危険負担で契約前は、買主→解除できる。
売主に帰責事由があれば損害賠償請求もできる。
ここまでは理解しました。

ちなみに使用しているのはletのトリセツです。

問題は、契約から引き渡しの間。
目的物が天災などで滅失した場合は、
買主は代金の支払いを拒絶できる。
この場合、支払い義務自体を消滅させる為に解除はできるのでしょうか?


また、引き渡し後
目的物が既に買主の物だから、双方に帰責事由がなければ支払いを拒めず、解除や損害賠償請求できないのはわかります。
もし売主に帰責事由がある場合は、契約不適合として、
追完請求や代金減額請求が可能という事でしょうか?
2023.02.22 09:34
会社員さん
(No.2)
危険負担とは、売買などの双務契約が成立した後の話のはずなので、本当に「契約前」とテキストに書いてあるのか疑問に思います。

そもそも、「契約後」でなければ、「解除」という状況がないと思います。

それを前提として、

「引渡し前」の質問については、「反対債務(代金支払の債務)の履行を拒絶することができるのみ」です。詳細な説明は長くなるので割愛しますが、「危険負担  改正」などで検索すれば、適当な説明が見つけられると思います。

「引渡し後」の質問については、「売主に帰責事由がある」という状況は、危険負担を考える状況にならないと思うのですが・・・一般的に、売買契約において、売主のせいで目的物が滅失などすれば、契約不適合責任や不法行為責任を追求できると考えます。

大きなお世話かもしれませんが、
契約解除,債務不履行(責任),危険負担,契約不適合責任などについて、少し整理できていないように感じました。
2023.02.22 15:38
フランス人さん
(No.3)
「引渡し後」の質問については、
売買契約において、売主のせいで目的物が滅失などすれば、契約不適合責任というより、
履行不能の問題になるのではと思いました。
2023.02.22 19:04
会社員さん
(No.4)
履行不能とは、その名の通り、債務の履行が不能な状態ですが、「引渡し後」ということは債務の履行は完了したと考えました。

その上で、「売主のせいで滅失などした」とは、
契約に適合しない瑕疵があったため  とか、そういうことかと思います。

私はあくまで宅建士試験レベルでしか、法律を勉強していないので、もっと専門的知識のある人に言わせれば、間違っているかもしれません。
2023.02.22 19:30
Mmegさん
(No.5)
少し前に別のスレッドにコメントしましたが、この場合は債務不履行のおそらく③でしょう。

【債務不履行】
①履行遅滞→債務の履行期が到来しても履行しないこと
②履行不能→債務の履行が不可能なこと
③不完全履行→履行はなされたものの債務の本旨に従った履行がなされなかったこと

履行不能というのは、売り主のせいで滅失して引き渡せなくなった場合なら当てはまると思います。
2023.02.23 09:26
れふぃさん
(No.6)
がっつり全て解説して投稿したら反映されていませんでした( ;∀;)
もしかすると重複投稿になっちゃうかもです。その場合は申し訳・・・


会社員さんの、
>そもそも、「契約後」でなければ、「解除」という状況がない
危険負担の話なので、おそらく旧法下の議論の誤記だと思います。

ー①ーー売買契約ーー②ーー引渡ーー③ーー→

この時系列下で(全て特定物売買だとして)、
①:原始的不能(契約前に家が燃えた)
②:後発的不能(契約後、引渡前に家が燃えた)
で法的な理論構成が違ったんです。
現行法下では①②は端的に履行不能として処理するところでおっしゃる通りになると思います。

で、「特定物(家とか)」についての危険の問題の整理としては、
「引渡しがあれば」③で危険が動くんだ、と覚えれば話は簡単です。危険ってのは売主が泣くのか買主が泣くのかの問題です。
これは非常に実務に即した運用で、不動産売買取引の実務では100%と言っても良いくらい「カネ(残金)の支払い」と「引渡し」が同日に行われます。家の引渡しってどうすんのって鍵を渡すんです、マジでwwwちなみに実務的には民法177の問題もあるので「登記」も同日です。すなわち、「引渡し」が終わってるかどうかってのは「取引」が終わってるかどうかの問題なんです。
それを踏まえて整理すると、

引渡前の滅失事例=①②
  :売主(債務者)が泣く。まだ取引終わってない。
引渡後の滅失事例=③
  :買主(債権者)が泣く。もう取引終わってる。

ってな感じでしょうか。

あと、契約不適合責任の整理ですが、
❶債務不履行責任による損害賠償請求(415)
❷催告解除、無催告解除(541・542)
❸追完請求(562)
❹減額請求(563)

この話で明確にすべきは「帰責事由」の取り扱いです。
❶は落ち度ある相手方にペナルティとしてカネを払えって話。要件は「債務者(目的物引渡の問題だから売主が債務者)の帰責事由があること」です。債権者(本事例だと買主が引き渡せと言える人)に帰責事由が仮にあったとすればそれは必要的過失相殺(418)の問題になります。要するにもらえるカネが減るって話。
❷~❹はまずは❷の要件を明確にすると良いでしょう。解除ってのは不義理な契約から債権者を解放する仕組みです。特定物売買の契約不適合責任ってのは、雨漏りがする家だとかって話なので、今問題になってるのは債権者は買主です。この買主サイドから「解除」なんて強い効力を認めるためには「主張する側に落ち度がないことが必要」なんだと考えればわかりやすいです。すなわち、「債権者(目的物引渡の問題だから買主が債権者)の帰責事由がないこと」です。
❸の追完も同様で、買主が自分で壊しておいて新品に取り換えろなんて無茶な請求通りませんよね。
❹の減額は「一部解除」だと思えばよくて、要件が催告解除・無催告解除に横並びです。問題がある部分を解除するからカネを減らせって話と思えば良いです。要するに❷~❹は同じ。

以上から、
>もし売主に帰責事由がある場合は、契約不適合として、追完請求や代金減額請求が可能という事でしょうか?
❸❹の話は「買主(債権者)に帰責事由がないこと」という点に着目しないといけない話です。売主の帰責事由は問題になりません。売主に落ち度があろうがなかろうが、契約に適合していない(100個の納入だったのに80個しかないとか:これは数量)というのが問題なんです。で、それを主張するに値する買主なのかどうかを考えるべき局面なんです。
2023.02.23 13:49
ニコろんさん
(No.7)
みなさん、丁寧な説明ありがとうございます。周辺知識も勉強しなければ、と思い悪い沼にハマってしまっていました。文章の捉え方次第で勘違いしたままになるところでした。
2023.02.23 22:03

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