不動産売買と所有権移転について
うどんさん
(No.1)
は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。
→正しい。売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は
同時履行の関係に立ちます。 H27-10
②Aを売主、Bを買主として、丙土地の売買契約が締結され、代金の完済までは丙土地の所有権は
移転しないとの特約が付された場合であっても、当該売買契約締結の時点で丙土地の所有権はB
に移転する。
→誤り。原則として所有権は売買契約締結時に移転します(民法176条)。ただし、判例では所有権
の移転が将来なされる特約がある場合にはそれに従うとしています(最判昭33.6.20)。本肢では
「代金の完済までは丙土地の所有権は移転しない」特約があるため、所有権の移転は代金の完済時と
なります。H29-2
①で売買代金支払いと所有権移転登記が同時履行であれば、②の解説の所有権は売買契約締結時に
移転するというのが矛盾しているように感じるのですが、考え方を間違えているでしょうか?
所有権移転登記と同時履行なのは代金支払いでしょうか?それとも売買契約締結でしょうか?
2021.09.11 19:43
まるさん
(No.2)
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
とある通り、当事者の意思表示(この場合は売買契約)の時点で所有権は買主に移転します。
所有権移転登記というのは、移転「した」不動産の所有権を第三者に対抗するための要件です。
2021.09.12 00:24
うどんさん
(No.3)
ということは、
売買契約締結 と 所有権移転
代金支払い と 所有権移転登記 がそれぞれ同時履行ということでしょうか??
所有権移転登記が第三者への対抗要件であることは理解しているのですが、
①と②の違いがあまり釈然としなくて、、、
2021.09.12 07:31
まるさん
(No.4)
所有権の移転は、契約締結と同時に発生します。当事者同士の「売ります」「買います」の意思が合致したらそこでもう所有権は勝手に移転するんです。もうこの時点で、「所有権は買主にある」んです。
そして、「所有権が買主に移転した」という事実はこの時点では当事者同士にしかわかりませんよね。誰が見ても所有権が移転したとわかる状態を作り上げること、つまり第三者対抗要件の具備。それが動産では物の引き渡し、不動産では登記なのです。
ここからは履行の話をします。用語の意味として、「履行」というのは、「自らが持っている債務の内容を実現すること」です。
不動産の売買契約締結後、買主は「売主へ代金を支払う債務」売主は「買主への所有権移転登記に協力する債務」をそれぞれ持っています。
その債務を履行するタイミングの話が「同時履行」の話です。
「同時履行」というのは、平たく言えば「あなたがするのと同時じゃないと私もやらないよ」ということです。
今回の①でいえば、買主目線だと「あなたが所有権移転登記に協力するのと同時じゃないと私はお金を払わないよ」
売主目線だと「あなたがお金を払うのと同時じゃないと私は所有権移転登記に協力しないよ」という話です。
ご質問の
> 売買契約締結 と 所有権移転
>代金支払い と 所有権移転登記 がそれぞれ同時履行ということでしょうか??
という内容ですが、後者はその通りです。
前者はそもそも履行とかそういう話ではないです。
売買契約が成立したら所有権は移転する。これは特約がない限り勝手に発生します。自らの債務を実現させる「履行」とかそういう話は出ません。
余談ですが、「同時履行でない」債権債務関係として代表的なものが、賃貸借契約終了における貸主の「敷金を返還する債務」と借主の「物を明け渡す債務」で、物の明け渡しが先履行となります。貸主が「あなたが先に明け渡さないと私は敷金を返還しません」と言えます。
2021.09.12 10:59
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